現行の死刑制度について廃止を含め何らかの見直しをすべきだという議員が、「現状のままでいい」とする議員をわずかだが上回った――。朝日新聞社が全衆院議員を対象に実施した面接調査で、最近、存廃論議が高まっている死刑制度について意見を聞いたところ、そんな結果が出た。「見直し派」は社会、公明、共産各党に多く、「存続派」は自民、新生、民社党の議員が大半を占める。
総理府が五年前に行った世論調査では、三人に二人が死刑存続の意見をもっていた。時期に加え、質問方式も異なるが、国会議員の間では一般国民以上に、死刑制度に対する疑義が広がっているようだ。
全体の回答状況はグラフの通り。条件をつけずに「死刑廃止」を主張した議員は四十人(八・四%)。「仮釈放を認めない終身刑などを創設して死刑は廃止する」が九十三人(一九・六%)、「執行を停止し、議論を深める」が九十一人(一九・二%)と、何らかの形で現行制度の見直しを求める声が目立った。「現状のまま」としたのは百九十一人(四〇・二%)で、内訳は自民党百十五人、新生党三十二人などだった。
現状維持派の多くが「犯罪の抑止効果がある」「被害者や遺族の感情を無視できない」の二つを理由にしているのに対し、見直し派は「記者時代に(死刑囚が再審で無罪になった)島田事件を取材した」という高木陽介氏(公明)をはじめ「誤判の恐れ」をあげる議員が多かった。
このほか「見直し派」には、「重罪者といえども国家が生命を奪うことにはためらいがある」といった声や、死刑制度があることを理由にスウェーデンが日本への犯罪人引き渡しを拒否する事件が起きたことを踏まえ、「本来は存置論者だったが、これからは世界の趨勢(すうせい)も考えなくては」(北橋健治氏=民社)などと、国際的な潮流を気にする声もあった。
「その他・わからない」などは六十人(一二・六%)。「基本的には廃止の方向」としながらも、「見通しが立たない」「機が熟していない」などと話す議員が少なくない。三塚博氏や加藤紘一氏ら自民党の閣僚経験者は「本当に難しい問題だ」「自分としての結論がまだ出ていない」と回答。若手の伊藤達也氏(日本新)も「学生時代から考えてきたがまだ答えが出せない」と答えるなど、党派や年代を超えて、この問題が持つ難しさをうかがわせる。
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