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5-2-2 不定期航路事業での活用計画の検討
(1)不定期航路事業計画の概要イメージ
 
□木造船の不定期航路事業の実施計画にあたっては、中部国際空港の開港をふまえ、中部国際空港〜常滑〜篠島〜蒲郡〜神社『海の駅』を結ぶ、海上アクセス(海上タクシー)ルート構想との連携を前提として計画する。
□すなわち、中部国際空港から伊勢市(宇治山田港:神社)へ、海上アクセスにより来訪する人をメインの利用者と想定するとともに、広く市民による活用をはかっていく。
□このうえで、これら利用者の神社から河崎方面等へのアクセス方法として不定期航路事業の計画を構想する。
□このため、不定期航路事業の起終点としては、神社『海の駅』(平成16年8月係留施設完成予定)が想定される。
□また、経由ポイントとしては、河崎『川の駅』(平成15年7月開設)、二軒茶屋『川の駅』(平成16年3月完成予定)、および大湊ゴーリキマリンビレッジ『海の駅』(民間マリーナ活用)が検討される。
□木造船不定期航路事業での運航ルートイメージは、下図のとおりである。
□なお、本年度の検討では、旅客定員12名以下での不定期航路事業の実施を前提として検討をすすめているが、イベント活用時における旅客定員の変更届けなどの問題から、平成16年度において旅客定員13名以上での事業申請の可能性についてもさらに検討をすすめる。
 
図 木造船不定期航路事業運航ルートイメージ
 
(2)不定期航路事業実施時期の想定
 
□不定期航路事業の実施時期としては、以下想定する。
□冬期の12月〜2月の3ヶ月間は、気候的な問題から運航をおこなわず、運航期間を3月〜11月の年間9ヶ月間とする。
□先述した、伊勢市でのイベント活用時(年間11日)は、不定期航路事業としての活用はおこなわない。
□小中学校での学習利用や市民を中心とした生涯学習での活用の際には、不定期航路事業としての活用はおこなわない。
□なお、木造船のドック入りは、12月〜2月の3ヶ月のうち適宜おこなうものとする。
 
(3)不定期航路事業での運航航路の検討
(1)運航航路の想定
 
□平成18年度の事業開始予定時において、想定される不定期航路での運航航路としては、係留ポイントの完成予定から、以下の3ルートが想定される。
□なお、いずれのルートにおいても起終点は、事業実施主体となることが想定されるNPO法人神社みなとまち再生グループの事務所が設置される、神社『海の駅』とする。
 
ルート1:神社『海の駅』⇒(二軒茶屋『川の駅』)⇒河崎『川の駅』⇒神社『海の駅』
ルート2:神社『海の駅』⇒大湊『海の駅』⇒神社『海の駅』
ルート3:神社『海の駅』⇒河崎『川の駅』⇒大湊『海の駅』⇒神社『海の駅』
 
□ルート1の設定は、中部国際空港からの海上アクセスによる来訪者に対して、河崎『川の駅』までの、アクセスの確保を重点においたルートとなり、海上から伊勢市の内陸部へのアクセスの中継ルートとしての位置づけとなる。
□ルート2の設定は、神社から河口部の大湊へのアクセスであり、マリンレジャー対応型のルートとしての位置づけとなる。
□ルート3の設定は、木造船で巡ることが可能なポイントを網羅するものであり、より木造船での楽しみを中心に据えたルート設定となっており、来訪者をメインの利用者として想定するよりも市民レジャーの対応型、遊覧船としての活用を重視したルート設定となっている。
 
(2)各運航航路ごとに想定される営業距離及び所要運航時間の設定
 
□(1)の想定運航航路ごとに想定される営業距離と所要運航時間は、下表のとおりである。
□なお、不定期航路事業での木造船の巡航速度は、後述する木造船の構造および本年度実施した木造船運航社会実験の経験から、4ノットと想定している。
[ルート1]
□ルート1での合計営業距離は約7.4km、所要運航時間は約60分である。
[ルート2]
□ルート2での合計営業距離は約5.0km、所要運航時間は約40分である。
[ルート3]
□ルート3での合計営業距離は約12.4km、所要運航時間は約100分である。
 
表 各運航ルートの営業距離と想定所要運航時間
  運航ルート 営業距離 所要時間
ルート1 神社『海の駅』⇒二軒茶屋『川の駅』 約2.5km 約20分
二軒茶屋『川の駅』⇒河崎『川の駅』 約1.2km 約10分
河崎『川の駅』⇒神社『川の駅』 約3.7km 約30分
合計 約7.4km 約60分
ルート2 神社『海の駅』⇒大湊『海の駅』 約2.5km 約20分
大湊『海の駅』⇒神社『海の駅』 約2.5km 約20分
合計 約5.0km 約40分
ルート3 神社『海の駅』⇒河崎『川の駅』 約3.7km 約30分
河崎『川の駅』⇒大湊『海の駅』 約6.2km 約50分
大湊『海の駅』⇒神社『海の駅』 約2.5km 約20分
合計 約12.4km 約100分
 
(4)起終点となる神社『海の駅』の施設概要
 
□木造船の管理・運営主体となることが予定されている、『NPO法人神社みなとまち再生グループ』の事務所が設置され、不定期航路事業実施の際にも起終点となる、神杜『海の駅』は、先述したように平成16年8月に係留施設が完成予定である。
□係留施設の設置場所としては、下図で示したとおり公共ふ頭の北側に「浮き桟橋」を整備する構想となっている。
□また、利用者等の待合い場所等としての機能を有する神社『海の駅』駅舎は、当該係留施設の道路を挟んで向かい側に設置される予定である。
□同時に、駅舎横には駐車場の整備が想定されている。
□公共ふ頭を挟んだ反対側には、『みなとまち館』の整備が構想されており、この一郭に『NPO法人みなとまち再生グループ』の事務所が設置される予定である。
□また、『海の駅』駅舎と『みなとまち館』の間には、昔の旅館を再生し『体験宿泊施設』が整備される構想となっている。
□各施設の配置と乗船時等における移動、誘導経路は下図のとおりである。
 
図 神社『海の駅』の施設配置と移動、誘導経路の概要
(拡大画面:66KB)







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