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V 地方税制
[1 税収規模]
 
・地方税収は3,350億クローネ(4兆3,550億円)(2000年、1クローネ=13円、社会保険料除く)
(参考)国税4,709億クローネ(6兆1,220億円)
・県・市町村ともに税目は、地方所得税のみ課税(100%)
 
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出典:「Revenue Statistics /OECD」
 
[2 課税権]
 
・地方自治体の課税権は、憲法(「統治組織法」(regeringsformen))において保障。
→地方自治体は、個別の法律で制定されたいくつかの制限(付加価値税及びその他の間接税の課税ができない)を除けば、独自に税目を創設することが可能。
→かつて、条例により犬税(飼い主に課税)等雑多な税目がいくつか課税されていたが、税収の割にコストがかかるなどの理由から、各地方議会で順次廃止された。
 
[3 地方所得税の概要]
 
 県・市町村とも税目としては、地方所得税のみを課税。税収に占める割合は100%である。
 
(1)課税標準
・個人の勤労所得のみ(国税:二元的所得税(利子・配当等の資本所得と勤労所得)を採用)
・課税標準の範囲は、国税所得税と共通(国の法律で規定)。
 
[○統治組織法(regeringsformen)
「地方自治体は、自らの事務遂行のために税を課すことができる」(第1章7条)
「(国が)地方税制を変更する場合は、法により規定する必要がある」(第8章5条)]
 
(2)諸控除
・人的控除は基礎控除のみ。基礎控除は勤労所得の収入金額に応じて変動(一定額(16,400kr)から収入金額の増加に応じて控除額が逓増・最大控除額(25,900kr〉の後、再び逓増して−定額(11,400kr)へ)。その他社会保険料控除(本人負担分)等あり。
 
(3)税率
・累進課税は採用されておらず、全ての所得階層で一定の税率が適用。
・地方議会で任意に設定可能。法定の標準税率・制限税率は存在しない。
 
(4)徴税等
・所得の把握、徴税とも、国の機関である地域税務局が実施。
 
ア 税率格差
 地方自治体には、均衡予算が義務づけられており、また、決算ベースで結果的に生じた赤字については、貸借対照表上の剰余金により補填するが、この取り崩し分は、翌2年度以内に回復することも義務づけられている。
 これらの収支は税率で調整されることから、それぞれの自治体ごとに、毎期、独自に税率を設定することとなり、自治体間の税率格差は恒常的に発生する。
(参考)県:最高10.71%、最低9.39%、市町村:最高23.57%、17.28%(2002年度)
 
イ 国税所得税との関係
 国税と地方税とで、所得税の機能分担を明確化。
 
 
○スウェーデン所得税 勤労所得の適用税率(1999)
課税所得額
(クローネ)
国税適用税率 地方税適用税率
(全国平均)
合計
219,300未満 0% 31.65% 31.65%
219,300〜360,000 20% 31.65% 51.65%
360,000超 25% 31.65% 56.65%
(参考)資産所得課税 30% - 30%
(資料)「スウェーデン及びフランスの地方税を中心とした税制の現状について/全国地方税務協議会」







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