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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2004/09/18 朝日新聞朝刊
拡大論に静観・けん制(動くか安保理改革:下)
 
 国連改革についての報告書をまとめるハイレベル諮問委員会は、20日からニューヨークで各国の意見聴取を始める。21日には各国の元首、首相らが集う国連総会での一般演説が始まる。週明けから始まる様々な論議と駆け引きが、安保理改革の行方を左右する。
(ニューヨーク=五十嵐浩司)
 9月に入ってニューヨークの国連本部では、安保理改革が総会の課題としてやっと意識され始めた。夏前から日本とドイツが水面下で続けた根回しの成果が、浮上してきた格好だ。
 この問題で国連内は、大きく三つのグループに分けられる。
 (1)強力に推進を図る日独と、これに同調するインド、ブラジルの新常任理事国の最有力候補
 (2)この動きに取り残されることを懸念するイタリア、スペイン、カナダ、アルゼンチンなど「その次」の候補国
 (3)大多数を占める、米国など静観派やアフリカ諸国など「安保理改革より開発優先」派
 日本が力を入れて働きかけているのは、国連の盟主といえる米国と、アフリカやアジア、中南米の国々である。「途上国からできるだけ多くの支持を得て5常任理事国の包囲網を作り、常任理事国内では米国の支持をてこに、日本の常任理事国入りに後ろ向きな中国を動かす」。これが日本側が描く作戦である。
 このため日本側は中央アジア、カリブ海といった地域機構の集まりにこまめに顔を出し、支持確認を図っている。先ごろニューヨーク入りした逢沢一郎外務副大臣がアフリカ8カ国の大使と夕食会を開いたのも、こうした根回しの一つだ。
 一方、常任理事国内ではフランスが拡大に理解を示す。欧州連合(EU)の盟友・独が各国に働きかける際に協力をするほどだ。仏を突破口に英国、ロシアを説得し米国の同意が得られれば、中国が単独で反対するのは難しいというのが日本側の期待である。
 だが、カギとなる米国に動く気配はない。日本側が問えば「常任理事国入り支持」という従来の立場を示すが、大統領選挙とイラク戦争を抱えて安保理拡大に「関心は薄い」(米国連関係者)。先の共和党全国大会で採択された綱領でも、米国は国連の指揮下に入らないとしており、ブッシュ大統領も「国連強化」には動きにくい。
 一方、大統領選で民主党のケリー氏が勝てば、政府の陣容が整って政策が定まるまで半年はかかるだけに、日本側は気をもんでいる。
 さらに頭が痛いのが、共に打って出る候補国への反対の声である。独にはイタリア、スペインが対抗し、ベルルスコーニ伊首相は6月、ブッシュ米大統領との会談で自国も資格があると念押しした。非欧州勢には「英仏に加え、なぜ欧州に三つ目の席を与えるのか」(ナイジェリアのワリ国連大使)という反発が強い。インドにはパキスタン、ブラジルもアルゼンチンやメキシコと、それぞれ地域内にライバルを抱える。
○日本待望論見えず
 97〜98年に安保理拡大機運が高まった際は、こうした国々が集まり、国連総会議長が示した5常任理事国を追加する決議草案を葬り去った。今回も「具体案が出れば抵抗は強まる」(米国連筋)という観測も強い。
 しかも、今回の論議再燃にはアフリカの代表が加わっていない。南アフリカ、ナイジェリア、エジプトという地域大国が譲らず、動きが取れないためだ。「日本の常任理事国入りに反対する国は少ないが、他のどの国が候補になっても総会で3分の2以上の支持が得られる見込みはまだない」と、日本代表部筋も認める。
 もっとも、日本を積極的に推そうという待望論があるわけでもない。「親切ないい国というだけで推すほどには国際社会は甘くない」と、ある国連幹部は指摘する。
 むしろ国連内では、昨年から非常任理事国を務める独に「常任理事国の資格は十分」という声が出ている。イラク開戦に反対しつつも仏のように米国とけんか腰にはならず、つかず離れず米国を説得し、その傍らでアフガニスタンの治安維持を担う姿勢が評価されてのことだ。
 日本にとっても、「米国の同盟国」という以外の独自の存在感を示せるかどうかが試金石となる。
■安保理改革をめぐる各国の立場
 (1)新常任理事国の最有力候補 日本、ドイツ、インド、ブラジル
 (2)その次の候補国 イタリア、スペイン、カナダ、アルゼンチンなど
 (3)開発優先派(アフリカ諸国など)
   静観派(米国など)
 
 
 
 
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