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“新しい唐津”の楽しみ方
 「豊かな自然、歴史、文化・・・」と言えば、聞きなれたキャッチフレーズですが、新しくなった唐津にはとてもよく似合う言葉だと自負しています。
 
宝くじで有名な宝当神社
 
 “はなわ”の歌で一躍有名になった佐賀県の西北部に位置する「唐津市」は、古くから大陸との交流が盛んな土地で、様々な文化を取り入れながら発展してきました。
 平成17年1月1日に1市6町1村が合併し、人口13万3千人、面積424平方キロ(九州では8番目の面積)になりました。
 もともと、地勢的にも似通い、歴史・文化も共有してきた地域だけに、以前から広域圏業務や観光振興に一体的に取り組んでおり、市町村合併もスムーズに進んだのではないかと思います。
 
 旧唐津市と東松浦郡は、佐賀県の代表的観光地として多くの観光客を迎え入れておりましたが、これからは新市として、よりいっそう一体的な観光振興に取り組んでいくこととしており、これからが正念場です。
 祭りでは“唐津くんち”“呼子大綱引”“浜崎祇園”・・・観光名所では“虹の松原”“波戸岬”“名護屋城址”“いろは島”・・・、この他にも、見帰りの滝、あじさいまつり、棚田ウォーク、伝統工芸「唐津焼」などなど。
 交通アクセスが格段によくなったおかげで、福岡都市圏をはじめ西日本各地から訪れる方は増えたのですが、便利になった反面これまで以上に日帰り圏の範囲が広がったことで宿泊客が思うように伸びず、旅館やホテルなどの施設は宿泊客の確保に力を注いでいるところです。
 市域が拡大し、これから魅力ある観光地として発展していくためには、一年を通して「見て」、「食べて」、「楽しめる」観光地として、個々の魅力を最大限に引き出し、なおかつ、最近のニーズである「学び」「体験する観光」といった新たな魅力を付加しながら滞在性を高めていく必要があります。
 
宝当神社が鎮座する高島
 
 さて、前置きが長くなりましたが、“新しい唐津”をどう楽しむか。
 旅の楽しみ方は千差万別、個人の趣味、趣向、時間的、経済的余裕などに左右されますが、テーマを絞って楽しむのも一考かと思います。
 たとえば「唐津焼」。市内に50軒近くの窯元があり、伝統的な技法に加え新しい感覚で作品を創る作家も増え、気に入った作品を探し求めて、いろんな窯元めぐりをするのも楽しいものです。
 また、「食」にこだわる方は、呼子のイカや玄界灘の新鮮な魚、アワビなどの魚介類や、上場産の牛肉、有機農法大豆で作る豆腐などを堪能する旅がお薦め。
 
 さらに、花にこだわる方は、桜、藤、菜の花、ぼたん、芍薬(シャクヤク)、石楠花(シャクナゲ)、アジサイ、花菖蒲、コスモスなど四季折々に咲く花を目当てにお出でになってはいかがでしょうか。
 このほかにも、エキサイティングな祭りを目掛けて訪れたり、最近話題の“宝当(ホウトウ)神社”に願いをこめて参拝したり、歴史が好きな方は、太閤秀吉が築城した、全国の名だたる大名が陣を構えた名護屋城址で悠久の歴史に想いを馳せたりするのもいいかも知れませんね・・・。(今後、長崎県の鷹島と肥前町を結ぶ橋の完成、旧高取家住宅の改修工事完成などにより、新たな観光スポットが加わります。さらに、唐津港の整備が進められ海の玄関口としての機能がアップします。)
 もちろん、あれこれ欲張って楽しまれても一向に構いません。自分なりに旅の目的を決めて楽しんでいただければと思います。意外と地元に住んでいては気付かない“まちの魅力”を、お出でになった方が発見されることもあるのではないでしょうか。
 いま全国で、市町村合併による再編が進み、連日のように新しい市や町が誕生しています。“新しい唐津市”も、まだスタートしたばかりです。
 新唐津市のビジョンをどう描き、どう実現していくのか、行政だけでなくそこに住む住民が知恵と汗を絞っていかなければ、真に豊かな未来を築くことはできません。
 多くの先人たちが築き上げてきた「歴史・文化」に、今を生きる私たちが新たな価値を付加しながら、まちの元気を再生していきます。
 「唐津から目が離せない」と言われるように・・・。
 
唐津市 総務部広報公聴課
課長 麻生邦男
 
鏡山より見た虹の松原







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