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1991/10/16 朝日新聞朝刊
競馬を追え、女性に照準 スタンド内に専用室 立川競輪場
中高年の男性に支えられてきた競輪が、女性ファン獲得に力を入れ始めた。立川競輪場はこのほど、女性と子どもの専用室をバックスタンド内に設置、客集めの目玉にするという。若い女性にも人気の競馬に続こう、という作戦だ。
立川競輪場が女性やカップルをターゲットに作ったポスター。「行ってみても、いいよね」という気になってくれるだろうか。
今年3月に完成した立川競輪場のバックスタンドには8月から、3階の娯楽室に「女性こどもサービスコーナー」と書かれた札が掛けられた。
164平方メートルのがらんとした室内には、レースを生中継する大型のモニターテレビのほかに通常のテレビ、小型のすべり台、ベビーベッドが1台ずつ置かれている。部屋を出た正面はガラス張りのスタンド。投票所、払い戻し所も隣接しており、立川市公営競技事業部は「子連れのお母さんにも、楽しんでもらえる」と意気込む。
12日間レースが開催された8月の利用者は数人で、「PRが足りなかった」(小倉上事業部長)という。9、10月はバンクの改修工事で競技は休み、新たに積み木やぬいぐるみを室内に取りそろえ、11月の再オープンに備えている。
競輪事業の主催者にとっていま、最も頭の痛い問題はファンの高齢化。全国競輪施行者協議会の委託で、余暇開発センターが今年1、2月に全国15の競輪場で実施したファンへのアンケート調査によると、来場者の平均年齢は49.8歳。立川競輪場の場合、50.3歳とさらに高く、性別では男性の比率が97.9%。30歳未満の女性はわずか0.4%だった。
一方、競馬はハイセイコー人気で盛り上がった70年代以来のブームを迎えている。日本中央競馬会の調べによると、昨年1年間の中央競馬(全国10カ所)の観客総数は前年より17%多い1068万人。うち女性は110万人で、初めて10%を上回った。
「競馬ブームを支えているのは若い女性。女性が集まれば、付いてくる男性も増える」と小倉部長。今年に入ってから売り上げが落ちていることもあり、競馬にならい、新しいファン層を開拓したい、という。
競輪はここ数年、暴力団を排除するなど環境改善にも努めてきた。しかし、「今でも、100円玉を何枚か握りしめて駆け付けるオジサンが多い。おしゃれなイメージが定着した競馬と違い、女性ファンを増やせるかな」(立川市内のタクシー運転手)といった声も聞かれる。
立川競輪場は将来、場内に「女性専用館」を建設する構想もあり、担当者は「サービスコーナーの利用状況が良ければ、本格的に検討したい」と話している。
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