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はじめに
 福山海洋少年団は昭和43年7月23日、呱呱の声をあげた。以来36年の間、紆余曲折を経ながら今日に至っている。団勢の最も盛んな時期は、昭和50年から63年までの13年間であった。
 特に56年から61年迄は指導者、準指導者16名。高等、中等3級の班長40〜50名。年少団員120名を擁する勢いであった。
 昭和49年より60年迄は、小学5年生(男女)のみを募集し、応募者には入団試験(国語、算数、作文)と保護者同伴の面接を行ない、優秀なOBの輩出を見た。
 然し、平成元年より応募者の漸減を見るに至り、平成3年度より応募者を4年生と5年生の2学年と枠を拡げたが、応募状況の改善を見るに至らず、平成15年度より小学3年から6年迄を応募資格者とした。
 以上の如き推移を持ちながら、平成16年度団員拡充モデル事業を受諾し、以下の如く実施した。
 結果が判明するのは平成17年以降であるが、期待している方向に進展してくれるよう希望してやまない。尚、全体の文章が冗長にならぬよう、簡潔にまとめた。
 
平成17年3月
 
社団法人 日本海洋少年団連盟
福山海洋少年団
 
I 事業の概要
1. 期間 平成16年4月1日〜平成17年3月31日
2. 実施団 福山海洋少年団
3. 福山市概要
(1)人口・世帯
 人口 426,795人
 世帯 163,905世帯
(2)学校
 小学校 74校
 中学校 33校
 
4. 目的
(1)社団法人日本海洋少年団連盟傘下の福山海洋少年団の存在理由を交流を通して理解せしめる。
(2)展示訓練及びそれを通して交流する事に拠り、規律を守る礼儀が少年期の人間形成に重要である事への理解。
(3)集団生活で生まれる友情を体得する必要性。
(4)常に将来する日本を念頭に置きながら、次代を担う子供の健全育成。
 
 以上を事業遂行中の一貫した目的とした。
 
II 事業及び内容報告
1. ふれあいオリエンテーリング
実施日 平成16年5月16日(日)
場所  福山自然研修センター
参加者 福山海洋少年団 12名
めばえ幼稚園々児及び保護者 130名
内容
 9:00〜11:00 オリエンテーリング
11:00〜12:00 展示訓練
   手旗及び基本動作
評価
 オリエンテーリングの最中、幼稚園児保護者から、あれこれと海洋少年団に対する質問を受けた様子であった。幼稚園児は何年か後の入団資格者であり、保護者に関心を持たせたのは評価できるものと思う。特に基本動作のきびきびした動作には、拍手があった。
 又、初等級のみの手旗リレーには感嘆の声が挙がっていた。
 
2. 体験航海をしよう“福山港を見学しませんか”
実施日 平成16年7月18日(日)
場所  福山港
参加者 福山海洋少年団 14名
一般参加者 114名
内容
 9:00〜11:30 巡視艇体験航海と手旗及び結索展示訓練
   募集パンフレットの配布
評価
 福山海土保安署の協力に依り、体験航海が実施出来たのは具体的なPRであり、好評であった。
 陸上での展示訓練を行ないながら感じたことは、一般参加者の子供たちが、団員たちとは違う所に居るような態度で見学していたように思え、一般社会の海洋少年団に対する関心に今一歩距離があるように感じられた。
 
3. 海洋少年団を体験しよう
実施日 平成16年9月12日(日)
場所  福山市田尻町高浜海岸
参加者 福山海洋少年団 10名
一般参加者 5名
内容
 9:00〜11:30 カヌー操艇体験
   募集 パンフレットの配布
評価
 カヌー配属を受けて余り日時も経ておらず、それだけに団員も一般参加者の子供もまるで団員と同じように和気あいあいと、9月中旬でやや涼しかったが、ずぶ濡れになりながら楽しんでいた。
 この子たちが来年入団してくれたならと切に思ったのであるが、「海洋は海洋」「カヌーはカヌー」の感が拭い切れなかった。
 
4. 海の教室 Part.1
実施日 平成16年10月17日(日)
場所  福山港
参加者 福山海洋少年団 14名
一般参加者 187名
内容
 7:00〜 8:00 清掃活動(台風による打ち上げゴミ)
 9:00〜12:00 巡視艇体験航海
 9:00〜12:00 カッター試乗、手旗、結索展示訓練
12:00〜13:00 野外釜揚げうどん(昼食)
   募集パンフレットの配布
   アンケート調査
評価
 参加者を数ヶ班のグループに分け、体験航海と展示訓練を交互に行なった。
 当日は天候が荒れ気味で、カッター試乗は苦労があったが、参加者の子供たちには良い経験になったと思う。
 結索は一般参加者の保護者にも簡単な結びを3種類教え、子供たちも交えて結索リレーを行なった。
 教育級、初等級の手旗演練は注目され、関心が高かった。
 昼食は全員和気あいあいと野外釜揚げうどんで盛り上がり、一般参加者より好意的な評価を受けた。一般参加者の中から新入団員を獲得出来れば、これに越した事はない。
 
5. 仙酔島クリーン作戦
実施日 平成16年11月14日(日)
場所  仙酔島(福山市南方に浮かぶ景勝の島)
参加者 福山海洋少年団 12名
一般参加者 38名
内容
 9:30〜11:00 清掃活動(台風による打ち上げゴミの処理)
11:30〜12:00 基本動作及び手旗展示訓練
   募集パンフレットの配布
12:00〜13:00 昼食をとりながら懇談
評価
 一般参加者は極めて好意的であるが、我が子を入団させるとなると、昔の親のように親の考えを子供に教え悟らすことがむずかしいようである。家庭教育の中で親が一貫した教育方針を持っていないように思えた。
 
6. 見て 来て 体験 “体験入団しませんか”
実施日 平成17年2月20日(日)
場所  みろくの里遊園地
参加者 福山海洋少年団 12名
一般参加者 11名
内容
10:00〜12:00 基本動作、手旗、結索展示訓練
12:00〜13:30 昼食をとりながら一般参加者と懇談
評価
 寒い日で、朝から小雪がちらつき、風も強かった。懇談しながら切実に思う。平成時代に入って僅か16年の間に子を持つ親の社会国家に対する考え方が、少子化から来るのであろうか、利己的な視野で子供を抱え込んでいるとしか思えない節がある。
 
7. 海の教室 Part.2
 は次から次へと襲来した台風のため、実施するに至らなかった。
 
参加状況統計
事業名 海洋少年団 一般 合計
大人 子ども
1 親子ふれあいオリエンテーリング 12人 52人 78人 142人
2 体験航海をしよう
 〜福山港を見学しませんか〜
14人 46人 68人 128人
3 海洋少年団を体験しよう 10人 0人 5人 15人
4 海の教室 Part I 14人 103人 84人 201人
5 仙酔島クリーン作戦 12人 17人 21人 50人
6 見て 来て 体験
 〜体験入団してみませんか〜
12人 6人 5人 23人
合計 74人 224人 261人 566人
 
8. 有識者による指導者会議
(1)社会教育関係団体関係者会議
ア. 日時  平成16年10月15日(金) 14:00〜16:00
イ. 場所  福山市新涯公民館
ウ. 参加者 福山市・子ども会・明るい町づくり委員会・海上保安署
エ. テーマ 「福山市における青少年健全育成と青少年育成団体に期待するもの」
 
(2)社会教育関係団体関係者会議(活動評価会)
ア. 日時  平成17年3月12日(土) 15:00〜17:00
イ. 場所  福山市新涯公民館
ウ. 参加者 福山市・子ども会・明るい町づくり委員会・海上保安署
エ. テーマ 「今後の福山海洋少年団に望むもの」


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