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II-4-2. 文献調査票
被害・影響関係 54
題名 Preliminary survey of toxicity of the green alga Caulerpa taxifolia introduced into the Mediterranean.
著者名 LEMEE R., PESANDO D., DURAND-CLEMENT M., DUBREUIL A., MEINESZ A. GUERRIERO A., PIETRA F.
誌名  
1993 巻・号・ページ 5:485-493
キーワード イチイヅタ・テルペン類、毒性テスト、マウス、繊維芽細胞、ウニの卵
要約  イチイヅタは1984年、地中海に事故的に移入されたが、この種が熱帯の海域で地中海で見られるような規模で生育することが、記載されたことは決してなかった。イワヅタ類は、捕食から逃れるために毒性の高い二次代謝産物を含有していることがよく知られている。
 ここでは、地中海に生育しているイチイヅタからの抽出率と抽出された二次代謝産物の毒性について初めて報告する。毒性は3つのモデル:ネズミ(死亡率)、哺乳類の細胞(細胞毒性)、ウニの卵(卵割障害)によって推測された。イチイヅタの水抽出は、繊維芽細胞とネズミだけに毒性が見られた。3つの生物モデルの季節変化は、メタノール抽出で行った。エポコーレルペニンは、ネズミと繊維芽細胞にもっとも強い毒性を示し、タキシフォリアルAとDには、ぜんぜん毒性を示さないか、ほんとに少しの毒性だけを示した。イチイヅタの主要代謝物であるコーレルペニンは、ウニの卵に非常に強い毒性を示した。コーレルペニンは、微生物と動物の卵の卵割に生態的な影響を与えるだろう。
 
コーレルペニン濃度が、ウニ受精卵の分割に及ぼす影響
その他 イチイヅタの全画抽出による初めての毒性実験
 
被害・影響関係 61
題名 Spread of the introduced tropical green alga Caulerpa taxifolia in northern Mediterranean waters.
著者名 MEINESZ A., de VAUGELAS J., HESSE B., MARI X.
誌名 Journal of Applied Phycology
1993 巻・号・ページ 5:141-147
キーワード イチイヅタ、移入種、地中海、ポシドニア・オセアニカ(地中海の海草)
要約
Fig. 1. Northern section of the western Mediterranean with location of Caulerpa taxifolia sites. Stars indicate the confirmed presence of C. taxifolia as at November 1992. Black dots indicate stations Partially or totally eradicated in 1992. Reference of sectors and date of first observation: see Tables 1 and 2. Depths in meters.
 
 モナコ海洋水族館の熱帯水槽に展示してあったイチイヅタが、モナコの岩場で発見された。その後、5年だけで非常に多くのイチイヅタが、最初の発見地点の周りに見つかった。1987年、初めてモナコから東に3km地点にあるマルタン岬のフランス沿岸で見つけられた。1991年、モナコはすでに30ha覆い尽くされた。また、モナコから東に240km離れたイタリアのリボルノや、西に50kmから370km離れたアゲイ、ラバンドゥ、イエール、ツーロン、レレック、サンシープリアンまで拡大した。1992年には、モナコから600km離れたスペインのバレアー諸島のマジョルカ島でも発見された。モナコからマルタン岬にかけて生育していた他の海藻や海草達は、完璧に減るか、破壊された。これは、イチイヅタの進入によるものである。
その他 地中海に移入したイチイヅタの生育分布を最初に示した論文である。







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