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私はこう考える【中国について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2005/04/07 朝日新聞朝刊
(社説)中国の反日 ガスが充満している
 
 中国各地で反日デモや日本製品の不買運動が起きている。暴徒化した若者が日系スーパーのショーウインドーを割ったり、反日スローガンを掲げてデモをしたりする姿が報じられた。
 竹島問題をめぐって韓国の人々の激しい抗議の様子を見たばかりで、今度は中国か、と暗い気持ちにさせられる。
 今回の反日運動には、誤解もあるようだ。東北地方のコンビニからアサヒビールなどの日本製品が撤去されたのは、教科書問題がきっかけだった。アサヒビールをはじめ8社が「新しい歴史教科書をつくる会」を支援しているという話がインターネットで広がった。
 同社によると、はるか以前に退職したOBが個人的に支持しているだけで、会社としてのかかわりはまったくないという。現地で声明を出して否定したが、おさまらない。つくる会が主導した歴史、公民教科書が中国で引き起こしている反発の強さも、誤解が改まらない背景にあるのだろう。
 一方、日本の国連安保理常任理事国入りに反対する3千万人目標の署名運動が街頭やインターネットで繰り広げられている。広東省深センでは数千人がデモをした。尖閣諸島の中国領有を訴えるグループなどいくつかの反日団体が合同で企画しているものだ。
 日本政府と国会は中国侵略での破壊や虐殺を認めず、正式な謝罪もしていない。このような国は常任理事国にふさわしくない。それが訴えの内容だ。
 こうした運動がテレビやインターネットを通じて互いに影響しあい、広がっていく。「韓国の抗議運動に刺激された面もある」と話す中国の学者もいる。
 なぜ、これほど容易に反日が燃え上がってしまうのか。
 日本に対して、アジアでの主導権を争うライバル意識もあるのだろう。阿南惟茂・駐中国大使は「愛国主義教育の結果として、若者の中に反日の感情をもたらしているとも見受けられる」と、中国外務省に指摘した。
 だが、根底にあるのは、戦後60年を経てなお和解できないでいる両国間の根深い相互不信なのではないか。小泉首相の4回に及ぶ靖国神社参拝がそれを増幅してきた。何かあればすぐに火がつくガスが充満しているかのようだ。
 中国に進出している日本の企業は約2万社、登録している在留邦人は7万8千人にのぼる。日本企業、日本人というだけで危険な目に遭うことのないよう、中国政府には求めたい。
 温家宝首相は3月、記者会見で「中日は二国間関係の中で最も重要だ。友好の戦略的研究を強化したい」と語り、日本側に関係改善のシグナルを投げた。反日感情が強い中国にあって、国内的な批判を買うリスクを負っての発言だ。
 小泉首相もこれに早く応えるべきだ。対中関係の現状をどう打開するつもりなのか。中国国民に向けて、明確なメッセージを発してほしい。
 
 
 
 
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