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私はこう考える【公営競技・ギャンブル】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1987/12/25 朝日新聞夕刊
年間総売上額、5兆7500億円! 公営ギャンブル巻き返す
 
 マイホームも遠のいて、夢は一獲千金
 5兆7500億円――。今年の公営ギャンブル5競技の年間総売上額(推定)だ。今年度の国の文教・科学振興関係予算と比較すると1.19倍。1世帯平均で14万5000円強の馬券や車券などを買っている勘定になる。ひところ低迷を続けた公営ギャンブルは、昨年6年ぶりに5兆3000億円と売り上げ記録を更新し、今年さらに8%の伸びを示した。関係者は、その最大の理由に、景気の回復をあげている。
(遠山彰編集委員)
 
 むかし、ギャンブルは不況に強いといわれた。昭和48年のオイルショック当時、30%を超す伸びを示したからだ。だが50年代に入って伸び率は鈍り、55年の第2次オイルショック以降はマイナスに転じた。レジャーの多様化で、若者を中心にギャンブル離れが進んだこともあるが、なによりも景気の後退が響いた。
 競輪関係者のなかには、「デジパチにやられた」という人もいる。パチンコにスロットマシンを組み合わせ、777と数字が並ぶと無制限に玉が出る「デジパチ」はパチンコブームを巻き起こしたが、この出現が55年秋。公営ギャンブル低迷と奇妙に一致する。「競艇界のドンが働きかけて58年に規制させた。これが売り上げ回復の一因」との見方もある。
 好況の理由として世間全般の景気との絡みをあげる声が強い。「金はある。でも地価の値上がりでマイホームは建てられない。そんな層がささやかな夢を求めて戻ってきたのです」
 もちろん、各競技団体の作戦もある。その中心は場外投票券売り場の拡充と、観客席のデラックス化だ。中央競馬では、昨年、中山競馬場に設けた「4人ボックスで1万円、テレビモニター付き、食事もできる」というクリスタルコーナーが好評だったので、今年は札幌に入場料1500円の有料場外をつくった。ソファに座って、5台の大型映像をみながら、競馬場にいる気分を味わえ、ドリンクサービスもある。また、渋谷場外を黒川紀章氏の設計で、17億円をかけて改築、内部に100インチの大型映像を置いた。来年からは中山競馬場を3年がかりで改築し、指定席を5割増やす。
 公営競馬でも、後楽園に場外馬券売り場を新設した大井競馬が昨年から始めたナイター競馬の人気で、2年続けて30%台の大幅な伸びを記録。競輪や競艇などでは、一昨年秋からの暴力団締め出しで、ノミ屋に流れる分が減ったのが大きい。競輪の東海地区では15%の伸びを示した。
 “ギャンブルファンの夢”である大穴では、2月13日の名古屋競馬での単勝10万5540円が最高。1430枚のうち当たったのは、60歳ぐらいの男性の100円券1枚だった。競輪では先月11日の平塚競輪で300万円で1本買いして1500万円にした土地成り金もいる。一方、せっかく当たったのに払い戻しにこない人もいる。中央競馬ではその金額は今年だけで19億円に達した。
 入場者は50年をピークに減り続けている。これは売上額の8割を場外に頼る中央競馬をはじめ、各競技団体が場外売り場整備に力を入れているせいもある。しかし、競輪などではファンの高齢化が進み、10年前の平均年齢39歳に対して、現在は50歳。「あと5年もたてばファンは定年者中心」と関係者は不安を隠せない。
●賞金稼ぎまくる選手 18歳で5000万円騎手も
 選手は、賞金アップで収入が増えている。中央競馬で、今年9年ぶりに福永洋一の131勝の記録を破った岡部幸雄騎手は、初めて1億円の大台を突破し、1億1200万円を稼いだ。
 また3月にデビューした18歳の武豊は、27年ぶりに加賀武見の持つ新人騎手最多勝記録の58勝を破り話題を呼んだ。父は名人騎手といわれた武邦彦・現調教師。プロ野球でいえば、ヤクルト入りした長島ジュニアが西武の清原選手みたいなデビューをみせたようなものだ。その後、勝ち鞍(くら)を伸ばして、現在65勝。収入は10万2000円の給料や騎乗手当を含め5600万円になる。
 「お金は母が管理し、小遣いは9万円ぐらい。ゴルフ代と馬具代、それに洋服代に消えます。車はまだいりません」。男4人兄弟の3男。長兄は同志社大ラグビー部のマネジャー、次兄は大学受験浪人中というが、母の洋子さんは、「ゴルフの賞品のハンドバッグなどを私にくれます。兄たちは、男のプライドにかけても、弟から小遣いはもらえんという態度です」と話す。
 岡部騎手を上回るのが、競輪の滝沢正光選手(27)。23日現在、賞金取得額は1億1400万円を超し、30日のグランプリレースに勝てば1億3000万円にもなる勢いだ。3年連続の賞金王で、昨年も1億円を突破している。180センチ、90キロ。握力は左右とも80キロで「あいつは馬だ」と自転車世界選手権V10の中野浩一選手は評した。
 滝沢はビートたけしのテレビ番組に出て、冗談で「花嫁募集」をした。申し込みが殺到し、そのなかから本当に婚約者が決まり、来年4月結婚する。元ミス日本静岡代表という。
 この滝沢も自家用車はベンツだが、競輪、競艇の人気選手には、なぜかベンツが多い。競艇の賞金王・今村豊もそうだし、3位・国光秀雄はベンツのほか国産車も持っている。生涯賞金が8億円を超し、競艇王といわれる彦坂郁雄もベンツである。中野浩一の生涯賞金は現在9億3700万円で、来年プロスポーツ選手として初めて10億円台に乗る。車は東京と久留米にベンツなど3台を持っている。
 
 
 
 
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