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私はこう考える【中国について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/11/16 朝日新聞朝刊
(社説)胡氏の肉声が聞きたい 中国新指導部
 
 中国共産党の新しい指導体制がスタートした。トップである総書記には、13年間務めた76歳の江沢民氏に代わって、59歳の胡錦涛氏が就任した。
 胡氏は92年、当時最高実力者だったトウ小平氏により、党最高機関である政治局常務委員会の一員に抜擢(ばってき)された。それから10年たったが、人となりは、海外だけでなく中国国内でもよく知られていない。
 それは、胡氏が長らく地方や党組織で地味な仕事に専念してきたため、目立つところに出ることがまれだったからだ。
 胡耀邦氏は民主化運動を放置したとして失脚した。学生に理解を示した趙紫陽氏も天安門事件で解任された。党指導部の激動を目の当たりにして、胡錦涛氏が言動に細心の注意をしてきたためでもあろう。
 しかし、いまや世界的な影響を持つ大国の最高指導者として、自らの考えを明確に話すべき立場になった。神秘的な存在のままでは誤解や憶測を招きやすい。ソフトな語り口はよいが、総書記就任あいさつでも個性が感じられなかったのは残念だ。
 先代の江氏は、トウ小平氏が始めた経済の改革開放を深化させた。中国は世界貿易機関(WTO)に迎えられるほど経済的に成長した。また政治的には、天安門事件による国際的孤立から脱し、米国をはじめとする対外関係の修復に成果をあげた。
 だが、江氏が残した宿題は多々ある。
 胡氏が率いる新指導部にまず求めたいのは、経済だけでなく政治も改革し、中国を民主的な社会に近づけることである。一党独裁の持病である金権腐敗の解消にも、本腰を入れて取り組む必要がある。
 脅威感を解消するためには、軍事の透明化が欠かせない。国際社会との協調をさらに進めるとともに、台湾海峡の緊張を緩和し、穏やかな海にしてもらいたい。
 経済面ばかり目立つ日中関係を、新指導部発足を機に、本音でつきあえる段階に進めたい。胡氏は来春には国家主席に就任し、本格的な外交に乗り出す見通しだ。
 真っ先に日本に来てもらいたいし、同い年の小泉首相と電話でしょっちゅう話し合える関係を築いてほしい。胡氏はダンスが趣味である。演劇好きの小泉首相とウマが合うかも知れない。
 とはいえ、江氏が軍トップの中央軍事委員会主席に留任しただけでなく、政治局常務委員に選ばれたメンバーの大半は、江氏に近い人たちだ。しかも党務を担うのは江氏の側近中の側近、曽慶紅氏である。
 「江沢民院政」との声が聞かれるなかで、胡氏が直ちにリーダーシップを発揮するのは容易ではないだろう。
 だが、新しい酒を古い革袋に入れるのでは、中国のイメージによくない。中国がより開かれた、分かりやすい国家を目指す限り、日本も国際社会も支援と協力を惜しまないはずである。胡氏を核心とする新指導部の奮闘に期待したい。
 
 
 
 
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