日本財団 図書館


ご挨拶
 
財団法人日本太鼓連盟
会長 紀内隆宏
 
 財団法人日本太鼓連盟は、本年で設立8年目を迎えます。日本財団のご支援と太鼓関係者や関係団体のご協力により着実に前進してまいりました。現在では36都道府県に支部が設立され、加盟団体数は820チームを上回り、会員総数も2万3千人を超えております。太鼓愛好者も子供から高齢者まで年齢層が広がり、最近では主婦をはじめ女性グループも増えつつあります。
 また、健常者のみならず身体・知的・聴覚障害者のグループも誕生し、全国の障害者施設においても、年々太鼓演奏を取り入れるところが多くなってきております。障害者自身による全身を使っての日本太鼓の演奏は、体力づくりはもとより、団体演奏に必要なチームワークを育むなど心身の療育に有効なだけでなく、障害のある方々の文化活動を促進し社会参加の機会を広げるものと思われます。
 一方、海外においても太鼓の演奏が「日本の心」を伝えるものとして高く評価され、財団設立以来30カ国で公演を行ってまいりました。中でも、2001年5月にロンドンで開催されました「Japan 2001」では「富岳太鼓」の知的障害者・健常者合同チームが演奏し、20万人もの観客に大きな感動を与えました。また、2003年6月には、米国ロチェスター工科大学並びにギャローデット大学における「聴覚障害者教育と指導技術に関するシンポジウム」において、「甲州ろうあ太鼓」による太鼓公演、ワークショップを行ってまいりました。今年に入りましても、アメリカ太鼓連盟、ブラジル太鼓協会が相次いで発足し、海外における日本太鼓の普及と太鼓を通じた国際コミュニケーションが今後ますます期待されております。
 このように日本太鼓が脚光を浴びるなか、本大会が日本財団の助成事業として、障害を持ちながら日本太鼓を愛好されている方々が全国から集まり、成果を表現する場として開催されますのは、主催者として大変喜ばしいことであります。
 出場されるチームの皆様には日頃の練習の成果を十分に発揮され、さらに日本太鼓を通じて全国各地の仲間同士と交流を図り、友好を深め、いつまでも胸に残る大会とされますことを期待いたします。
 終わりに、本大会の開催にご協力いただきました社会福祉法人富岳会並びに(財)日本太鼓連盟長野県支部をはじめ関係各位に心から感謝いたしますとともに、皆様方のご健勝、ご多幸をお祈り申し上げます。
 
 
信州・長野県
知事 田中康夫
 
 日本列島の背骨に位置し、数多(あまた)の水源を擁する信州において、第6回日本太鼓全国障害者大会が盛大に開催されますことを心からお祝い申し上げますとともに、全国からお集まりいただきました皆様に、長野県民を代表して心から歓迎を申し上げます。
 一人ひとりの相貌(かお)が見え、体温を感じることのできる“ふるさと”であり続けたいと願う信州では、向上心溢れる皆さんが、その場所でしか味わい得ない唯一無二なる魅力を育むためにも、誇りある自律の道を歩み始めています。
 それは尊い営みです。何故ならば、今を生きる私達は、未来に暮らすであろう、未だ見ぬ人々のためにこそ、数字には換算できない真の豊かさを、育んでいかなければならないからです。
 御諏訪太鼓の地で開催されます今大会もまた、人が人を支え、人が人に支えられることの悦びと、一人ひとりが愛するふるさとを心に抱くことの温かさをを感じていただける場となりますように。
 心を研ぎ澄まし、心を一つにして打つ力強い太鼓の音が、会場の皆さまの心の奥まで響き渡ります事を願っています。
 なお、来年の2月26日から3月5日まで、「2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・長野」が開催されます。
 この信州で、皆さんと再び出会い、多くの感動を分かち合えますように。
 
 
諏訪市
市長 山田勝文
 
 第6回日本太鼓全国障害者大会が当市で開催されますことを心からお慶び申し上げます。また、全国から当市にお越しいただいた皆さんを心から歓迎いたします。
 諏訪湖や霧ケ峰高原、上諏訪温泉や諏訪大社といった自然、歴史資源に恵まれた当市では、このような優れた環境を生かした福祉のまちづくりを進めています。同時に福祉の新たな分野である芸術療法にも着目し、この7月には准臨床美術士の取得講座を市が開催するなど、時代に即した福祉のまちづくりを進めているところです。
 (財)日本太鼓連盟が主催する今回の大会の趣旨は、太鼓を音楽療育の一環として行っている各地の障害者のチームが一堂に会して、演奏を通して心身の療育に寄与することにあります。その趣旨は当市の芸術療法に相通ずるものがあり、そのような意味からもこの大会が有意義なものになることを念願して止みません。
 日本太鼓には、演奏に必要な体力や精神力、リズム感などだけでなく、チームワークも必要になろうかと存じます。個人個人が懸命にバチを叩き、仲間と息を合わせながら演奏することは、障害者の皆さんの療育や社会参加の促進に大きく寄与することでしょう。
 参加者の皆さんには日ごろの練習の成果を十分に発揮されると同時に、お互いの交流を深めていただきたいと思います。この諏訪の地で開催される本大会が皆様にとって思い出深い大会になりますよう念願いたします。
 本大会の開催にあたりご尽力いただいた関係各位に敬意を表しますとともに、この大会が盛会のうちに開催され、所期の目的が達成されますようご祈念申し上げ、お祝いのことばといたします。
 
 
社会福祉法人富岳会
理事長 山内令子
 
 今年の夏は大変な暑さでしたが、皆様におかれましては、お元気でお過ごしのことと存じます。
 このたび、「日本太鼓全国障害者大会」が第6回目を迎えることができました。これもひとえに日本財団様の助成をいただき、財団法人日本太鼓連盟のご理解と全面的なご協力のお陰と心より感謝申し上げます。
 日本の伝統芸能の和太鼓を取り入れての療育とリハビリに多くの方々が理解をして下さり、和太鼓は、日本のみならず、今や世界的に太鼓の響きに刺激を受け、障害を持っている方の療育にリハビリに又は地域とのコミュニケーションの手段として取り入れられてきています。
 「礼に始まり礼で終わる」太鼓を通して、自己を表現することで、ひとり一人の個性を生かし、自立に向けて主体的に生活していく力がつくなど様々なトレーニングの成果が出ております。
 太鼓を通しての生活の変化に太鼓を打っている彼ら自身とその指導者が自信を持って認めていると思います。だからこそ、太鼓セラピー、療育に大きな意義があるのです。
 この大会に年々と参加してくださるチームが増えてきていることも何かを変える魅力があるからです。
 このような機会を与えてくださいました、日本財団様、財団法人日本太鼓連盟様に感謝いたします。
 また、本日までいろいろと準備をしてくださいました、小口大八先生はじめ、長野県支部の皆様本当にありがとうございました。
 会場にお越しくださいました皆様、一年間のリハビリの成果をご覧いただきたいと思います。
 本日は誠にありがとうございました。
 
支部長 小口大八
 
 このたび、第6回日本太鼓全国障害者大会が、長野県諏訪湖畔諏訪市文化センターに於いて開催されます事は、大変名誉であり、その意義の深さを痛感しつつ大会の成功を祈念しながら、心より皆様をご歓迎申し上げているところであります。
 太鼓は人々の心を奮い立たせ、又、和やかに落ち着かせる事も出来る、日本が生んだ世界に誇れる楽器であり音でもあります。
 そして又太鼓は、人々の心を明るく、楽しくさせ、元気、前向き、やる気、勇気をおこさせ、更に今世の中で最も強く求められている、ふれ愛、話し愛、助け愛の三愛協調精神を育て、俺が俺がの「我(が)」を捨て、おかげおかげの「げ」で生きる感謝と連帯の心を涵養してくれる「心、魂」の栄養源にもなるものと思考しております。この様な太鼓が文部科学省の学習指導要領の改訂にともない、青少年の心身教育の中にとり入れられ、又身体に障害を持ち、からだの不自由な人々のセラピー、リハビリテーション、老人の生き甲斐太鼓としてもとり上げられ、着々とその成果が稔りを見せはじめてきている事は、大変によろこばしいことであります。
 今回のこの大会は、今「心の時代だ」と叫ばれ日本中の人々が『失いかけているその心』を探し求めている時にその心を与えてくれる、最善の大会になるものと確信しております。
 今、各地各所で連日劣悪非道な犯罪が秒単位で発生し、それも低年齢化する青少年の無軌道な犯罪の暗いニュースは耳目を覆うばかりですが、本日の出演者の皆さんは障害を持ちながらも、我々健常者では到底理解出来ない数々の「なやみ」とハンディをのり越えて、太鼓に向かって雄々しく立ち向かい、打込むその姿は凛々しくも燦(さん)として輝き、我々が失いかけている「心」そして探し求めている「心」を太鼓を通して与えてくれることでしょう。そして、それは今健常者、障害者と言われている、心の壁がとりのぞかれる、響きともなるのです。
 こうした太鼓を私は日本神道芸術と名づけております。そして、今や日本太鼓は単なる郷土芸能の域を出て、現代的且つ国際的な音楽芸術の一環として、各方面から大きな可能性が期待される存在となって参りました事を同慶とするものであります。
 願いは本大会を通じて、健障鼓人鼓友一体となり、祖霊が残せし偉大なる伝統文化遺産太鼓とその打芸打心を伝承し、尚世界平和への響きとなる事を心から祈念しごあいさつといたします。
 
―心に響け!ドンドンフェスティバル―
■開会式
■演奏
1. 富岳太鼓 竜神組 (静岡県)
Fugaku Taiko "Ryujingumi" from Shizuoka
2. NPO法人視聴覚二重障害者福祉センター すまいる (大阪府)
Non-profit Organization Deaf and Blind Welfare Center "Smile" from Osaka
3. 石川県立ろう学校 風神太鼓 (石川県)
Ishikawa Deaf School "Fujin Taiko" from Ishikawa
4. 金谷大井川川越し太鼓チャレンジチーム (静岡県)
Kanaya Oigawa Kawagoshi Taiko "Challenge Team" from Shizuoka
5. 豊中ろう和太鼓クラブ「鼓響」 (大阪府)
Toyonaka Deaf Taiko Club "Kobiki" from Osaka
6. 静岡県立静岡北養護学校 北龍太鼓 (静岡県)
Shizuoka North Handicapped Children's School "Hokuryu Taiko" from Shizuoka
7. 和太鼓ちんどん (長野県)
"Wadaiko Chindon" from Nagano
8. 飯田養護学校寄宿舎 あじまっ鼓太鼓 (長野県)
Iida Handicapped Children's School "Ajimakko Taiko" from Nagano
9. 新潟市ろうあ協会 万代太鼓豊龍会 (新潟県)
Niigata-city Deaf Federation "Bandai Taiko Horyukai" from Niigata
10. 仁寿太鼓 (島根県)
"Jinjyu Taiko" from Shimane
11. 四国中央市いわくら太鼓ろうあ部会「鼓龍会」 (愛媛県)
Shikokuchuo-city Iwakura Deaf Taiko Club "Koryukai" from Ehime
12. やまびこ太鼓 (福島県)
"Yamabiko Taiko" From Fukushima
13. 伊豆医療福祉センター どんつく (静岡県)
Izu Medical Welfare Center "Dontsuku" from Shizuoka
14. 長野県花田養護学校 はなだ太鼓 (長野県)
Nagano Hanada Handicapped Children's School "Hanada Taiko" from Nagano
15. ファミリーユニット童鼓 (岐阜県)
"Family Unit Dokko" from Gifu
16. 甲州ろうあ太鼓 (山梨県)
"Koshu Roa Taiko" from Yamanashi
17. 恵那のまつり太鼓 (岐阜県)
"Ena-no-Matsuri Taiko" from Gifu
18. 静岡ハンディキャップ太鼓の会 (静岡県)
"Shizuoka Handicapped Taiko Club" from Shizuoka
19. 古塔山びこ太鼓 (長野県)
"Koto Yamabiko Taiko" from Nagano
20. 豊里学園 和太鼓 鼓粋 KOIKI (大阪府)
Toyosato School "Wadaiko KOIKI" from Osaka
21. すみれ太鼓 (長野県)
"Sumire Taiko" from Nagano







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION