雅子さまの懐妊が正式発表された。これからは無事な出産と、赤ちゃんが男の子かどうかという点にいや応なく関心が集まりそうだ。一方で、女性の天皇を認める法改正をすべきではないかという論議も活発化の兆しをみせている。皇室では、皇位継承第2位の秋篠宮さま(35)以降、男子皇族が誕生していないからだ。
皇室の基本法である皇室典範は、天皇位を継ぐ資格者を男親の方の血筋である男系の男子皇族に限っている。紀宮さま(32)以来、天皇家、宮家には8人の女児誕生が続いており、「女性天皇を可能にするよう皇室典範を改正すべきだ」との論議も出ていた。雅子さまの懐妊をきっかけに、与野党の一部に典範改正の検討に着手する動きも出ている。
帝国憲法下の旧皇室典範が1889年(明治22年)に制定された時から「女性天皇を認めるべきではないか」との論議はあった。しかし、敗戦後の日本国憲法下の改正典範にも男系男子に限る第1条は引き継がれた。
理由としては(1)過去の歴史の上では、8人(2人は2度即位)の女性天皇があったが、いずれも男系男子の後継者が成長するまでの中継ぎなどの例外的なケース(2)引き継ぐべき男系男子がいない状態で男系女子が即位しても、その皇子は女系となり、これまでの男系「皇統」が途絶えることに変わりはない――などが挙げられていた。
第1に、現存の男子継承資格者との順位づけをどうするのか。男女平等に順位をつけるのか、あるいは男子優先を残して天皇家、各宮家に男子がいない場合にのみ女子を認めるのか。第2に、皇族の範囲をどうするのか。男女平等の扱いなら、結婚した女子も新宮家を起こすことになり、皇族が大幅に増えていく可能性が強い――などだ。
こうした難問を整理するには、皇室の基本法の全面的な改正にならざるをえない。一貫して続いてきた「男系尊重の伝統」をどう理解し、どう判断するかの論議は避けられないし、天皇制そのものの論議も浮上してきそうだ。
元宮内庁幹部は「お子さま誕生の可能性が生まれつつある時に、騒がしい環境を作り出すのはいかがなものか。機が熟し、党派を超えて腰をすえた冷静な議論を経て、国民的コンセンサスの得られる条件がそろわないと」と慎重だ。
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