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私はこう考える【公営競技・ギャンブル】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2001/11/10 朝日新聞朝刊
高崎競馬(公営ギャンブルを歩く:4)/群馬
 
 10月21日の日曜日、高崎競馬場の入場者は9千人にのぼった。しかし、競馬場関係者は浮かぬ顔だった。
 「レースを見ずに帰ってしまうお客さんが多い。高崎は馬が近くで見られて楽しいのに・・・」
 最終の第11レースがスタートするのは午後4時半過ぎ。だが、第2レースが終わったばかりの正午には早くも観客の列は出口に向かっていた。来場者の目当てはこの日、同競馬場で発売していた中央競馬のG1レース菊花賞の馬券だった。
 普段は笑顔で競馬予想紙を売っている山田京子さん(55)は「お客さんに地方競馬はどんな馬がいるかわかんないんだ、と言われてね」と寂しそうだ。同じ日曜日でも中央競馬の馬券を売らなかった翌週の入場者は約2千人にとどまった。
 
 同競馬場の入場者数は75年度の約70万3千人を最高に、以後は下降傾向で昨年度は25万9千人。馬券発売額はバブル期こそ約244億8千万円(90年度)と好調だったが、00年度はその4分の1に。
 県内にはオートレース、競輪、競艇もある。「200万人口の県では過当競争。しかも遊び自体が多様化した」(金井達夫・県競馬組合事務局長)ことが響いている。
 全国の公営ギャンブル(オートレース、競輪、競艇、競馬)の売り上げは「レジャー白書2001」によると、92年の計約8兆9千億円をピークにして、00年は約6兆8千億円に減少。自治体の財政を潤す繰出金も減り、県内では同競馬が6年連続、伊勢崎オートレースは昨年度初めてゼロになり、前橋競輪も今年度、初のゼロになる見込みだ。
 
 秋晴れとなった10月13日、観客席は家族連れが目立った。スタンドの目の前から出走する「1330メートル」レースは子どもに人気だ。スタート地点周辺が親子で埋まる。
 家族4人で訪れた笠懸町の男性会社員(33)は「子どもは疾走する馬を見て喜んでいますよ。動物園の気分ですね」
 県競馬組合は今年、従来の中央競馬の場外馬券の発売に加え、家族連れでも楽しめるようにと開催日を土、日曜日と祝日にした。さらにレースの面白さも高める工夫をした。
 4月から始まった「北関東Hot競馬」。高崎競馬に所属する馬同士によるレースが大半だが、高崎、宇都宮、足利の各競馬が人馬の交流や相互発売してファンを掘り起こす狙いだ。
 同組合によると、今年度上半期は41日間開催、1日平均の売り上げは昨年同時期の16%増の約7千万円。「スター騎手や名馬が増えてくれば、もっと面白くなる」(高崎市内の男性)と好評だ。
 
 戦後の経済復興などへの貢献を使命とされてきた公営ギャンブルについて、文教大学の山田紘祥教授(レジャー産業論)は「不景気になった今でも利益を生み出すことを前提として存在している。赤字でも上納金を納めているのが現状だ。経営難に陥るギャンブル場が増えるなかで、この制度を見直す岐路にある。国や地方の管理の下にレジャーとして経営を民間に委託し、利潤があればその一部を納めさせる方向を考えたい」と話している。
(おわり)
(この連載は前橋支局・伊藤衆生が担当しました)
<高崎競馬>
 23年に高崎競馬クラブが創立され、翌年に馬券を発売したレースがあった。61年、県と4市(前橋・高崎・太田・伊勢崎)で一部事務組合を設け、68年に3市が脱退、現在に至る。境町に場外馬券売り場がある。
 バブル期、90、91年度の馬券発売高はともに240億円を超え、1人あたりのかけ金は6万円以上(1日平均)。その後は落ち込み、昨年度は約61億円、1人のかけ金は1万6500円。
 昨年度の単年度収支は約13億円の赤字。9年連続の赤字で、累積は約26億円に及んでいる。累積赤字分の穴埋めは「繰り上げ充用」にして今年度の歳入で補てんする。同組合は職員、馬券売り場の従事者ら約240人の雇用を抱える。馬は596頭。馬主約350人と、調教師、騎手、きゅう務員ら計約220人がかかわる。
 
 
 
 
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