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14 静岡(しずおか)ハンディキャップ太鼓(たいこ)の会(かい) [静岡県]
―プロフィール―
 1999年6月、現在の村上代表により結成したグループで、障害を持っている人たちを対象に、太鼓を通して障害のある人たち及び地域の人たちとの交流を目的にしております。
 結成当初、演奏ができるだろうかと心配しましたが、太鼓仲間の理解と応援もあり、月2回の練習にみんな楽しく一生懸命に取り組み、1年を経過した頃より人前でも演奏が出来るようになりました。今では4曲ほどマスターし、静岡市内の行事や施設等の夏祭りには毎年参加し、演奏活動を行なっています。
 知的障害者・ダウン症・自閉症・身体に障害のある7歳の児童から60歳までの会員と講師を含めた6人のスタッフが練習に励んでいます。
 太鼓の演奏活動をすることにより、障害を持つ人たちと持たない人たちとが交流でき、少しずつではあるが地域の人たちの理解を得てきています。
 障害のある人たちと一緒に楽しみ、太鼓を通して共に社会参加の場(心のバリアフリー)作りをしている静岡ハンディキャップ太鼓の会です。
 
 
 
 
―実践報告―
 平成11年6月ハンディキャップ太鼓の会が仲間を募集していました。すぐに入会し、第1回目の練習から参加しています。
 太鼓をやるのは初めてでしたが、先生方が一人一人に丁寧に教えて下さるので、毎回の練習をとても楽しみにしています。
 いろいろなイベントにも参加しているので、みんな一生懸命練習しています。
 静岡市の行事、静岡祭り、そよかぜコンサート(障害者のいこいのコンサート)・静岡青年会議所の心のバリアフリーイベント・障害者施設(ライラックの園・いこいの家)の祭り・授産所の祭りへの参加、ハンディキャップテニス大会での応援・県太鼓連盟イベントへの参加・老人ホーム・少年院を訪問・日本太鼓全国障害者大会出演等々大勢の人の前での演奏がみんなの練習の励みになります。
 また、川越し太鼓のチャレンジチームと初めてのコンサートもやりました。両方のチームともみんな一生懸命やり、交流を深めました。他にも千葉で行なわれた海外職業訓練協会での演奏では静岡の若駒会の方々と、一緒に練習し一緒に参加させて頂きました。
 『上達することよりも一人一人が一生懸命楽しく取り組む姿勢の方が大切だ』と熱心に指導して下さる先生方には本当に頭が下がります。
 そのようなわけで太鼓をやるのが楽しくて楽しくて練習も休まずがんばっています。表情が明るくなり積極的に取り組んでいこうとする姿を見ていると太鼓をやらせて頂くことが出来て、本当に良かったと思います。
 
―プロフィール―
 我が古塔山びこ太鼓は発足して1年9ヶ月になりました。太鼓一つ無いところからの振り出し、一体どうしたらいいのか。まずは小口大八先生に相談にあがりました。作業所の実情を全て話し、何も出して買うことは出来ないが太鼓をやりたいという心を持っていると。宗家は全てを飲み込んで下さり、快く太鼓一式を山びこに運んで下さいました。また、自らご指導にも来て下さり、全員心より感謝しております。宗家に対して何もお返しすることは出来ませんが、この古塔山びこ太鼓をいつまでも続け、精神障害者の人に少しでも勇気を与えることができたらと思っております。どうぞ人前に出る勇気を持って下さい。こんなにも素晴らしいことが出来るのです。本日は宗家に感謝いたすとともに、お出での皆様のご健康をお祈りいたします。ありがとうございました。
 
 
 
 
―実践報告―
 こんにちは、長野県上田市からきました古塔山びこ太鼓です。私達はグループ結成二年になります。私達は、精神障害者の作業所で働いている職員三名メンバー八名で小口大八宗家の御指導の元でがんばっています。少ない予算の為に太鼓一つ買えない事を宗家に話しましたところ快く太鼓一式を無償で貸して下さり、又自ら作業所に足を運んで下さる御指導もして頂いております。職員をはじめ皆宗家に感謝して一生懸命がんばろうと言っております。古塔山びこ太鼓の由来も上田には古い塔が沢山あるという所から名づけました。
 今日は日頃の練習成果を出せたら良いなと思っています。大きなステージに立つ事が皆の自信と勇気につながり又宗家に少しでも私達の晴れ姿を披露して見て頂けたらと思います。先生これからも古塔山びこ太鼓の皆を暖かく見守って下さい。今日はありがとうございました。
 
 人前で初めて太鼓を打ったのは、習い始めて二ヶ月たった2年前の11月でした。市主催の収穫祭で、青空の下での演奏でした。曲はやっとの思いで覚えた勇駒でした。人前で何かするという事がとても嫌いな私にとっては大変なことでした。間違えないで打てるかな、大丈夫かなと心配で不安で緊張し通しでした。バチを持てば手には汗が、心臓は口から飛び出そうな位でした。でも打つしかない、みんながいるから大丈夫、そう言い聞かせて臨みました。でも曲を追いかけるのに精一杯で、顔を上げる事も手を真っすぐ上げる事も出来ず、どこをどう打ったのかわからない失敗だらけの初舞台でした。
 その後12月の保健所主催のクリスマス会、松本で年に一回開かれる精神保健セミナーでの交流会では、県内から集まった300人の前での演奏で、演奏前の食事ものどに通らない程の緊張でした。宴会でにぎやかな中、太鼓の音が鳴り響いた途端に皆静かになり、真剣に聴いて下さり、大きな拍手をもらえた事はとてもうれしく、感激しました。山びこの家のメンバー同士の結婚披露宴の席で打たせてもらった時は、太鼓でお二人の幸せを願い心からお祝い出来、良かったなと感じました。この頃から飛龍三段返しも加わり、2曲の演奏となりました。
 また、今までは、市、保健所関係からが多かったのですが、新聞の記事を見て山びこ家の太鼓を知ったという丸子町の一般の会社の創立記念でも打たせてもらいました。
 太鼓を通して理解を少しでも深めてもらえたらという気持ちで打ちました。遠い所では、昨年飯田の作業所のお祭りでも打たせてもらいました。上田市の保健補導員の研修では、メンバーの今までの辛い体験と太鼓との出会いを聞いた後だったので、皆力が入り印象に残るものとなりました。そしてこの時は、このメンバーさんが作曲した曲も合わせて3曲打ちました。松本での障害者の大会では、それぞれのチームの障害を感じさせない、素晴らしい演奏に感激し、勉強させれられました。
 西沢さんのおかげで小口先生にお会い出来、太鼓に出会う事が出来ました。感謝しております。そして太鼓を無料で快く貸して下さり、忙しい中何回もわざわざ上田まで教えに来て下さる小口先生、お弟子さんに本当に感謝しております。
 何回人前で打たせてもらっても、緊張は変わらず、上達の無い私ですが、これからも皆の足をひっぱらないよう一生懸命練習し、西沢さんがいつも言われる、ちゃんと打つ事はもちろん、見せる太鼓を目指し、元気よく声を出す事も心がけて行きたいと思います。
 これからも小口先生、西沢さんよろしくお願い致します。







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