|
1998/03/03 朝日新聞朝刊
あえぐ公営ギャンブル 不況・レジャー多様化で/埼玉
公営ギャンブルが低迷にあえいでいる。戸田ボートでレースを開催する二つの組合のうち「県都市競艇組合」(管理者・井原勇与野市長)は五年続けて売上高が減少、組合幹部である十七市長らの報酬を二割カットする方針を固めた。川口オートレースや大宮競輪、所沢市の西武園競輪も、売り上げ減に頭を抱えている。
越谷、草加、上尾市などでつくる県都市競艇組合。売上高は一九九一年度の八百七十六億円を境に減少に転じ、昨年度は五百五十三億円。今年度は五百二十億円の見込み。「底が見えない。イベントやファンサービス、経費の削減などやるべきことはやったが、この不景気では」(組合幹部)という現状だ。
一月下旬の組合議会では、井原管理者が「私と組合議員の報酬を二割程度カットしたい」と述べた。議員の報酬は月七万三千円。二割カットで年間約一千万円の節約になるという。三月下旬の議会で正式決定する。
井原管理者は「そもそも合理化するという条件で管理者を引き受けた。二割以上の削減も検討したが、今回はこれでとどめた」と話す。
川口オートレースも九一年度の千百億円をピークに年々減り続け、今年度も昨年度とほぼ同じ七百数十億円の見込み。大宮、西武園の二競輪場も昨年度は合わせて三百九十三億円で、ピークだった九一年度の半分近くまで下がった。西武園は三月下旬の日本選手権に期待をかける。
一方、浦和競馬だけは上向きで、今年度は四年連続赤字の解消に期待がかかっている。
県と浦和市でつくる県浦和競馬組合によると、今年度は大井、川崎など周辺の競馬場と連携を強め、場外馬券の発売日数を増やし、電話投票にも力を入れた。特に前半はゴールデンウイーク中の開催もあり、前年度に比べて三割以上も売り上げを伸ばした。
しかし一月になって、大雪で大型レースが中止。一月までの売上高は六%増にとどまり、念願の赤字解消は雲行きがあやしくなっている。
関係者の話では、不況に強いといわれたギャンブルだが、バブル期に大衆化し、景気の影響を受けるようになった。その後の不況とレジャーの多様化で、県内でも一人あたりの使う金額が少なくなっている。
その中で日本中央競馬会は好調だが、関係者によると、電話投票や女性客獲得に力を入れたからといわれている。公営ギャンブルの県の窓口である県県営競技事務所は「ギャンブルで『もうける』よりも『楽しめる』ことに力を入れたい。快適で安全な雰囲気をつくり、すそ野を広げたい」と話している。
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。
|