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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1992/10/09 朝日新聞朝刊
事務総長に個性派登場 「一徹」「果断」改革次々と(国連物語:9)
 
 今年7月、ある事務次長補の辞任が、国連に波紋を広げた。ガリ事務総長の強い個性を反映した人事だったからだ。
 ジャンドメニコ・ピコ氏(44)。デクエヤル前事務総長の懐刀で「国連期待の星」と呼ばれた人物だ。
 20代のころ、デクエヤル氏に引き立てられたピコ氏は、前総長に重用され、異例の若さで補佐官に。アフガン紛争からの旧ソ連軍撤退、イラン・イラク戦争の終結。国連がからんだ紛争収拾の節目に活躍した。
 国連内には憶測が渦巻いた。実は辞める直前、ガリ事務総長はピコ氏に、アフガン問題特使のポストを打診したが、これを「左遷」と受け止め辞任したといわれる。もう一つ、ピコ氏は、前総長の肝いりで中東・アジア4カ国に情報収集の事務所を開設していた。これが、中東に情報網をもつガリ事務総長のカンに触った、と国連筋は見る。
 「このへんで違う世界も見たいと思って去った。だが、私は今も国連を愛している」。イタリア大企業フェルツィに転職したピコ氏は先月末、ミラノで朝日新聞に答えた。だが、ガリ体制との折り合いについては「どう解釈するかは勝手」と、本音は語らない。
 今年2月7日、就任間もないガリ氏は12の部局を廃止し、14の幹部ポストを削減して加盟国を驚かせた。国連職員が冗談まじりに「金曜日の大虐殺」と呼ぶほど改革は果断だった。
 「私は聞いていない」。7月24日の安保理でガリ事務総長は、欧州共同体(EC)が自分の頭越しにまとめたボスニア紛争の合意を批判し、安保理決議を撤回させた。激しい抗議に、英国代表ハネー大使は顔色を変えたという。
 「これを受け入れなさい」。8月下旬にロンドンで開かれたユーゴ和平国際会議に参加した外交官は、ガリ氏が当事者の主張に十分耳を傾けず、合意受け入れを強く迫る様子に、はらはらした。気配りを欠かさず、老練な調整手腕を見せたデクエヤル氏とは対照的だ。
 だが、ガリ氏を「一徹だが、決めたことは必ず実行する」と評価する声も多い。激動の時代が要請した新たな型の指導者との見方だ。ある大使はその個性を「主流を歩まなかった政治家の典型」とみる。主流に対する不信と、主流からの孤立を恐れぬ強さを兼ね備えた人物、というのだ。
 「私は何ものも恐れない。5年後、もう1期やるつもりもない」。8月、アラブ紙とのインタビューでガリ事務総長は語った。
 
 
 
 
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