競輪発祥の地、北九州市小倉北区の小倉競輪場の隣で建設が進む「メディアドーム」。コンクリート独特の冷気臭が漂い、まだ塗装前で殺風景な競輪用バンク(一周四百メートル)に、オレンジや黄色の目立つユニホームを着た競輪選手たちが降り立った。
「思ったよりバンクに癖がない。きれいな仕上がりだ」。工事関係者の説明を受けた後、野田正選手(四〇)らはまず、歩いて一周。新たな闘いの場の感触を確かめた。「直線が長いので、最後まで勝負が分からない」「雨風に左右されないスピード競輪になる」
二年前、老朽化した小倉競輪場の代替施設として着工。3K(暗い・汚い・怖い)イメージ払しょくや施設の有効利用を検討した結果「多目的ドーム」に落ち着いた。総工費は約三百億円。競輪五十周年の今秋、完成予定だ。
競輪界は九一年度をピークに売り上げが減少している。小倉も例外ではない。九六年には、北九州市以外で組織し、小倉、門司競輪場などを間借りしていた「五市競輪組合」が解散。「競輪事業が市財政に貢献する時代は終わった」(有吉威・直方市長)。
北九州市関係者も、ハコ(施設)ですべてが解決するとは思っていない。高齢化が著しいファン層の若年齢化を狙う。市事業部管理課の柴田克俊さんは「多目的施設なので、競輪ファン以外もたくさん訪れる。こうした人たちをいかにファンとして取り込んでいくかが我々の課題です」と話した。
「不況時はギャンブルがはやる」と言われた。しかし、中央競馬会(JRA)を除き、地方競馬、競艇、競輪、オートレースの四競技はどこも青息吐息。収益事業のはずが赤字に転落したレース場も少なくない。転機の公営競技はどこへ行くのか。
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