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(2)大島・長島・原島〜郷ノ浦市街(壱岐(郷ノ浦)〜原島〜長島〜大島航路)
 壱岐(郷ノ浦)〜原島〜長島〜大島航路は、主に、大島、長島、原島の3島から壱岐本島へ通院や通学、通勤等による利用がなされている。また、壱岐本島のデイサービスセンターから3島への出張対応での利用もみられる。ここでは、3島から壱岐本島への外出時に本航路を利用するケースを想定して、バリアフリー化の現状と問題点を整理する。
 
(1)大島・長島・原島島内における陸上交通
■島内の陸上交通は徒歩が中心
 3島内にはバス、タクシー等の交通機関はないが、島の規模が小さいことから、徒歩によるアクセスが中心となっている。
 
(2)大島・長島・原島の港における旅客船ターミナルおよび乗下船
■大島・原島の待合室はバリアフリー化
 大島と原島の待合所については、漁港整備や護岸工事に伴って建て替えが行われ、新築された待合所及び駐車場は九州運輸局の指導によりすべてバリアフリー化されている。
 
■バリアフリー対応船の導入に際して、昇降リフトを設置
 バリアフリー法施行後の2002年度に建造され、2003年4月より就航している「フェリーみしま」は、バリアフリー法に適合している。
 本船の大きな特徴は、昇降リフトを備えていることである。小型フェリーであるため、エレベーターの設置には点検整備等の維持費も含めて相当な費用がかかることから、リフトが選択された。従来、車いす利用者は船員が抱えて乗降していたが、リフトの設置により車いす利用者と介助者が一緒にリフトで乗降することができるようになった。なお、リフトの操作は船員が行う。
 車いす利用者に限らず、高齢者にはリフトによる乗降が大変好評であるが、リフトに乗るのが恥ずかしいために階段を利用する高齢者もいる。
 このほか、新船では、要望を受けて車両甲板を拡大し、以前は普通車と軽自動車が1台ずつしか乗らなかったが、普通車が2台乗れるようになった。岸壁へのランプウェイの接続は、車両甲板を上下させて調整する。車いす利用者は、車両用のランプウェイから乗降し、車両甲板を上下に移動させることによって、上下移動を伴わずに、車いすスペースのある2階に上がることもできる。
 
船内からみた車両甲板
 
昇降リフトの操作の様子(1)
 
 







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