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1986/01/04 朝日新聞朝刊
地方競馬、廃止検討の動き 赤字に悲鳴の自治体
自治体の台所を潤してきた公営ギャンブルのうち地方競馬の不振が深刻で、開催団体の3分の1強が赤字、黒字のところも住民の血税をつぎ込んで帳じりを合わせているところが多い。財政難の自治体の「助っ人的役割」が廃止論を封じてきた形の公営ギャンブルも、存続の意義を失いつつある現状だけに、主催権を持つ団体の中には、川崎市のように一定期間を置いて廃止の方向を打ち出したり、存廃を検討したりするところも出始めた。
公営ギャンブルは競馬、競輪、競艇、オートレースの4競技で、自治体が単独、または複数で開催している。現在の主催団体は計170。このうち地方競馬は32団体(自治体数は71)が開催している。
「不況知らず」の神話が生まれた公営ギャンブルも、売り上げは55年度をピークに落ち込んでいる。地方競馬は同年度7973億円を記録したが、その後の売り上げは年々減り続け、59年度決算では全盛期を2000億円も下回る5956億円に落ちた。
売り上げの減少は当然、収支も悪化させた。まず収益金をみると、55年度に454億円もあった収益金が58年度には192億円となり、59年度はわずか64億円に減っている。
赤字は55年度から出始め、56年度が5団体。59年度も団体は一部入れ替わったものの、赤字数は前年度と同じ12団体に。
中央競馬が順調に売り上げを伸ばしているのに比べ、地方競馬不振にあわてた自治体側は、ここ4、5年来、さまざまな振興策を打ち出した。場外馬券売り場の設置、電話投票、連勝単式の採用、薄暮レースの導入などだ。しかしファン離れの歯止めや売り上げ増の決め手とはなっていないのが実情。存続か廃止かをめぐる動きも急だ。
川崎競馬は、49年度をピークに売り上げが伸びず、59年度にはついに2億200万円の赤字が出た。厳しい情勢を事前に察知した伊藤三郎川崎市長は「公営ギャンブルの赤字を、税金で補てんするわけにはいかない」と廃止の意向を表明、この問題を川崎競馬存廃問題検討委員会に諮問した。同委員会は昨年4月に答申したが、中身は、再生の見通しが立たないことを理由に、3年間の猶予期間を置いて廃止する、だった。
59年度決算で5億3100万円の赤字を出した浦和競馬にも、昨年10月に経営検討委から答申が出された。「経営を合理化することによって、ここ当面は継続し、その後に総合判断することが適当」という内容。
しかしいざ廃止となると、多額の「幕引き料」がかかり、その財政負担の解決策が見いだせないなど、ここにも難問がある。が、社会の流れに対応した競技のあり方、廃止への道すじなどを打ち出す時期に来ているのは確かのようだ。
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