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私はこう考える【公営競技・ギャンブル】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/04/08 産経新聞朝刊
【マンデーリポート】東京シティ競馬に3連複、3連単登場 売上げ増へ起死回生策
 
 東京23区が出資する公営競馬「東京シティ競馬」(大井競馬)は8日から、小額でも高額配当が期待できる新馬券「3連複」「3連単」の発売を開始する。公営ギャンブルといえば、地方ではバブル崩壊後の景気後退を受けて売上額が減少、廃止したり廃止を検討しているところも少なくない。大都市圏にある大井競馬とて状況は同じ、昨年度は前年度をかろうじて横ばいで維持するのがやっとの状況だ。果たして、今回の新馬券は起死回生の一打になるか?
(小島優)
■宝くじ感覚で時代にマッチ
◆買いやすい馬券を
 大井競馬を運営する特別区競馬組合が、今回の新馬券の検討を始めたのは平成十一年から。大井競馬はバブル絶頂の平成三年度の約千九百四十億円をピークに、売上額が坂を転がるように減少。そこで、この流れをなんとか食い止めようと、八年に組合内に研究会を設立し、海外の動向や国内の他のギャンブルを研究してきた。
 その検討の中から、十一年には「当たりやすい」ワイド馬券(拡大馬複)を登場させた。一−三着のうち着順に関係なく二頭を当てるワイドは人気を呼び、売上額は前年度比2%増。売上額減少に歯止めをかけたかのようにみえたが、それでも不景気の波には勝てず、翌十二年度は5%減と転落。そこで、こんどは「買いやすい」馬券をと3連複、3連単を導入することを決めたという。
 この間、大分県の中津競馬、新潟県の新潟県競馬の廃止という厳しい現実をみせつけられてもいた。特別区競馬組合の伴竹夫企画課長は「活路をみいださないといけないという危機感があった」と話す。
◆人気は上々
 今回、登場する新馬券の3連複は着順に関係なく三着までに入る三頭を当て、3連単は一−三着までを着順通りに当てる馬券。3連複はフルゲートの十六頭立てでレースが行われるが、より高額配当の可能性の高い3連単は射幸心をあおらないようにと、九頭立てとなった。
 この馬券の大きな特徴は、小額でも高配当が期待できること。今年一月七日の大井競馬第一レースでの百円の馬券に対する配当は、一着の馬を当てる単賞で千百三十円、着順に関係なく一−二着の二頭を当てる馬番連複で八百七十円だった。このレースを新馬券に当てはめると、3連複なら一万六千六百十円、3連単なら八万二千四百七十円というかなり高い配当になるという。当然、三頭を当てなければならないから、これまでより予想も難しくなるが、「推理の幅も広がり、コアなファンの楽しみもそれだけ増える」と伴企画課長はみる。
 新馬券は大井競馬だけでなく、南関東の四競馬場でも始められる。すでに四月二日に全国ではじめて3連複、3連単が発売された浦和競馬では、入場者数が倍、売上額が20%増と人気も上々だ。
◆競馬場からの脱却
 小額で高配当が期待できる新馬券には、客の新規開拓の意味もある。一人あたりの馬券の購入額は今やバブル期の半分、大口の“投資家”に期待するより、小額でいいからリピーターとなってくれる新しい客層の掘り起こしが重要なのだ。
 デフレが続き、一獲千金を夢見ても、ふところ具合のさみしい現状で、伴企画課長は「ワンコイン(百円)で夢が買える。宝くじ感覚の買いやすい馬券として時代にマッチしている」と分析、期待を寄せる。
 そして、一度訪れた新しい客を定着させることもまた重要だ。大井競馬では新馬券導入以外に、競馬場の魅力作りを進めている。今年十七年目を迎える夜間競馬「トゥインクルレース」もその一つ。今年は、お笑いタレントを冠したレストランも場内につくるなど、「アミューズメントパーク」へ転換、生き残りを多方面で模索している。
 そもそも公営ギャンブルは、自治体の財政資金の調達や関連産業の振興などを目的として設立されている。特別区競馬組合は、まだ出資している二十三区に配当が出せるが、今や赤字に転落し、お荷物となっている公営ギャンブルも少なくない。「油断して努力を怠れば、すぐにうちも赤字になります」(伴企画課長)。新馬券で浮かれてはいられない、気の抜けない時期が続く。
 
 
 
 
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