日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2003/03/13 朝日新聞朝刊
米国は孤立の愚を知れ 安保理(社説)
 
 イラクに対して軍事力行使を容認する決議案の扱いをめぐり、国連安保理の混迷は深まるばかりだ。
 時がたつにつれてますますはっきりしたのが、米国が単独でも行おうとする戦争に多くの国々が依然深い違和感をもち、そのなかでむしろ孤立する米国の姿である。
 17日を大量破壊兵器廃棄の期限と定めた米英の決議案について、採択の鍵を握る中間派の6カ国が、期限を45日間延長する案を示した。
 査察を続けることで戦争を避けるよう主張する仏ロ独と、査察打ち切りと早期開戦を求める米英との亀裂は深く、仏ロ両国は拒否権の行使も辞さないとしている。
 このままでは、決議なしに米国主導の戦争が始まる。国連の権威は地におちる。それだけは避けたい。6カ国の提案にはそんな祈りにも似た思いが感じられる。
 だが、ブッシュ米政権はこの提案を「検討に値しない」と突き放した。
 イラク国境では米地上軍が侵攻準備を整えている。開戦の先延ばしは軍事的な都合からも認められないということだろう。
 米国と二人三脚を続けてきた英国との間にさえきしみが生じている。英国が6カ国提案に柔軟な姿勢を見せたためだ。
 ブレア英首相はすでに約4万人の兵力をペルシャ湾岸地域に展開させている。
 だが、英国民にも足元の労働党内にも反戦の声が強い。閣内から、もし安保理決議がないまま英軍を攻撃に参加させれば辞任するという声もあがっている。決議の有無は政権の今後を左右しかねない。
 ラムズフェルド米国防長官が英軍の参加なしでも攻撃はできると語り、物議を醸した。英政府の苦境を知らぬげの発言をブレア首相は苦々しい思いで聞いただろう。
 ブッシュ政権内ではもともと単独でもイラク攻撃を決行すべきだという議論が根強かった。ブレア首相の働きかけもあり、昨年9月、ブッシュ大統領自身が安保理で承認を求める方針を表明し、国際社会はその変化に期待した。
 だが、いまの米国を見る限り、期待はむなしかったと言わざるを得ない。
 国連に付き合いはするものの、最終的な判断はだれにも邪魔させない。圧倒的な軍事力がある、だから他国が何を言おうが行動する。その姿勢が世界を戸惑わせる。
 多くの国がイラクのフセイン体制の危険性を認めつつも、戦争に反対する大きな理由がここにある。
 「安保理の外で軍事行動をとれば、国連憲章違反となる」。アナン国連事務総長はそう警告した。国連を無視した戦争は違法行為になるという明確な認定だ。
 同盟国との亀裂を深め、国連でも味方を増やせない状況が米国の国益だろうか。
 ブッシュ大統領は米国に向けられている世界の視線を受け止め、国際社会とともに行動する道をとるべきである。
 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。








サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
85位
(28,844成果物中)

成果物アクセス数
133,999

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2017年5月20日

関連する他の成果物

1.私はこう考える【北朝鮮について】
2.私はこう考える【中国について】
3.私はこう考える【ダム建設について】
4.私はこう考える【死刑廃止について】
5.私はこう考える【公営競技・ギャンブル】
6.私はこう考える【天皇制について】
7.私はこう考える【自衛隊について】
8.私はこう考える【憲法改正について】
9.私はこう考える【教育問題について】
10.私はこう考える【イラク戦争について】
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から