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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2004/09/17 朝日新聞朝刊
常任理入りへ弾み狙う 首相、22日演説(動くか安保理改革:上)
 
 小泉首相は22日(日本時間)の国連総会での演説で、安全保障理事会の常任理事国入りをめざす考えを表明する。イラク戦争を契機に高まった国連改革の機運をとらえ、日本の常任理事国入りを含む安保理改革に弾みをつけようという狙いだ。来年は国連創設60周年。節目の年に向けて改革は、政府の思い通りに動き出すのか――。
(小村田義之)
 「イラク問題の対応で揺らいだ国連への信頼感を取り戻すには、国連自体、改革を通じてその役割を一層強化する必要がある」
 川口外相が昨年9月の国連演説で語った言葉が、日本政府の基本的な考えを示している。イラク戦争で揺らいだ国連への信頼回復が急務となっており、国連のアナン事務総長は昨秋、ハイレベルの諮問委員会を設置。年末に提言をまとめる。
 政府はこうした機運を「日本にとっても好機」とみて、国連創設60周年の来年、特別首脳会合を開催し、安保理改革につなげようと働きかけている。小泉首相は国連総会が行われるニューヨークで、日本と同じく常任理事国入りをめざすドイツ、インド、ブラジルとの4カ国首脳会談を予定。4カ国が足並みをそろえて意欲をアピールする。
 常任理事国入りは、日本政府の「長年の悲願」(政府関係者)とされてきた。宮沢内閣当時の93年7月、国連のガリ事務総長(当時)に提出した意見書で「安保理においてなしうる限りの責任を果たす用意がある」と表明して以来、手を挙げ続けている。
 国連で日本が負担する分担金の比率は現在、19.5%。米国の22%に次ぐ第2位だが、「それに見合う立場は得られていない」(外務省筋)という不満がある。常任理事国は第2次世界大戦の「勝ち組」で占められ、国連憲章には日本、ドイツ、イタリアなど敗戦国への武力行使を容認した旧敵国条項が残っている。
 常任理事国になれば、各国の情報も入手しやすく、発言力も増す――。そんな狙いから、日本政府は安保理を現在の15カ国(常任5、非常任10)から24カ国(常任10、非常任14)に拡大する構想を示してきた。枠が広がれば、日本は最有力の候補と見られている。
○利害絡み合意難題
 米国の「支持」も、背中を押す。6月の日米首脳会談では、国連改革の必要性を指摘した小泉首相に、ブッシュ大統領が「日本は安保理常任理事国になるべきだ」と語りかけた。21日の日米首脳会談でも、改めて米国に協力を求める。
 ただ、安保理を拡大するには国連憲章を改正しなければならず、常任理事国の5カ国すべての同意と、全加盟国の3分の2以上の批准が必要。各国の利害が複雑に絡み合う国連で幅広い合意を得るのは容易でない。米国の支持も「リップサービス」(外務省筋)との声もあり、政府内でも「日本の常任理事国入りなんて実現するわけがない」(関係者)と冷ややかな声は根強い。
 日本政府にとって最も難しいのは、機運は高まっても改革の方向性が全く見えないことだ。
 どの国の理事国入りが望ましいか。どこまで枠を広げるか。常任理事国が持つ拒否権などの「既得権」をどうするか。連立方程式の「解」はなかなか浮かばず、年末のハイレベル諮問委員会の提言内容によっては、戦略の見直しも迫られかねない。
 一部では、拒否権を認めない「準常任理事国」構想も取りざたされている。だが、外務省は「非常任理事国と大差がない。とんでもない」(幹部)と反発。川口外相は16日、日本記者クラブでの記者会見で「日本は反対だ」と断言した。ハイレベル委員会の流れが決まってからでは遅いためだ。
 政府は「カギを握るのは米国」(関係者)と見るが、その米国の方針も定かではない。結局は川口外相も「状況を見ながら、それに応じてストラテジー(戦略)を変えながら対応するのがベスト」と言うほかない。
◇常任理事国入りをめぐる国連総会での日本代表の主な演説
細川護煕首相(93年)
 安保理の改革問題に関する議論には、わが国としても建設的な立場で参加していく。わが国は改革された国連において、なし得る限りの責任を果たす用意がある。
河野洋平副総理・外相(94年)
 憲法が禁ずる武力の行使はしない。(中略)先に述べた国際貢献についての基本的な考え方の下で、多くの国々の賛同を得て、安保理常任理事国として責任を果たす用意があることを表明する。
橋本龍太郎首相(96年)
 わが国は、憲法が禁ずる武力の行使は行わないという基本的な考え方の下で、多くの国々の賛同を得て、安全保障理事会常任理事国として責任を果たす用意があることを改めて申し述べたい。
高村正彦外相(99年)
 わが国は、安保理常任理事国として一層の責任を果たしたいと考えている。
小泉純一郎首相(02年)
 わが国は、安保理改革に関する議論が10年目を迎える来年に向けて、拡大後の安保理の議席数の問題などに焦点を絞った議論を行うべきであると考え、その実現に向け種々努力していく。
川口順子外相(03年)
 わが国は、安保理改革の実現のために積極的に取り組み、改革された安保理の中で、常任理事国として、かかる責任を一層積極的に果たしたいと考えている。
 
 
 
 
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