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概要
タイトル:船の科学館 開館30周年記念
企画展「舟を造る」〜葦舟と木造カヌー〜
開催趣旨: 船の科学館は、昭和49年の開館以来、海事知識の普及啓発を目的に各種事業を行ってまいりました。
 開館30年を迎えた本年は、次代に伝えるべき造船技術の一端を紹介することを目的として、人類が造った最古の船の一つであり、古代から現代までの数千年の間受け継がれて来た「葦舟」の製法と、小型船のFRP素材全盛の現代において、日本の伝統的な和船の建造技術と洋船の建造技術を融合した技法で製作した木造カヌーの製作方法について展示紹介しました。
 
開催内容:
(1)葦舟コーナー
・葦舟製作工程紹介写真パネル
・葦舟の展示
(2)木造カヌーコーナー
・木造カヌー製作工程紹介写真パネル
・木造カヌーの展示
・カヌー木型等の展示
 
開催期間:平成16年9月4日(土)〜10月3日(日)
 
開催場所:船の科学館 ボートハウス
 
主催:船の科学館
 
協力:カムナ葦船プロジェクト
SANO MAGIC
国立民族学博物館
 
入場者数:8,396名
 
 
【葦舟コーナー】〜古代人の知識に学ぼう〜
 船が、人類によっていつ頃から造られるようになったかは定かではありませんが、今から数千年前から地球上のいろいろな地域で、その土地で調達できる木材や竹、動物の皮等々を用いて造られはじめたと考えられています。
 その中でも、船のルーツの一つである葦舟は、現在でも南米のチチカカ湖やヴィクトリア湖等で造られ使用されています。
 本コーナーでは、本年8月21、22日の両日に実施した〜古代人の知識に学ぼう〜「葦舟造り体験教室」での葦舟製作の再現の様子を通して、地球上の多くの地域で古代から現代まで受け継がれてきた葦舟造りから「船」の歴史を学ぶとともに、葦が持つ水質浄化機能の解説を通して海・川・湖などの水の大切さについて関係資料をもとに展示紹介しました。
 
葦舟の展示
 
葦束の展示
 
葦舟製作工程解説用模型
 
【木造カヌー コーナー】
 近年、わが国では木造船を建造できる船大工の減少、後継者難、高齢化の進行などにより、木造船建造技術は伝承されることなく消えつつあります。
 そこで、船の科学館では木造船の文化・技術継承及び今後の伝承の仕組みに関する検証を目的として、木造船製作講座「手作りカヌー」を開催しておりますが、本コーナーでは、日本の和船建造技術を基礎に、日本伝統の木工技術と洋式の木造船技術を融合させた「木造手作りカヌー」の製作技法を、関係資料をもとに展示紹介しました。
 
カヌー本体と木枠の展示
 
木型と外板の展示
 
接着剤の展示


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