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私はこう考える【中国について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2005/02/21 朝日新聞朝刊
(社説)戦略目標 さあ、中国とどうする
 
 日米両国の安全保障担当閣僚が、9・11後の世界の変化を踏まえた「共通戦略目標」に合意し、発表した。
 冷戦の終わりを受け、「周辺事態」にまで対象を広げた「日米安保共同宣言」から9年。日米安保体制の歴史にまた新しい一章が加わった。
 「戦略目標」は言う。
 テロや大量破壊兵器などの新たな脅威について、両国は認識を共にする。イラクなどでの協力の実績を評価する。
 北朝鮮問題の平和的解決をめざす。中国が建設的役割を果たすことを期待し、台湾問題の平和的解決を促す。
 国際平和活動でも協力を強める。
 こうした目標の下で、自衛隊と米軍の役割や米軍の編成の見直しを進める。
 東アジアの安定を重視しつつ、小泉首相が掲げる「世界の中の日米同盟」を整理した内容である。
 注目されるのは、安全保障についての日米の発表文書としては初めて、台湾問題に言及したことだ。
 軍事力の強化を急ぐ中国はいずれ米国の覇権を脅かす。米国内にはそうした警戒感が強い。台湾の独立志向もしずまらない。台湾問題が大きな火種になりかねないというブッシュ政権の危機感が反映されたということだろう。
 もちろん対中警戒一辺倒ではない。北朝鮮問題をめぐる中国の役割を歓迎し、中国との協力を発展させるとも明記された。大量破壊兵器やテロの問題も、中国の協力なしに成果はあげにくい。米中、日中の経済関係も巨大である。
 中国を「建設的」な方向へと動かせるか否かが、日米双方にとっていよいよ重大な課題となった。時代の変化だ。
 台湾海峡が緊張した場合、日米が軍事的にどう協力するのか。直接触れられていないが、いずれ論議になるだろう。
 日本にとっては厄介な問題だ。
 中国の軍備増強に神経をとがらすことでは日米は同じだが、中国は隣国だ。米中が緊張すれば、政治的、経済的にきわめて大きな悪影響を受ける。
 むしろ、日本が米国の同盟国としてすべきなのは、中国の軍拡や軍事行動に自制や透明性を求め、緊張をいたずらに高めないように働きかけることだろう。
 小泉首相の靖国参拝問題で首脳の相互訪問さえできない現状は、そうした安全保障の面からも、マイナスと言わざるを得ない。
 北朝鮮政策にしても「戦略目標」に沿って事態を打開するには、日本が重視する拉致問題と米国が最大の関心を寄せる核問題に、いかにバランスをとって取り組むかが迫られるだろう。
 「戦略目標」は、三段跳びなら「ホップ」の理念づくりだ。次の「ステップ」で米軍と自衛隊の役割分担、最後の「ジャンプ」で在日米軍基地の移転や再配置というふうに、今後の作業は進む。
 沖縄を中心とした基地の負担を減らせる好機だ。「共通」の目標と言うからには、米国に言われっぱなしでは困る。
 
 
 
 
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