図3.1.27 風向・風速の時系列データ
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図3.1.28 丹後由良海岸でのADCPの計測結果
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図3.1.29(a)(b)は特異な変動を見せた9/12 7:00〜9:00までのADCPによって計測された岸沖方向成分、沿岸方向成分の流速の鉛直分布を示す。7時から9時まで20分間ごとの平均流速を取り時間変化特性を示している。横軸の値は岸沖方向は沖方向を正に、沿岸方向は東方向を正にとっている。また縦軸の値は層を表し、海底から0.57mを1層に0.25mおきに1層から20層までをとっている。ADCPは水深7mの位置に設置したため本来ならば30層までデータが取得されているが、上層はADCPによるデータ信頼度が80%を下回っていたためここには示していない。
図より時間が経過するにつれて10層付近より上層は岸方向、下層は沖方向へと向かう流れが発達し始め、やがては消滅していく様子がわかる。この時20層より上層では信頼度は低いが強い沖向き流れが観測されていた。ADCPの設置位置が由良川河口の沖側であったため、この変動は河川流の影響を捉えたものであると考えられる。また沿岸方向に関して16層付近より上層では東方向から西方向へ、下層では西方向から東方向へと流れが変化している。この場所は由良川の対岸に泳いで渡ろうとした人が沖へと流される事故が報告された場所でもあり河川流の影響を受けた流れは非常に複雑な構成を持つ時間帯があることが確認できた。
図3.1.29 ADCPによる流速の鉛直分布
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(5)パターン別離岸流の流況特性
第2章2.1で、従来の研究結果を参考に離岸流のパターン分類を行った。3年間のリモートセンシングによる実測によって、分類された離岸流のパターンのいくつかを撮影することができた。以下ではそれぞれのパターンについて考察を行いそれぞれの流れの特徴について検討する。
1)直線状の汀線から発生する離岸流
図3.1.30は浦富海岸に2002年9月5日10時45分頃撮影された離岸流の流況である。この流れはType-A1にあたる離岸流で、この離岸流は砕波帯で砕波が周辺より遅れている場所を目安にシーマーカーを投入し、撮影に成功した。このパターンの離岸流は発生から消滅までの時間が短く、さらに発生・消滅を繰り返す。突発性が高いことから遊泳者にとって最も危険な流れといえる。
図3.1.30 直線状汀線で発生した離岸流
今回の画像では細かな地形は正確に見て取れないがbarのような離岸流発生に影響するような地形は見られず、いわゆるrip channelも存在しない。汀線もほぼ直線状であり、不安定性によって発生するものと思われる。この離岸流は、極浅海域に設置していた計測機器群を避けた位置で発生した。しかし、極浅海域で計測された水位変動には、特徴的な変化は見られなかった。なお、シーマーカーの動きから読み取った離岸流流速は、ほぼ0.6m/sであった。今後はより詳細な実測を行い不安定性をもたらす原因を特定しどのような条件下でこのタイプの離岸流が発生するのかを検討する必要がある。
2)汀線凹部から発生する離岸流
図3.1.31は浦富海岸において2002年9月15日10時15分頃に撮影されたものである。Type-B1にあたる離岸流で従来より波の集中・発散によって発生しやすいといわれている地形である。過去の研究によって、実験によって再現されたり、現地観測によって確認されているものはこのタイプが多い。図より汀線凹部沖側で砕波が遅れていることが分かる。汀線凹部では水深が深く砕波が遅れるため、周辺の砕波による水位上昇で水位差が生じ、水位勾配による流れが汀線凹部に集中する。実際に砕波していないところに沿うようにシーマーカーが流れていることがわかる。シーマーカーの動きから読み取った離岸流流速は0.8m/sに達した。
図3.1.31 汀線凹部より発生した離岸流
3)汀線凸部から発生する離岸流
図3.1.32は2003年7月6日13時25頃から撮影されたType-B2にあたる離岸流の流況を60sおきに画像をcaptureしたものである。
汀線より約30mのところにbarが存在しておりbar上で砕波が起こっている。このbarの存在によって汀線とbarの間が流路となり強い沿岸流が生じる。沿岸方向の流れが凸部に集中しrip channelから沖方向へと流れが生まれている様子が分かる。浦富海岸は漂砂移動による地形変化が活発に起こっておりこの凸部及びbarは徐々に移動している可能性がある。シーマーカーの動きから読み取った離岸方向流速は0.6m〜0.8m/sであった。
図3.1.32 汀線凸部より発生した離岸流
(a)start
(b)60s
(c)120s
図3.1.33は海浜流による循環を捉えた図である。汀線凹部から離岸流が発生し汀線凸部へと向岸流が形成されている。図の左側(西側)の汀線凹部から発生する離岸流も確認されており非常に大規模な循環流を捉えることに成功している。
図3.1.33 海浜流(2002年、9月3日15:05撮影)
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