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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1994/11/24 朝日新聞朝刊
国連憲章の旧敵国条項の削除促す決議採択へ 国連委
 
 【ニューヨーク23日=佐藤吉雄】日本、ドイツなど第二次大戦の敗戦国への武力行使などを容認した国連憲章の「旧敵国条項」の削除に向けた初の国連総会決議案が、国連総会第六委員会(法律)で二十三日にも採択されることになった。これを受け、国連の憲章特別委員会が、次期総会に削除の憲章改正を勧告するとみられる。旧敵国条項は実際には死文化しているが、国連創設からほぼ半世紀を経て、初めて削除に向けた動きが具体化した。
 憲章改正特別委に関する案件を一括した決議として委員会で採択され、後日、国連総会で正式に採択される。米国など五常任理事国を含め全会一致となる見通し。当事国ではないポーランドがまず提案し、日本、ドイツなどが共同提案国になった。
 決議案は、前文で旧敵国条項は対象国が加盟国となる中で「時代遅れのものになった」と指摘したうえで、本文では、憲章改正特別委に対し、「敵国条項削除の問題を検討し、次期国連総会にこの問題についての最も適切な法的措置を勧告する」よう要請している。
 特別委は来年二―三月にこの問題を審議し、同九月から始まる第五十回国連総会に取り扱いを勧告する。決議案に「法的措置」と明記されていることから、同条項を削除する憲章改正を勧告するとみられる。
 憲章改正は、国連総会で三分の二の多数が賛成したうえで、五常任理事国を含む加盟国の三分の二の批准が必要だ。国連では現在、やはり憲章改正を必要とする安全保障理事会の改組が検討されており、旧敵国条項の削除は、日本の常任理事国入りなどが論議されている安保理改組と同じタイミングで処理される公算が大きい。
 安保理改組は論議の長期化も予想され、その場合、削除の実現に時間がかかる。実際の憲章改正は早くとも数年先になる見通しだ。
 国連憲章(一九四五年六月調印、同十月発効)は、第五三条で、「旧敵国」に対しては地域的機構などが安保理の許可なしに例外的に武力行使できるとし、第一〇七条では、「旧敵国」との戦争終結の取り決めは国連憲章に優先すると規定している。対象となっているのは日本、ドイツ、イタリア、ルーマニア、ハンガリー、ブルガリア、フィンランド。
 いったん憲章改正に手をつけると、途上国などから様々な要望が出て「パンドラの箱」を開けることになるとの大国の慎重論が幅をきかせ、削除問題は長い間無視されて何の措置も講じられなかった。
○実現へなお時間 外務省分析
 国連憲章「旧敵国条項」削除に向けた決議案が、国連総会第六委員会で二十三日にも採択される見通しになったことについて、日本外務省は「国連創設五十年の来年に向け、国連改革につながる動きだ」として歓迎している。ただ、同条項削除のために必要な国連憲章の改正については、意見の取りまとめが難航しそうな安全保障理事会の改組問題が絡むうえ、国連総会で加盟国の三分の二の賛成が必要なことなど手続き上の問題もあり、実現までにはなお時間がかかるというのが外務省の見方だ。
 旧敵国条項の削除について、日本政府は「時代にそぐわないものであるという認識で国連加盟国のコンセンサスはできている」(外務省首脳)として、早急に削除するよう呼びかけてきており、正面から反対する国はないと見ていた。
 ただ、今回の決議案が第六委員会で採択されたからといって、「条項」の削除がすぐにも実現するとは限らないとの見方も示している。「旧敵国条項を削除するには国連憲章の改正が必要で、その改正には安全保障理事会の改組問題が絡んでくる」(外務省幹部)からだ。
 安保理改組問題では、五つの常任理事国のうち、米国、英国、フランスの三国はこれまでのような慎重姿勢を転換しつつあるが、中国やロシアは積極的ではないとされ、来年の総会までに結論が出るかどうかについて、加盟国の間では悲観的な見方が強い。
 
 
 
 
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