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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1992/10/04 朝日新聞朝刊
輝かしい歴史も今は昔、落ち目の非同盟(国連物語:4)
 
 国連総会開幕を控えた9月14日昼、国連ビルにほど近いインドネシア料理店ヌサンタラで、新しいインドネシア国連大使、ヌグロホ・ウイスヌルムルティ氏の披露パーティーが開かれた。招かれたのは各国の主要な新聞、通信社の国連担当記者ら約30人である。
 2台のテレビが、9月初め、ジャカルタで開かれた第10回非同盟諸国首脳会議のビデオを映し出す。ホスト役のスハルト・インドネシア大統領、ガリ国連事務総長らの顔――。
 そして、画面は、突然白黒に変わり、非同盟諸国結集の発祥となった1955年のバンドン会議の光景に移った。エジプトのナセル首相、インドのネール首相、中国の周恩来首相、インドネシアのスカルノ大統領――。居合わせた者には、そうそうたる顔ぶれがそろった昔の輝かしさだけが際立った。
 国連で、非同盟諸国の影は薄い。故ナセル氏と同じエジプト出身のガリ氏はジャカルタでの演説で、国連と非同盟諸国との連携を強調し、「非同盟会議の団結の強化を。発言力の強化を。まず、国家の主権尊重だ」と述べた。
 しかし、ガリ氏自身、6月に発表した国連改革案「平和への課題」では、「絶対的、独占的な国家主権の時代は終わった」と言い切った。それを、評価する非同盟諸国もある。なにより、会議の前議長国旧ユーゴスラビアは紛争の最中で、その対応で非同盟諸国の意見は割れている。最近の国連で非同盟諸国の姿がかすかに見えたのは、8月下旬、イスラム諸国の音頭取りで総会が開かれ、ボスニア紛争で安保理に武力行使を含む措置を促す決議を採択したことぐらいだ。
 パーティーで大使は「非同盟を再活性化しなければならない。我々の動きに関心を。大統領の演説にも注目を」と訴えた。
 9月24日、スハルト大統領が総会の演説に立った。日ごろの演説と異なり、主語は「私」ではなく、「我々」だった。
 「インドネシア人の代表だけでなく、国連加盟国の3分の2を占める108カ国の非同盟をも代表して演説する。この歴史的な転換点で、我々は決して傍観者やわき役に甘んじない」
 「安保理は、たとえ拒否権がなくても常任理事国を増やすべきだ」
 演説の途中、傍聴席から女性が「(インドネシアが併合した)東ティモール解放」と叫び、守衛に引っ張り出された。
 翌日、ニューヨーク・タイムズは、この演説を1行も伝えなかった。
 
 
 
 
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