日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

私はこう考える【中国について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2005/01/31 朝日新聞朝刊
(社説)日中の貿易 互いに補い合う時代
 
 日本にとって最大の貿易相手が、米国から中国に代わった。財務省がまとめた昨年の貿易統計で、香港と合わせた中国との輸出入の総額が22兆円となり、戦後初めて米国を抜いた。
 日中に国交がない時代に細々と行われた「友好貿易」、1962年からの「LT貿易」、72年の国交回復による貿易の正常化、78年からの改革開放による拡大、そして90年代の中国の急成長と歩調を合わせた日中貿易の膨張・・・。
 歴史を振り返れば山あり谷ありで、決して一本調子だったわけではない。そこには日中貿易の井戸を掘り、豊かな流れにしようと努めてきた多くの人々がいる。ついにここまできたか。そんな感慨を抱いた人は少なくないだろう。
 国民には戸惑いもあるに違いない。
 中国で作られた割安な繊維製品や雑貨類、電気製品などが大量に流れ込んできたことが、日本のデフレの原因と目されたこともある。
 日本企業が国内の工場をたたみ、労賃の安い中国に生産拠点を移すことに対して、産業の空洞化につながると心配した人も多かったはずだ。
 それが昨年あたりから、中国が日本の景気回復の原動力と言われるようになった。中国の盛んな需要に応えて、鋼材のような素材から高級自動車などの耐久消費財まで、幅広い分野で対中輸出が伸びたからだ。
 貿易構造そのものも変わった。中国からの農産物や軽工業品の流入は、競争力の弱い国内産業を脅かしてきた。だが最近では、ひとつの製品のなかに中国製と日本製の素材や部品が混ざり合い、得意な分野を互いに生かし、不得意な分野は補い合うという関係が広がっている。
 日本企業の高い技術力と中国の比較的安い素材や部品が結びつく。とくに電子製品や自動車などの分野で「日本ブランド」の価格競争力を維持するために、そうした補完関係がなくてはならない存在になったと言えるだろう。
 「メード・イン・ジャパン」よりも「メード・バイ・ジャパン」を重視するようになった消費者の変化も、この流れを支えている。
 貿易パートナーとしての中国に不安がないわけではない。昨年の経済成長率は9%台を維持したものの、その数字の高さゆえの危うさがつきまとうからだ。
 設備投資が経済に占める比重は日本の高度成長期よりも大きい。過大な投資が製品の作りすぎにつながることはないか。上海などの不動産バブルも気になる。中国政府には、慎重かつ的確な経済運営を求めたい。
 日中の経済関係が深まったということは、相手の長所や欠点がそれだけ間近に見えるということでもある。
 互いに忌憚(きたん)のない意見を交わし、「1足す1」を2よりも大きくする。経済でも政治でもそれができるようになった先に、「東アジア共同体」の姿も浮かび上がってくるだろう。
 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。








サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
65位
(29,129成果物中)

成果物アクセス数
156,014

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2017年9月16日

関連する他の成果物

1.私はこう考える【北朝鮮について】
2.私はこう考える【ダム建設について】
3.私はこう考える【死刑廃止について】
4.私はこう考える【公営競技・ギャンブル】
5.私はこう考える【天皇制について】
6.私はこう考える【国連について】
7.私はこう考える【自衛隊について】
8.私はこう考える【憲法改正について】
9.私はこう考える【教育問題について】
10.私はこう考える【イラク戦争について】
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から