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Seminar of Marine Development
第2回 海事振興セミナー
最近の中国貿易事情と九州圏における港湾の取り組み方策について
 
 
アジアネット 代表
田中 豊
日時 平成16年12月6日
場所 ホテルセントラーザ博多
主催 (財)九州運輪振興センター
後援 国土交通省九州運輸局
 
 最初に簡単に自己紹介をさせていただきますが、私、福岡の出身でございまして、大学を出ましてから日本国際貿易促進協会という日中関係の民間の窓口の事務局で80年代に10年間勤務しておりました。主に通常の輸出入貿易を担当しておりましたけれども、2年ほど、当時中国は改革開放ということで、COSCO、シノトランスあるいは中国民航総局等の中央官庁と日本の船社、フォワーダー、サルベージ会社、検査会社、旅行会社等の業界団体の航路開設や業務提携、ポートセールス等をお手伝いしていた経緯がございます。
 90年、天安門事件の翌年に福岡に戻りまして、その後、海外と東京、福岡を行ったり来たりしております。
 私が今、九州でやってることは主に自治体、経済団体、商工会議所等への支援と企業へのお手伝いが半々でございます。また九州各県のポートセールスあるいは各港湾局の皆様方ともご縁がありまして、調査のお手伝いやコーディネートをさせていただいております。
 
I 最新の中国の経済事情について
 まず、4枚の写真(図1)を最初にご覧いただきます。今年の夏にたまたま香港、ソウル、中国、台湾に毎週一回ずつ行きました。その時に撮った、通りでのスナップでございます。
 私が申し上げたいのは、どこもあまり変わらないんじゃないでしょうかということです。新宿は女性から見ると他とはセンスが微妙に違うんでしょう。しかし、ジーパンをはいてラフなTシャツで、髪型、化粧、手には携帯電話。上海は小さなミュージックプレーヤーとかを本当に普通に持って町を歩いている。ダイエットとか海外旅行とかの会話が聞こえてきそうな感じでして、元々韓国と台湾と日本はこういう所は非常に似かよっているというのは、特に新しいことではございませんが、中国大陸の人達がこういうセンスまで同じとは、技術では10年、20年遅れているとはいえ、若い人達、時代を先取りする人達の感覚が追いつくのは非常に早いんだということです。
 
図1 アジアの街かど
ソウル
 
香港
 
新宿
 
青島
 
●中国の経済規模
 最近の中国の規模を簡単にご紹介申し上げます。
 国としての中国の経済規模はもうすでに世界の最前列に躍り出ようとしています。
 携帯電話は中国では3億台以上だといわれております。日本は7〜8千万台といわれております。
 石油、電力の消費量は日本を抜いて、アメリカに次いで第2位。自動車も今どんどん世界中の自動車メーカーが入っておりまして、日本を抜くのも時間の問題だろうと言われております。
 上海にはリニアモーターカーがございます。これは実験線ではなくて実用線ということで、私も一回話のたねに乗ってみたら7分間の旅でございますが、確かに記録では時速431km出ていたということになっておりまして、新しいもの好きの上海の人達はすでにリニアモーターカーも実用化して使い始めているということです。
 都市部の家電はテレビが上海、大連、北京ではもう一家一台以上、エアコンもそうでございますし、洗濯機、冷蔵庫も昔、日本で三種の神器といわれていたものはすでに更新需要で、プラズマテレビ、液晶テレビでさえも、日本のメーカーのものも相次いで販売されているということはご承知のとおりであります。
 上海万博(2010年)、北京オリンピック(2008年)を控えている中国というわけです。







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