地方自治体が運営する競馬、競輪、オートレース、競艇の「公営競技」で、実施団体の過半数が赤字に陥っていることが総務省の調べで分かった。01年度の赤字は4競技で合計423億円にのぼる。00年度より5割増加した。公営競技の赤字が増えれば、自治体が埋め合わせる必要が出てくるため、総務省は夏をめどに経営改善計画の提出を求める方針だ。
調査によると、01年度の売上総額は約3兆2千億円。91年度の約5兆5400億円から10年間で4割減った。競馬とオートレースが半減し、競輪、競艇も4割減。景気低迷やレジャーの多様化による客離れが原因と総務省ではみている。
公営競技は、自治体が単独か、複数の自治体で事務組合を作る形で運営しているが、01年度に公営競技を実施した146団体のうち79団体が赤字だった。なかでも最も業績が悪化しているのは競馬で、01〜02年度に中津競馬組合(大分県と同県中津市)など5団体が事業から撤退した。
売り上げの75%が客への払戻金で、選手の賞金や運営費などの経費や、関連業界などに助成金を出す振興会への交付金などを差し引くと自治体に入るのは1%程度。地方財政も厳しい中で、赤字に陥った事業を抱える余裕がなくなりつつある。
実施団体では、近隣の競技場と開催日程を調整するなどの努力をしており、場所によっては効果が出ているところもある。ただ、全体として厳しい状況は変わらず、総務省は選手の賞金や施設費を削減するなど経営改善を求めていく。
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