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1992/10/07 朝日新聞朝刊
「貢献」が発言に重み 北欧、独自の外交力発揮(国連物語:7)
欧州52カ国で構成しいまや「ミニ国連」といわれる全欧安保協力会議(CSCE)の首脳会議が今年7月ヘルシンキで開かれたとき、「準加盟国」に迎えられた日本には会場に代表団の専用控室がなかった。このため事務方は、記者たちが行き来する薄暗いプレス食堂の片隅で文書づくりの作業に追われた。
「仕事がやりにくくて困りましたよ」。日本代表団の1人は不満そうにこぼしたが、北欧代表団の幹部がこうささやくのも聞いた。「(食堂での作業は)確かに日本のような大国にふさわしい光景ではなかった。しかし貢献する前から大きい顔をされても・・・」
国際機構とりわけ国連やCSCEを舞台としたマルチ外交を重視する北欧諸国には、「発言力は積み上げた貢献に比例する」との原則が生きている。日本が存在感を主張したいなら地道な活動から始めてほしい、とこの幹部は「外交の常識」を言外ににじませた。
北欧諸国は国連安保理の5常任理事国(P5)や日独のような大国とひと味違う発言力で、国際機構に独自の地歩を築いてきた。
リー初代国連事務総長はノルウェーの政治家、2代目のハマーショルド事務総長はスウェーデンの外交官から請われて国連に転身した。フィンランドはCSCEの創設に指導的な役割を果たした。冷戦構造のはざまで政治的に無色な北欧の立場が重宝がられたという背景もあるが、伝統的にマルチ外交を重視する北欧の政治風土が、国連などの体質と合ったことも事実だ。
国連平和維持活動(PKO)に積極的に参加し分担金を即時完納することで、北欧諸国は国連での発言力強化を着実に進めた。
ノルウェーなどスカンジナビア3国とデンマーク、アイスランドは国連の分担金を収める「優等生」を続けている。92年度の分担金を期限内に納めたのは、この5カ国を含む15カ国に過ぎない。5カ国の分担金は合計しても国連全体の約3%だが、「義務を尽くすことが貢献の第一歩」と、ノルウェー外務省は言い切る。
ブルントラント・ノルウェー首相も9月21日、国連総会の演説で、ノルウェーがこれまで16回のPKOに延べ3万5000人を派遣したと強調。そのうえで、暗に米国、ロシアを指して、こう批判し、大きな拍手を浴びた。
「安保理の常任理事国の中で分担金を払っていない国があるとすれば、常任理事国としての資格が問われなければならない」
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