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1991/06/18 朝日新聞朝刊
ふところ 市民税の不足補うギャンブル収益(町 川口:12)
オートバイの爆音が止まった。どよめきが起きる。無数の紙ふぶきが舞い、そして、階段からは群衆がはき出されていった。1周500メートルのコースを左回りに6回、600CC、8台のレースは110秒のドラマだ。
41年の歴史を持つ「川口オートレース」。5月下旬の平日。8日間にわたる予選を経て決勝が行われたこの日の入場者数は約1万4700人、総売上額約8億7500万円に上った。
現在年間128日開催されているレースのうち、県営を除き施設改善レースを含む市営レースは約半分。
収容客人員数4万4000人、年間総売上額1104億7200万円(90年度)は全国に6つある公営オートレース場の中で最大規模だ。
公営ギャンブルが社会的に批判を受けたこともあった。しかし、「今では市の貴重な財源」と市公営競技事務所長・鳥海俊雄さん(58)は言う。
川口、大宮、浦和ともに地方交付税不交付団体で、「豊かな都市」と見られている。いずれの市も91年度一般会計の規模は1000億円強。
しかし、大宮、浦和では歳入のうち市民税がそれぞれ約460億円、約420億円なのに対し、大企業が少ない川口は約370億円と水をあけられている。
91年度予算では、「競輪」を抱える大宮、「競輪」「競馬」の浦和がそれぞれ公営ギャンブルで得る収益金は数億円台となる見込み。一方、地元のオートレースから川口が得る収益金は50億円。さらに大宮の競輪と隣接戸田の競艇からも収益が入るため、ギャンブル収益は合計73億円強にもなる。主に福祉事業に回される。
「市民税の不足を『レース』が補てんする」(市財政部)というのが実態だ。
川口オートレースの年間総売上額の過去10年間の推移を見ると、「景気の変化の影響を受けている」と鳥海さんは言う。
不況期の1980年代前半は下降気味。しかし、81年度の1日平均売り上げに比べて、好況に入った最近3、4年は3―4割、昨年度は7割も上回った。さらに、武豊騎手らの登場による競馬ブームなどもあり、ギャンブルへの女性の人気も出ている。
しかし、「やはり景気の後退が怖い」と、鳥海さんはもらす。
バブルのつけによる反動が予算に影響しない保証はない。
《メモ》
県内にある浦和(競馬)、大宮(競輪)、西武園(競輪)、川口(オート)、戸田(ボート)の5カ所の公営ギャンブル場の90年度売り上げ実績を見ると、1日平均売上額が最も大きいのは、戸田で10億9261万円。81年度を100とした場合、90年度の1日平均売上額の指数が最も大きいのは大宮の174.94だった。5競技場の平均指数は155.89。
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