日本財団 図書館


 じゃあ「心の病気をした人達はどんなことで辛いの」って言うことを話したいと思うんですけれど。
 その辛さが分からないとみなさんどんなことで応援して良いか分からないですよね。
 一つはさっきから言いましたように、「人生の途中で病気になるという事」の辛さです。産まれながらにして障害を持って産まれたと言う訳ではないんですね。ある時期までは普通に暮らしてきたんです。ですから、その人にとっては栄光の時代っていうのがあるんです。家族の方達も言います。「家の子はとってもよく勉強ができたんです」とかね、「家の子は有名大学に入れたんです」とか、「家の子はとってもいい会社に入ってたんですよ」とかね、あるいは「とっても良い所にお嫁にいっていたんです」とかね。
 そんな過去の栄光の時代があって色々な人生の途中でストレスが加わってしまったりね、あるいは環境が変化したのがきっかけになって病気になる訳ですから、なかなか、本人も自分が病気になったということを認めることができない。
 ましては家族の方も周囲の方もなかなかそのことを認めることができないという事が一つの大きな辛さです。
 そして二番目の辛さなんですけれどね、なかなか「見た目で分かってもらえない」っていう事なんですね。本人は出来るだけなんともないように、あんまり辛くないように、あるいは変わって見えないように、一生懸命ポーズを取っています。だから、だから尚更なんですが他の人からはとっても見えにくいんですね。「何が辛いのか」ってことがね。
 それはね、真貴子さんとよく話しをしているんですがね、ヘルパーさんが来てくれた時に「何故洗濯をしたのに洗濯物を干せないのか」「何故洗濯したシーツをベッドの上に掛けれないのか」その事が分かってもらえるだろうかってね。
 「出来そうなんだけれども出来ない辛さをわかって貰えるだろうか」って彼女はいつもそういう事を心配しているんですけれども。
 非常にこう疲れやすかったりね、それから非常に体が重かったりとかね。
 あるいはそんなに集中力が続かなかったりという事もありまして。
 見た感じはね、自分でご飯を食べたり、自分でトイレに行けたり自分で着替えたり、出来るのに何故?ってみなさんは思ってしまうかも分からないんですけれども、その見た目で表現出来ない辛さがある事が二つ目なんですね。
 それから三つ目なんですが、三つ目は「薬を飲まないとどうしても再発してしまう」という事があります。「統合失調性」とかね、そういう病気になった時に薬を飲まないとどうしても世界中の研究結果でも一年以内に約八十%は再発します。で、その事をみなさんによく知ってもらわないといけないんですけれど。
 例えばね、健康補助剤を飲むと良いよとかロイヤルゼリーを飲むと治るよとかね、色々あるんですけれど、そういう物ではなくって、脳という臓器の神経伝達物資のバランスが崩れてしまう病気ですから、それは医学的に対応しなければいけないんですね。
 ですからその人が再発しない為のキープ薬って言うんですけれども、その薬を飲んで貰わなくってはいけないんですが、医学も進歩してみなさんも非常に色々な事を勉強するようになっているんですが、なかなか分かって貰え難い所で、私のところに相談にいらっしゃる方もこんな薬を飲んではいけないと思って飲まなかったという事で再発してしまった例がとっても多いです。
 あるいは生年月日を持ってすごく有名な神主さんの所に行ってお払いをしてもらってね、沢山の御布施を包んで行ったら薬は飲んではいけないと言われたから飲まなかったと、そしたら非常に病気が悪化してしまったとかね。
 こんな時代に。ですからね、医学の中でやっぱり病気の治療にはその治療に効く為の薬も飲まなくてはいけないという事も覚えておいて欲しいんですが、当事者にとってみると、今度は薬を飲み続けるということは大変な根気がいる事なんですね。しかも多少の副作用で喉が渇いてしまったりとかね、あるいは体がちょっと重くなったりとか、出てきますね。個体差が有りますけれども。
 その事によって薬を飲まない方が軽くなるんじゃないかなって思ってね、飲まなかったりすると再発してしまいます。
 ですからね、みなさんが良かれと思って「そんな薬飲まない方が良いよ」とかって言うことは、その薬を飲まなければいけない本人をとっても苦しめる事になりますんでね、それは止めて頂きたいなっていう風に思っています。
 それから四つ目なんですけどね、この病気をしますとね、非常に「ストレスに対して脆く(もろく)なります。」どうしてもね。
 例えばアルバイト先を見つけて、これからアルバイトに行くんだ、と言ったとしますね。本人はね、薬を飲んだり病気をしていますから、少し集中力や作業能率が低下しているんですけれども、なかなか一回教えてもらっても覚えきれない事があります。だから職場で注意されたりしますね。
 例えば牛乳のラベルをスーパーなんかで、「こう貼ってって下さいね」とか「押してって下さいね」とか言われてそれが覚えきれなかった時に注意されたりしますね。そうすると、その仕事のその部分を注意されたんだけれども、自分の全人格を注意されてしまったみたいに感じてしまうとね、職場にはもう行かれないとかって、非常に大きなストレスとして本人が受け止めてしまうっていう事がありますので、どうもそのその辺りがね、とても辛いのでその話をちゃんと聞いてくれて解決をしてもらえる「サポーターを持つこと」が必要になると思うんですね。
 それからね、私はよく悪循環と呼んでるんですけれども、この病気は単なる病気と言う物なんですよ。病気の中の一つです。
 心臓の病気とか胃腸の病気とかと同じ病気の中の一つなんですけれども。この病気の事があまりにもまだ理解されていなかったり、あるいは社会的な偏見があったりするものですから、病気であると言う事を隠そうとしてしまうんですね。
 勿論、本人もそうだし、周りの人達もそうです。
 家の子今風邪ひいちゃってるのよ、って言う風には簡単になかなか言えない訳ですよね。
 ですから、隠そうとする事によって本人は自分は大変な病気をしてしまったんだって思いに囚われてしまって、こんな大変な病気をしてしまって「そして隠さなければいけない自分は堂々と外に出て行ってはいけないんだ」っていうふうに自分自身を追い詰めてしまいますので、なかなか外に出て行くことが辛くなってしまうんですね。
 外に出て行っても周りの人達が自分のことを噂をしているような気持ちになったり、自分がすごく責められているような気持ちになってしまって、電車に乗ってもね、とても怖くて電車に乗ってはいられないとか、そういう二次的な反応が出てしまうんですね。
 本人にとっては新たな緊張になってしまって、非常にこう、病気であるという塊はこの位のものなんですけれども、私が本人に出会ったときは、すごい大きな塊になってね、出会うことになるんですね。
 ですから、どっからほぐしていったら良いのかなっていうような感じで、よく出会って、そしてそこから少しずつ少しずつこう本人が楽になるような事をやって行くんですけれども。
 そういう辛さを抱えながらいるという事なんですね。
 勿論、身体的にも障害を持った人達も勿論辛いですけれども、でも見た感じとして分かりやすい。
 あの人は足が悪いんだなとかね、そういうことが分かりやすいという事でわりとキチッとね、どうしてあげたら良いかっていう私達のサポートの仕方が分かるんですけれども、心の病気をした人達っていうのはそういう意味で分かり難いですから、「どんなことを私達がしたら、あるいはどんな風に付き合ったら良いんだろう」と言うことが中々見え難いという事がこの病気をした人達の辛さだと思って頂きたいって思うんですね。
 
 
【講演会のスタッフ感想】<良かったこと>
 
■軽い気持ちでお手伝いに行ったので、皆様(スタッフの方)準備大変だったと思います。もっと力になれれば良かったのですが・・・。おつかれ様でした。タイムスケジュールと各役割が細かく示されていたこと。
■たくさんの展示物について1つ1つ丁寧に言葉が添えてあったり、全体にかざられた花など、あたたかい雰囲気がいっぱいでした。松浦さんをおむかえするためのたくさんの人の想いがあったと思います。
■とてもやさしい雰囲気だった。お茶はグッドアイデア。松浦さんの人柄もあるのか、講演会もわかりやすく、具体的で、たとえば自分をきらっていると感じている人に話しかける方法を実践されたことなど、とても楽しい会でした。当事者の方がいらしたのは、そして話されたのは良かったし、きいている当事者も励みになったと思う。
■講演会には来れなかったけど、準備段階では結構大変なんだなーと思う。今日は、エビのフリッターが一番美味しかった。また、こんな風にみんなと食べたい。昼食サービスの時は、誰か良く分からないけど、こんな場所で改めて顔を合わせてよかった。
■場の作り方があんな風に“ふわ〜と”出来たのが長かった。お花をカーテン地で包んだりテーブルの並べ方が良かった。
■受付けを講演が始まったら中へ移動といっていたが、お金の音がするとよくないので移動しなかった。
■人がいっぱい来たのが良かった。
■良い話が聞けてよかった。
■私の思っていた通りの会場の出来上がりになっていて感動。質のいい劇場という感じでした。イスの並び方がすごく良かった。お客さんも沢山来てくれて良かった。
■帰りにお茶をお土産にもらったこと。
■結局私は何もせず終わりました。(駐車場で数台の車誘導)&(講演後の片付け)お花をところどころにかざって、温かさを演出されていたのはステキでした。
■臨機応変とまではいかなかったけど、その場に応じてお手伝いが半分ぐらいはできたと思います。
■初めてのところで、誰も座っていない所の一番前に座っていて、後で後ろを振り返ってこんなに沢山来ていたのにびっくりした。送り迎えをしてもらってよかった。後片付けしなくて申し訳なかった。
■何も分からずに参加したのですが、皆さん、積極的に自分からいろいろ見つけて行動してあったのには感心しました。
 
<当日のアンケートのその他の報告>
 
■今後カモンミール倶楽部の活動、または、メンタル関連に関わって行きたいと思われますか?
(180人参加。アンケート回収107枚)
 
はい →23人
いいえ →9人
わからない →32人
記入なし →42人
その他 →1人
 
■今後このような案内を希望されますか?
 
はい →47人
いいえ →6人
わからない →14人
記入なし →33人
その他 →7人
 
【講演会のスタッフ感想】<大変だったこと>
 
■チラシの枚数を分けて発送が大変だった。
■当日、迎えに行く人が都合が悪くなったり、予定通りにスタッフが到着しなかったりでこの時点から当初の予定が狂い始めたようで大変だった。
■当日の朝起きるのがきつかった。私はすごーく大変だった。当日、行った時、機械のことを知っている人が自分ひとりだったこと・会場の設備のことに気を使いながらイスとかの準備とか・・・朝起きたら早くいかなんと思った。テープの録音とか最後まで残って心配だった。
■駐車場係りだったから大変だった。待ち時間に携帯でゲームをしていた。駐車場は、2人でやらせて欲しかった。初めてだったのでどういれてよいか分からなかったので大変だった。外の駐車場だったので暑かった。魚釣りで鍛えていたから大丈夫だったかなー。
■準備段階で感じたことは、もう少し会の中で話し合っておくべきで、準備会の中で、紅茶の会との役割(経済的にも含めて)の質問等がでるのは疑問に思った。少なくとも準備会にでる会員位は、(5〜6名?)しっかり方針を話し合ってほしかった。他の支援グループ又は10人から出る質問に答え、又は助言によっ??する位の準備会にしておければ、あんなに時間をかけなくてすんだのではないでしょうか。
■受付が3つもあったので、来場した方は少しまよった様子。
■時間的な事でどの程度の人数が必要なのか、もう少し詰めて、一人一人の仕事の??をもう少し増やしても良いのでは?
■照明が明るい方が良かった。
■テープの片面が75分で、講演会が何分等テープに関しての細かい指示がもっと欲しかった。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION