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Dr. P. K. ゴパール(1941.5.13生) インド
 
 自らハンセン病回復者として病と偏見に苦しんだ体験に基づき、ハンセン病回復者の共生・尊厳・自立を目指す国際ネットワーク・IDEA発足に奔走し、IDEAインドの活動を支え、回復者の連帯と尊厳の回復に献身されている。
(推薦者:紀伊國 献三)
 
Dr. P. K. Gopal
(Born on May 13, 1941)
India
 
 From his own experience of once suffering leprosy and the resulting prejudice, Dr. P. K. Gopal worked hard to set up IDEA, a network designed to assist recovered leprosy patients to coexist with others, regain dignity and improve their economic situation. He now supports the activities of IDEA India and is devoted to building solidarity among former leprosy patients and restoring their dignity.
 Recommended by Mr. Kenzo Kiikuni
 
 ゴパール博士は、ハンセン病のため手足に軽度の障害が残る回復者の一人である。南インドの聖心ハンセン病センターで、自らの経験を活かし、社会福祉士としてハンセン病回復者やその家族を取り巻く多面的な問題に取り組んできた。1993年、第14回国際ハンセン病学会に出席し、社会から排除され困難な生活を強いられている世界の回復者の現況を打破するためには、患者や回復者自身がネットワークを築き、周囲に働きかけなければならないとの思いを強めた。帰国後、回復者自身によるネットワーク作りに奔走し、翌年ブラジルでIDEA(回復者の共生・尊厳・経済向上をめざす国際ネットワーク)が設立された。1997年IDEAインドを発足させ、27年間働いたセンターの安定した生活を棄ててその活動に専念し、同州422のハンセン病定着村を結ぶネットワーク作りに着手した。現在までにインド南部を中心として9州で16回の対話と自己発見の集会が持たれ、参加者累計945人、働く機会を得たのは5州628人、奨学金は3州4,221人に与えられた。これまで慈善や施しの対象でしかなかった回復者達が、IDEAインドと出会って初めて自らの意思で自らの人生を切り拓いて行く主体者となった。「ハンセン病は医学的に治っても、多くの場合、病気以前の生活に戻れないことが少なくない。私達回復者が社会的にも経済的にも受け入れられ、尊厳ある生活を送ることができるようになってはじめて、ハンセン病が治ったといえるのだ。」(P.K.ゴパール)
 
受賞の言葉
 私は1972年にハンセン病回復者への奉仕を始めました。ハンセン病は今では完全に治る病気です。しかし何百万人のハンセン病患者にとって病が治癒しただけでは自分たちの生活は旧に戻りません。私はIDEAインターナショナルという我々の組織を通じて彼等が経済的に自立し尊厳ある社会復帰が出来るよう活動しています。このことが社会貢献支援財団の認めるところとなり今回表彰頂いたことは私の大きな喜びです。この受賞を契機として、ハンセン病回復者とその家族を様々なプログラムによって力づけその生活の質の向上を図るために更なる献身を続けたいと思います。
 
 
 
IDEAインドワークショップ
 







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