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平成16年度地区別講習会実施報告
北海道地区
北海道保健福祉部疾病対策課
感染症グループ
中澤 広
 
 
 平成16年度の結核予防技術者北海道地区講習会は, 6月8日, 9日の2日間にわたり, 札幌市で開催いたしました。
 北海道は単独でブロックを構成しているため毎年開催していますが, 本年も結核診査会の委員の皆様や保健福祉事務所(保健所), 各市町村, 健診機関, 医療機関, 教育機関から約190名の御参加を頂きました。
 合同講義では, 昨年と同じく結核研究所石川副所長から「新しい結核対策の動向」と題し, ユニバーサルDOTSの必要性などに関する御講義, 厚生労働省健康局結核感染症課中里国際感染症情報専門官からは「結核対策の現状と展望」と題し, 成立間近だった結核予防法の改正などについての御講演を頂き, また北海道からは, 上川保健福祉事務所保健福祉部(上川保健所)における病院と連携した結核対策についでの報告を行いました。
 職種別の講義では, 医師を対象とした講義が結核研究所研究部和田主幹から「適正医療の推進」と題し, 4剤使用の標準治療について, 放射線技師を対象とした講義では同放射線学科中野科長から「新しい結核対策に対応した胸部健診」と題し, 最新の機材や障害者にも対応したシステム作りなど健診体制の充実について, さらに保健師等対象の講義では同保健看護学科永田科長代理から「結核対策における保健看護職の役割」と題し, 日本の実情に合わせたDOTSの今後の展開などについて御講演頂きました。
 最後になりましたが, 御講義くださった先生方にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。
 
東北地区
福島県保健福祉部健康衛生領域
医療看護グループ主任保健技師
薄葉 由美
 
 
 平成16年度東北地区講習会は, 福島県が担当し, 7月22日, 23日に福島市内で開催しました。結核対策の転換期を迎え, 関係者の関心の高さもあってか, 県内外の医療機関・保健所・市町村等から288名の多数の参加がありました。結核予防会からは複十字病院中島副院長, 渋谷診療所増山所長, 結核研究所保健看護学科小林科長, 同放射線学科星野科長代理, 厚生労働省から健康局結核感染症課中里国際感染症情報専門官をお招きし, 「新しい結核対策の動向」をメインテーマとしての講義がありました。
 結核対策特別促進事業の報告は, 東北地区の特徴でもある高齢化対策, 法改正後に明記される服薬確認に関するDOTSや予防計画に関する事例を中心に構成し, (1)寝たきり者健康診断事業(岩手県), (2)高齢者施設等職員に対する結核等感染症出前研修会(宮城県), (3)DOTS評価検討会(山形県), (4)せんだい結核半減対策10カ年戦略(仙台市), (5)結核対策評価事業(福島県)の5題を紹介頂きました。高齢者対策の課題でもある, 寝たきり者用レントゲン車の活用法や, 高齢者施設職員の意識をどのように高めるかについて, DOTS評価では医療機関との連携のあり方, 各自治体で既に作成されている予防計画と予防法との整合性の検討等の内容であり, これからの活動に具体的な示唆が得られました。
 結核担当者会議では, 結核予防法一部改正後の各自治体の取り組みについて(1)予防計画の策定, (2)直接BCG接種の実施, (3)確実な服薬確認を行うための患者支援体制, (4)結核診査協議会委員の構成要件の見直しを中心に協議し, 活発に意見交換をいたしました。
 厚生労働省・結核予防会の諸先生方から, 講義をはじめ会議全体において, これからの結核対策について最新の知見を伺うことができ, 大変有意義で充実した内容となりました。最後に, 遠方から講習会に参加頂いた皆様と, 講師の諸先生方に深く感謝申し上げます。
 
 
 今年も結核予防技術者地区別講習会が全国7ブロックで開催されました。
 本講習会は, 各都道府県の特対事業の実績報告, 相互検討及び専門家による講義の場を設けることにより, 結核地域格差の解消と一層の結核対策の推進を図ることを目的としています。
 各ブロックの担当県の方に, 実施模様の報告をして頂きます。
 
関東甲信越地区
埼玉県健康福祉部
感染症対策室主任
青木 隆
 
 
 平成16年度関東甲信越地区結核予防技術者講習会は, 埼玉県が担当県となり, 8月5日・6日の2日間, さいたま市内において県内外の医療機関, 自治体, 保健所等から約320名の参加を得て開催されました。
 合同講義では, 結核研究所森所長から, 2日間にわたり, 「新しい結核対策の動向」について詳しい解説を頂きました。職種別の分科会では, 同保健看護学科永田科長代理, 同放射線学科中野科長, 複十字病院第一診療部・医療部尾形部長を講師に迎え, それぞれの専門分野からの講義を頂きました。
 2日目午後の合同講義では, 「結核対策の現状展望」と題して, 厚生労働省健康局結核感染症課小林予防接種専門官から, 今後の結核対策について行政面での具体的な講義を頂きました。
 結核対策特別促進事業の評価・報告では, 当県から「結核菌のRFLP分析について−埼玉県の事例から−」, 「埼玉県の結核対策特別促進事業について−DOTSの実施検討のための結核病床連携強化事業−」の2つの報告があり, 講師の先生方からも貴重な助言を頂きました。
 講習会終了後の担当者会議では, 各自治体からの資料を提出して頂き, 特対事業について, 群馬県・船橋市に発表をお願いしました。続いて質疑では, (1)結核予防法改正に伴う準備, (2)結核診査協議会について, (3)ホームレス対策, (4)DOTS事業など, さまざまな話題について充実した意見交換をし, 助言を頂くことができました。
 最後になりましたが, 講師の先生方と当講習会に参加されました皆様に, この場をお借りして深く感謝申し上げます。
 
東海北陸地区
三重県健康福祉部
健康危機管理室主査
成瀬 徳彦
 
 
 平成16年度, 東海北陸地区での結核予防技術者地区別講習会は, 三重県が担当県となり7月1日, 2日の2日間にわたり, 津市の三重県総合文化センターで開催しました。
 行政機関をはじめ, 医療機関, 社会福祉施設, 学校保健, 産業保健関係者などから延べ約400名の参加がありました。
 講師には結核予防会の島尾顧問, 結核研究所の吉山研究部長, 同保健看護学科永田科長代理, 厚生労働省結核感染症課の小林予防接種専門官をお迎えし, 結核に関する専門的な立場から豊富な経験に基づいた貴重な講義をして頂き, 参加者にとっては大変有意義であったと思います。
 結核対策特別促進事業の報告は2題あり, 1題目は愛知県知多保健所の船橋主査による「病院・保健所間連携の構築」の中で, 積極的にDOTSに取り組んでいる病院とのコホート会議・服薬連携会議を通じて得られたノウハウ等について報告がありました。また, 講師自らが参加した「ロンドン市結核対策スタディーツアー」の報告もあり, イギリス及びロンドンにおける結核事情についても見識を深めることができました。
 2題目は, 本県四日市保健所の長坂所長による「外国人労働者を含んだ接触者検診へのクウォンティフェロンTBの応用」の中で, 鈴鹿保健所管内の事業所で起きた結核患者発生への行政対応に, QFTやRFLPを駆使し功を奏した事例について報告があり, その中で, 新しい技術の活用と今後克服しなければならない課題についての提案もありました。
 さらに, 各報告を受けて司会者のコーディネートの下, 結核予防会の講師による助言等もあり, 議論を深めることができました。
 講習会終了後に開催されました結核事務担当者会議では, 事前に東海北陸7県9市から寄せられた質疑事項及び回答について, 結核予防会の講師による助言等も交え各担当者と協議を行いました。
 正答のあるなしにかかわらず, 各県市の対応等が把握でき, 短い時間でしたが大変有意義な会議となりました。
 最後になりましたが, 当講習会に参加頂きました皆様及び講師の諸先生方には, この場をお借りいたしまして深く感謝申し上げます。







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