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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1992/10/08 朝日新聞朝刊
分担金滞納で財政、火の車 金払いにも国柄の差(国連物語:8)
 
 9月21日、国連本部周辺の道路は広い範囲にわたって約1時間半、交通規制がしかれた。ブッシュ米大統領が国連総会で演説するためだ。米大統領以外、こんな特別扱いはない。
 不便な目にあったニューヨーク市民や国連職員らはこれをさっそく、「ブッシュロック」と呼んだ。ブッシュ氏が大統領選挙で、米国政治の行き詰まりを民主党のせいにして「グリドロック」(交通渋滞)という表現を使うのを皮肉ったのである。北欧出身の国連職員は「国連の財政こそブッシュロックだ」と言った。
 国連財政はいま、火の車である。分担金やPKO割当金などの滞納は17億ドルにのぼる。つなぎ資金も底をつき、財政担当者はやりくりに四苦八苦している。「1日に100万ドル、500万ドルという請求書が届く。ぞっとします」
 最大の「債務国」が分担率が一番高い米国、次いでロシアなのである。
 しかし、国連は借金取り立て人のいない組織だ。危機感もあまりない。国連憲章には「2年以上滞納した国は総会の投票権を有しない」とあるが、少しでも期限内に支払えば免れる。それどころか、滞納国が財政危機を逆に外交の武器に使い、大きな顔をしているのが国連なのだ。
 国連関係者は、「あの日」のことをはっきりと覚えている。湾岸戦争に先立つ90年11月29日、安保理で「イラクに対する武力容認」決議を採択する席上、ベーカー米国務長官は1億2000万ドルの米財務省の緑色の小切手を振りかざして、デクエヤル事務総長に渡した。財務当局者は議場に受け取りに駆けつけ、ただちに換金した。「当然の義務なのに恩着せがましいやり方はハラが立ったが、苦しい時だからありがたかった」と、関係者は述懐する。
 ロシアだって負けていない。コーズィレフ外相は先月22日の総会演説の最後に、わざわざ事務総長席を振り返り、「ロシアは、経済問題を抱えているにもかかわらず、93年3月までに1億3000万ドルを支払う」と見えを切ったものだ。
 第2の分担国、日本はどうか。「国連の通常予算は2月1日までに支払う決まりだが、日本の財政年度は4月からで、しかもすぐには払わない。だから、気の抜けたビールのようで、ありがたがられない。カネの出し方を工夫すべきだ」と、担当者は言う。
 キチンと期日に払うのは、北欧諸国とカナダ。国連は金払いにも「国柄」を映す場である。
 
 
 
 
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