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海上安全指導員の指導すべき事項
 海上安全指導員は、自主的にまたは海上保安官の援助を受け、プレジャーボート等の航行によって発生する事故を防止し、海上における安全確保を図るため、プレジャーボート等の乗員に対して次の事項を積極的に指導すること。
 
1 海水浴者、漁船等への接近の禁止
(1)プレジャーボート等の操縦者は、原則として遊泳中の者、作業中の者、魚ろう中の漁船、もしくは漁具等から200メートル以内、水産動植物の養殖施設、または魚ろう中の定置網から100メートル以内の区域に入り、プレジャーボート等を操縦してはならない。
(船舶職員及び小型船舶操縦者法遵守事項)
(三重県条例、愛知県条例第8条、岐阜県条例第9条)
(2)海上交通安全法、港則法により定められた航路及び一般船舶の航路筋においては遊走しないこと。航路内を航行する場合は、右側通行、スピード制限等の交通ルールを守ること。
(3)工事、作業が行われている海域には入らないこと。
参照:・・・航行・停泊に関する制限(運航・停泊禁止)について)
 
2 酒酔い等による操縦禁止
 酒に酔っている場合、または薬物の影響により正常な操縦ができない恐れがある場合は、操縦してはならない。(三重県条例)
(船舶職員及び小型船舶操縦者法遵守事項)
 
3 出入港届
 出港前、入港後に、プレジャーボートの操縦者は、出入港届に次の内容を記載し、マリーナ等に届けること。
◎出港届
(1)出港日時及び入港予定日時
(2)乗船者の氏名、住所、連絡先
(3)航行目的
(4)予定コース
(5)その他必要な事項
◎入港届
(1)入港日時
(2)航行中に発生した事項
(3)その他必要な事項
 (出入港届用紙は、(社)中部小型船安全協会で作成し、希望によりマリーナ等に配布しています。)
 
4 無謀運航の禁止
(1)天気予報等により、荒天が予想される場合には、出航または航行をとり止めること。
(2)プレジャーボート等の操縦者は、航行中交通ルールを守るとともに、他船の動きに留意し、迷惑を及ぼすような航行をしないこと。
(3)プレジャーボート等の操縦者は、出港前に船体、機関、救命設備、消化設備、排水用具等必要な用具について点検し、その整備が完全であることを確認すること。
(4)定員は絶対に超過しないこと。
(5)無資格者による運航はしないこと。
(6)航行区域を超えて運航しないこと。
(7)速力は、常に危険をさけられる程度の安全な速力とすること。
 
5 救命胴衣の着用等
 救命設備等の法定備品は、適切に使用しなければならない。
(1)救命胴衣は必ず着用すること。
(2)救命浮環は直ちに使用できる状態にして置くこと。
(船舶職員及び小型船舶操縦者法遵守事項)
 
6 海洋汚染の防止
 3海里未満の海域では全てのゴミの排出が禁止されていること。
 
 船舶安全法は、船体、機関、諸設備などの面から船舶の安全を図るもので、船舶の検査や航行区域、最大とう載人員などを定めています。
 なお、モーターボートや遊漁船など総トン数20トン未満の小型船舶については、日本小型船舶検査機構が小型船舶安全規則に基づき検査を実施します。
 
(1)船舶の検査
 船舶はその安全性を保つため、この法律の基準に基づく検査を受けなければなりません。
 船舶所有者は検査に合格していない船舶を航行させてはなりません。
(1)検査の種類
ア. 定期検査:はじめて船舶を航行させるとき、又は船舶検査証書の有効期間が満了したときに行う検査
イ. 中間検査:定期検査と定期検査の中間に行う簡易な検査
ウ. その他臨時検査、特別検査等
 
●一般の小型船舶(旅客船以外)
 
 
(2)検査に関する証書類
 検査に合格した船舶には次の証書書類が交付されます。
ア. 船舶検査証書:定期検査に合格した船舶に対して、航行区域(漁船は従業制限)、最大とう載人員、有効期間等を定めて交付されます。
 有効期間は、定期検査の周期と同じで6年である(小型船舶のうち旅客船については5年)
 
イ. 船舶検査済票:定期検査に合格した小型船舶に限って交付され有効期間は船舶検査証書と同じである(中間検査の場合は中間検査済票)
 
 
ウ. 船舶検査手帳:最初の定期検査に合格したときに、船舶の検査に関する事項(次の検査の時期の指定、検査の記録)を記載するために交付される。
 
(3)証書類の取扱い上の注意
ア. 船舶検査証書、船舶検査手帳を船内に備え付けておかなければならない。
イ. 船舶検査済票を両船側の外から見やすい場所にはりつけておかなければならない。
 
(2)航行区域
 船舶は、その大きさ、構造、設備などに応じて航行する区域が定められています。
 航行区域には平水区域、沿海区域、近海区域、遠洋区域の4種類があります。湖、川は平水区域に入ります。
 
(3)最大とう載人員
 最大とう載人員とは、船舶の安全性を確保するために、載せることのできる最大限度の人員(定員)を定めたもので、定期検査の結果定められます。船舶は、最大とう載人員をこえて人員を乗船させてはなりません。







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