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6 児童福祉施設における児童等の安全の確保に関する指針
第1 通則
1 目的
 この指針は、「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例(平成15年3月20日滋賀県条例第5号)第12条第2項の規定に基づき、児童福祉施設(以下「施設」という。)における児童等の安全を確保するために行う必要な方策に関することを定め、もって児童福祉施設における児童等の安全確保を図ることを目的とする。
2 適用範囲等
(1)この指針は、施設を設置し、または管理する者(以下「設置者等」という。)が努力すべき有効な方策等を示すものである。
(2)この指針は、法令および関係条例等を踏まえ、施設の管理体制の整備状況や障害児施設など施設の種別等、施設の実情に応じて運用するものとする。
(3)この指針は、社会状況の変化等を踏まえ、必要に応じて見直すものとする。
第2 具体的方策
1 施設における職員の危機意識の高揚と安全対策の推進
 施設の設置者等は、子どもの生命、安全の確保を第一に、施設として組織的な対応を図るとともに、保護者、自治会、地域の関係団体、民生児童委員、市町村、福祉事務所、保健所、子ども家庭相談センター、警察署および消防署等の協力を得て、次のような安全対策の推進に努める。
(1)施設における安全対策を推進するための会議等の設置
(2)職員会議等における日常的な職員の安全管理への共通理解と研修の実施
(3)正当な理由なく施設内への立ち入りをする者(以下「不審者」という。)が侵入した時の危機管理マニュアルの作成および点検
2 安全教育の充実
 児童等が、犯罪の被害に遭わないための知識の習得および様々な危険が予測できる能力を育成するため、次のような取組の実施および保護者への周知に努める。
(1)不審者侵入時の対処方法を習熟させる避難訓練の実施
(2)地域における危険箇所、子ども110番の家等の周知
(3)誘拐、連れ去り等に遭わないための対処方法の指導
(4)被害に遭った場合の対処方法の指導
3 不審者の侵入防止等
 不審者の侵入を防止し、児童等への危害を未然に防ぐため、次のような対策の実施に努める。
(1)出入口の限定
(2)門扉の施錠等の措置
(3)不審者の侵入を禁止する旨の立て札、看板等の設置
(4)来所者用の入口および受付の明示
(5)来所者に対する名簿への記入および来所者証の使用の要請
(6)来所者への声掛けの励行
4 施設設備の点検整備
 不審者の侵入を未然に防止するとともに、侵入した不審者による児童等に対する危害を防止するため、次のような施設設備の点検整備に努める。
(1)門扉、外灯、窓、出入口、避難口、鍵等
(2)職員室等の配置
(3)死角の原因となる障害物の撤去
(4)防犯カメラ等の防犯設備および防犯ベル等の非常通報装置
5 安全確保についての体制の整備
 職員等による体制の整備のほか、保護者、自治会、地域のボランティア、その他関係機関と連携して次のような対策を実施するよう努める。
(1)職員等による施設内外の巡回の実施
(2)保護者、ボランティア等による施設内外の巡回の実施
(3)不審者侵入時の危機管理マニュアルの機能的な活用のための訓練の実施
6 緊急時に備えた体制整備
 近隣に危険な状況の発生に関する情報がある場合および不審者が施設内に侵入しようとし、または侵入した場合に備えて、地域および関係機関と連携して、次のような方策について検討し、施設の実情に応じて必要な対策の実施に努める。
(1)危険な状況の発生に関する情報がある場合の情報収集、通報、保護者への連絡、警察等へのパトロールの要請、通所の方法の決定等
(2)不審者が施設内に侵入しようとし、または侵入した場合などの緊急時の施設内での侵入防止・排除体制および連携体制の確立、児童等への注意喚起および避難誘導の方法ならびに警察への通報体制
(3)警察および消防の協力のもと、職員、保護者、地域ボランティア等による防犯訓練、救命救急訓練等の実施
(4)遠足など施設外での活動における緊急時の連絡通報体制の整備
(5)近隣の施設間における情報提供体制の整備
7 保護者、地域および関係団体との連携
 保護者、地域および関係団体と連携し、児童等の安全確保につながる次のような方策を展開するよう努める。
(1)保護者、地域住民および関係団体への協力依頼
ア 保護者、ボランティア等による通所の指導
イ 施設活動における支援ボランティアの協力
ウ 不審者発見時の施設等への通報依頼
エ 地域の人々による声かけ運動
(2)注意喚起の文書等の各家庭への配布や地域での掲示など、速やかな周知体制の整備
(3)子ども110番の家の拡大に向けた関係機関への働きかけ
8 警察署、消防署その他関係機関との連携
 警察署、消防署等との連携を強化し、児童等の安全確保のための情報交換に努めるとともに、次のような対策の実施に努める。
(1)施設内外の巡回および安全確保の協力依頼
(2)所轄警察署の協力による安全教室、護身術等の防犯訓練等の実施
(3)緊急時の連絡体制の確立
 
第1 通則
1 目的
 この指針は「『なくそう犯罪』滋賀安全なまちづくり条例」(平成15年3月20日滋賀県条例第5号)第13条の規定に基づき、道路、公園、駐車場および駐輪場(以下「道路等」という)について、犯罪の防止に留意した構造、設備等に関する防犯上の指針を定め、これに基づく施策を推進することにより、未然に犯罪の被害から県民を守ることを目的とする。
2 適用範囲等
(1)この指針は、公共の場所として不特定かつ多数の者が利用する道路等を対象とする。
(2)この指針は、管理者等が努力すべき道路等の防犯性の向上に係る企画・設計上の留意事項や施設整備上の基準等を示すものである。
3 取組みの方法
(1)この指針の適用にあたっては、関係法令等との関係、管理体制の整備状況、住民の要望等を検討した上、関係者と協議し対応するものとする。
(2)この指針に基づく施策の推進にあたっては地域住民が不安を感じる事案の発生状況や地域住民の要望等も勘案し、特に防犯対策を講ずる必要性の高い道路等から順次、整備が図られるようにするとともに、県民等との協働による取組みにより、一層の犯罪防止に努めるものとする。
第2 整備指針等
1 道路
(1)道路(植栽を含む)やその周辺の空き地や草むらは、行政や県民、企業等が協働して、道路からの見通しの確保に努める。
(2)防犯灯および道路照明灯注1) は、それぞれの管理者が協力し、防犯の向上のため適切な配置に留意し、夜間において人の行動が視認できる程度以上の照度注2)が確保できるように努める。
(3)道路構造や利用形態を勘案し、必要に応じてガードレールや横断防止柵等を用いて、車道と歩道の分離に努める。
(4)外部より見通しが悪く密室的要素がある地下道等においては、地域の防犯体制の確立を図り、必要に応じて非常ベルや赤色灯、防犯カメラ等の設置に努める。
2 公園
(1)一般的事項
ア 公園を新たに配置する場合は周辺に交番・駐在所、子ども110番の家等があり、沿道や周囲の住宅からの目が期待できる位置に配置することが望ましい。
イ 公園の計画時点から住民参加により住民に愛される魅力的な公園づくりをすすめるとともに、公園によっては時間を限った出入り制限も検討する。
ウ 維持管理活動に周辺住民が積極的に参加できるように、利用や管理について話し合う機会を設けるなど住民参加の方法を工夫する。
エ 公園サポーター注3)に防犯にも留意した活動を求めるなど、日常から住民の目が注がれている公園であることをアピールする。
(2)個別事項
ア 外周部の植栽は、車上からでも見通しが確保できるよう高木と低木をバランスよく配置するとともに、下枝の剪定を行うよう留意する。
イ 大規模公園注4)では、緑の量を増やすだけでなく樹種などの緑の質や植樹する位置など死角をつくらない配置方法にも留意する。
ウ 災害時に避難でき、周囲を常緑樹で囲むことが求められている防災公園にあっても、できる限り周辺からの見通し確保に留意する。
エ 駐車場は、周辺からの見通しが確保される位置に計画する。
オ 遊具の設置は、大規模公園ではその遊具周辺からの見通しを、その他の公園では道路や住居等からの見通しが確保できるようその種類や配置に留意する。
カ 便所の出入口は二方向とし、周囲からの見通しと手洗い場の可視性を高めるとともに、防犯ベルや赤色灯などの警報装置を各個室に設置する。夜間も利用可能な便所については、人の顔、行動を明確に識別できる程度以上の照度注5)を確保する。
キ 生活・通学路として利用される園路においては、園路からの見通しを確保するとともに、防犯灯・照明灯により夜間の人の行動を視認できる程度の照度を確保する。
ク 公園内には防犯ベルや赤色灯などの警報装置が設置されていることが望ましい。
ケ 公園は隣接する建物への侵入経路となる場合があることから境界部に近づきにくい植栽を配置したり乗り越えにくい柵を巡らすなど侵入対策に留意する。
3 駐車場
(1)駐車場の外周は周囲からの見通しが確保できるフェンス等で区分された構造とする。
(2)駐車場の管理にあたってはその規模等に応じて、以下のような防犯上の対策のうち必要と考えられる措置を講ずるものとする。
ア 管理者が常駐若しくは巡回する。
イ 管理者がモニターするカメラを設置する。
ウ 死角をなくすためのミラー、その他の防犯設備を設置する。
(3)地下または屋内の駐車場においては駐車の用に供する部分の床面において2ルクス以上、車路の路面において10ルクス以上の照度を確保する。屋外の駐車場においては夜間において人の行動を視認できる程度以上の照度を確保する。ただし、門扉等で閉鎖する、あるいはその他の防犯対策を講ずる場合はこの限りでない。
4 駐輪場
(1)駐輪場の外周は周囲からの見通しが確保できるフェンス、柵等で区分された構造とする。
(2)駐輪場の管理にあたってはその規模等に応じて、以下のような防犯上の対策のうち必要と考えられる措置を講ずるものとする。
ア 管理者が常駐若しくは巡回する。
イ 管理者がモニターするカメラを設置する。
ウ 死角をなくすためのミラー、その他の防犯設備を設置する。
(3)チェーン用バーラック、サイクルラック等の設置により整列した駐輪を促し自転車の盗難防止に努める。
(4)駐車の用に供する部分の床面において、3ルクス以上の照度を確保する。
 

注1)「道路照明灯」は、道路交通の安全、円滑な利用を図ることを目的に、交差点や横断歩道等に道路照明施設設置基準に基づき、道路管理者が設置する交通安全施設の一つである。
注2)「人の行動が視認できる程度以上の照度」とは4m先の人の挙動、姿勢等が識別できる程度以上の照度をいい、平均水平面照度がおおむね3ルクス以上のものをいう。
※平均水平面照度とは床面または地面における平均照度をいう
注3)「公園サポーター」とは、公園周辺にお住まいの人々などのうち、公園の定期的な巡回や公園に関する情報収集を通して管理者に異常等を連絡していただく方々をいう。
注4)「大規模公園」とはおおむね10ha以上の規模の公園をいう。
注5)「人の顔、行動を明確に識別できる程度以上の照度」とは10m先の人の顔および行動が明確に識別でき、誰であるか明確にわかる程度以上の照度をいい、平均水平面照度がおおむね50ルクス以上のものをいう。







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