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5. 海上旅客輸送を利用する際の問題点
 船を利用する際の問題点(気がかりな点)についてみると、26.4%は「特にない」と回答している。
 問題があると回答した人の中では「(3)電車・バス・タクシーの乗り降りや、船との乗りかえが大変」と回答した人が21.2%で最も多く、次いで、「(1)港までの交通手段がない、不便」が16.2%となっており、出発地と港、または港と目的地を結ぶ交通手段が気がかりになっていることがわかる。
 そのほかでは、「(9)船酔いが心配」14.1%、「(10)途中で体調が悪くならないか心配」13.3%など体調への不安感や、「(6)船の乗り降りが一人では大変である、できない」13.1%、「(8)船内は歩きにくい、移動しにくい」12.2%など、乗下船や船内移動の問題があげられている。
 
図5-5-1 海上旅客輸送を利用する際の問題点(複数回答 n=580)
注)図中では各項目の表記を短縮化しているため、本文中の表現とは異なっている。
 
 年齢別にみると、65〜74歳や75歳以上では「(1)港までの交通手段がない、不便」や「(6)船の乗り降りが一人では大変である、できない」への回答が多くなっている。一方、64歳以下では「(2)港の周辺には駐車場がない、不便」や「(9)船酔いが心配」が比較的多くあげられている。港までのアクセス手段として64歳以下では自家用車が多いことから「(2)港周辺には駐車場がない、不便」が、65歳以上では自家用車以外の公共交通手段などに依存する場合が多いことから、「(1)港までの交通手段がない、不便」があげられているものと考えられる。
 
図5-5-2 海上旅客輸送を利用する際の問題点(年齢別)
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 歩行や階段の昇り降り、聴覚、視覚の障害の種類別に海上旅客輸送を利用する際の問題点(気がかりな点)をみると、各障害において「日常生活に特に差し支えない」人を除き、何らかの障害を有する人では「(6)船の乗り降りが一人では大変である、できない」、「(8)船内は歩きにくい、移動しにくい」といった項目への回答が多くなっている。また、「(10)途中で体調が悪くならないか心配」、「(11)トイレが心配」など、乗船中の体調変化などへの不安感も大きい。
 歩行や階段の昇降についてみると、「車いすを使用している」、「1人での歩行は困難」、「階段の昇り降りはきつい」と何らかの障害を有する人では、いずれも「(3)電車・バス・タクシーの乗り降りや、船との乗り換えが大変」の割合が高くなっている。
 また聴覚についてみると、「ほとんど聞こえない」人において「(1)港までの交通手段がない、不便」が多くあげられている。
 
図5-5-3 海上旅客輸送を利用する際の問題点(障害別)
【障害の種類別】
(拡大画面:27KB)
 
【歩行や階段の昇降】
(拡大画面:37KB)







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