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私はこう考える【中国について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2001/06/20 朝日新聞朝刊
(社説)日中両国とも自制を 報復課税
 
 中国政府が日本製の自動車など工業3品目に特別関税を課す方針を表明した。中国産のネギなど農業3品目にセーフガード(緊急輸入制限措置)を、日本が暫定発動したことへの報復措置である。
 森政権末期にあわただしく決まった暫定発動には、疑問が残った。日本の商社やスーパーなどによる開発輸入が少なくないこと、国内生産者が競争力を回復したり、新たな分野への転換を図ったりする展望はあるのか、といった点である。それに、安い商品が手に入ることは消費者にとって悪いことではない。
 中国が報復措置を表明したのは残念なことだが、今後の日本の対応によっては実施を見送る可能性を示唆するなど、慎重さもうかがえる。
 必要以上にことを荒立てたくない、というシグナルだとすれば、日本側もこれを受け止め、通商摩擦の拡大を防ぐ努力をしなければなるまい。農業3品目の暫定発動期間は11月初めに切れる。本発動は控えるべきであろう。
 3品目以外では、タオルについてセーフガードに踏み切るかどうかの調査が始まった。ほかの繊維製品でもセーフガードを求める動きがある。これらについても、できる限り回避の道を探ってほしい。
 世界貿易機関(WTO)で認められた措置とはいえ、セーフガードの安易な発動は厳に慎まなければならない。
 今回の事態は同時に、中国を国際貿易の取り決めや紛争処理のルールに引き込むことが緊急課題であることを、改めて示した。中国がすでにWTOに入っていたら、紛争処理の手続きに持ち込むなど、別の対応になっていたのではなかろうか。
 中国と米国は最近、懸案の農業補助金問題などで合意した。日本との交渉は基本的に終わっており、欧州連合(EU)とも最終段階だ。早急に交渉を詰め、年内加盟を実現させたい。
 中国の輸出はこの10年間で約4倍になり、貿易総額は世界第9位になった。繊維などの労働集約的な産業だけでなく、電気機械など技術集約的な産業も急成長した結果、輸出のトップは機械製品である。
 対日貿易の商品構成も、この間に多様化し、高付加価値化した。日本の輸入額の3分の1はコンピューター、家電製品、精密機械といった機械機器が占めている。
 巨大な生産基地としての中国は、日本企業による現地生産や輸入と相まって、いまや日本経済に深く組み込まれている。中国の生産力の高まりは、日本を含む東アジア、東南アジア地域での効率的な分業体制を進展させる。
 競合する国内生産者にとって、中国は確かに脅威であろう。だが、防波堤頼みで大波をかわそうとしても、長続きはしない。小泉内閣が掲げる「聖域なき構造改革」は、ここでもその真価が問われる。
 
 
 
 
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