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米駆逐艦「コール」爆破事件
 2000年10月12日、イエメン・アデン港に寄航した米国の駆逐艦「コール」に、約220キロの爆破物を搭載した、2名が乗船するゴムボートが突っ込み爆発、炎上。米兵17人が死亡。
 
 
仏タンカー「ランブール」爆破事件
 2002年10月12日、イエメンのムカラの沖合約6キロの海上でフランスの石油タンカー「ランブール」に小型船が突っ込み爆発、船の側壁が大破し、乗組員のブルガリア人1名が死亡。
 
 10月10日、イスラム過激派「アデン・イスラム軍」を名乗る団体が犯行声明を出し、同船の被害状況等からテロと断定された。
 
 
海上テロの脅威(2002年)
3月:パキスタンの過激組織アジトから、アルカイダが大型客船の襲撃を計画していることを示す書類が発見された。
4月:米国のロサンゼルス港のワールド・クルーズ・センターとビンセント・トーマス橋で2名のアラブ人が偵察活動をしているところを発見された。
5月:ドイツ治安当局、英国、フランス、ベルギ、スカンジナビア諸国、オランダ間を就航するフェリーが、アルカイダの標的とされていることを公表。
6月:モロッコの治安当局、ジブラルタルで米国、英国及びイスラエルの商船及び海軍艦船へのテロを計画していた容疑で3名を逮捕。
8月:アフガニスタンで発見されたビデオから、アルカイダがマレーシアの海上警察を監視していたことが分かった。
10月:ハマスが、カジノ船を使ってカメラ爆弾の密輸を図った。
 
海上テロの脅威(2003年)
3月:スリランカのタミール・タイガーが中国のトロール船を小型船舶からミサイル攻撃し18人を死亡させた。
4月:インドネシアのアチェ沖でアチェのテロ組織GAMの2隻の高速艇が貨物船を自動兵器で攻撃。
 
海上テロの脅威(2004年)
4月:イラクのバスラ沖で、イスラム過激組織がオフショア・オイル・ターミナルを襲撃未遂
 
テロリストにとっての船舶の意味
1. 襲撃手段
・スピードボート、ゴムボート、改造漁船等
2. 襲撃対象(爆破等)
・オイルタンカー、LPG/LNG船、客船、フェリー
3. 輸送用具(人員、武器、麻薬等の密輸物資)
・コンテナ船、貨物船(自ら所有も)、漁船
4. 資金獲得手段(拿捕または乗員を誘拐した上で脅迫)
・全ての船舶
5. 大量破壊手段(大都市の石油施設等に衝突させる)
・オイルタンカー、LPG/LNG船、客船、フェリー
6. 経済・社会攪乱手段(狭く浅い水路で沈没させる)
・全ての大型船舶
 
テロリストが海上を選ぶ理由
1. 取り締まりや監視の目が及ばない広大な海域の存在
2. 取り締まり強化により、陸上や空でのテロがより困難になった
3. 港湾や沿岸での不十分な警備体制と、海上セキュリティーにおける国際協調体制の欠如
4. ごく少数の乗員で大型船舶を運航する傾向
5. テロリストと海賊との連携(今のところ具体的証拠なし)
6. 国際経済を混乱させる効果が期待できる
7. 大型標的(オイルタンカー、大型客船、海上石油施設など)を襲撃することにより、世界に大きな衝撃を与えることが期待できる
8. 「コール」や「ランブール」での成功体験


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