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◆第二部門◆
 
斎藤 クニ子(さいとう くにこ)(大11.3.23生) ボリビア共和国
 
 ボリビア共和国の地方都市で、25年にわたり住民の福祉向上、就中、乳幼児、児童、未婚の母など弱者のために力を尽くされ、また地域住民が必要とする医薬を安価に身近で入手できるようにされた。
(推薦者:社会貢献支援財団)
 
Ms. Kuniko Saito
(Born on March 23, 1922)
Republic of Bolivia
 
 Ms. Kuniko Saito has been dedicated to improving the welfare of citizens, especially infants, children, unmarried mothers, prostitutes and so forth over the last 25 years in provincial cities of the Republic of Bolivia, and is also contributing to making necessary medicines available to the community at low prices.
 Recommended by Foundation for Encouragement of Social Contribution
 
 斎藤さんは、専門学校卒業後2年を経て礼拝会女子修道院に入会し、ボリビアに行く直前は泉南の熊取修道院長兼保育園園長を務めていた。1979年、56歳でボリビア日系人移住地からの求めに応じ、同国サンタクルス市サンファン修道院に赴任した。同地は亜熱帯性気候で暑く、電気は無くガス灯で生活する時代で、よく原因不明の発熱に悩まされ、蚊の毒で脚が腫れ上がったりした。その中で子供の日曜学校、青年会、婦人会、家長会、家庭訪問などに忙しく働いた。
 当時は町に薬局は無く、修道院に薬局を開いて貧しい人々に薬を安く分けて喜ばれた。この薬局は20年間続いた。1997年、サンタクルス市ビアエミリアに移り修道院長と保育園園長を兼務すると共に、母子寮で子供を抱えて行き場のない未婚の母達(売春婦もいた)が自立できるよう基本教養、家事、衛生、整理整頓、人間として女性としての生き方などを教えた。15、6歳で母親になり、学校教育を受けてない女性達にラジオを聴かせ、夜間学校に行かせた。また、保育園では母子寮の母親達が働きに出かけている間、子共たちを預かり、4、5、6歳児には幼稚園教育を施した。2001年に修道院長を辞した後も保育園の園長は続け、82才の現在も、治安が悪く生活環境良好とは言えぬ現地に留まり、住民福祉の向上に努めている。
 
受賞の言葉
 この度は思いがけない受賞の光栄に浴しまして感激致しております。之はもとより私一人の力によるのではなく多くの方々の支え、陰の支援に依るものでございます。
 ボリビアにもどりまして又、精神的に物的に貧しい方々の中で一緒に分ち合いの生涯を送り度いと存じております。
 感謝のうちに。
 
 
保育園の園児達と昼食の一時
 
 







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