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東京財団研究報告書2004-4 我が国の外周離島(外周領域)保全のあり方

 事業名 相互交流による国際ネットワークの形成及び政策課題研究等
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


 東京財団研究推進部は、社会、経済、政治、国際関係等の分野における国や社会の根本に係る諸課題について問題の本質に迫り、その解決のための方策を提示するために研究プロジェクトを実施しています。
 
 「東京財団研究報告書」は、そうした研究活動の成果をとりまとめ周知・広報(ディセミネート)することにより、広く国民や政策担当者に問いかけ、政策論議を喚起して、日本の政策研究の深化・発展に寄与するために発表するものです。
 
 本報告書は、「我が国の外周離島(外周領域)保全のあり方」プロジェクト(2003年7月〜2004年1月)の研究成果をまとめたものです。ただし、報告書の内容や意見は、すべて執筆者個人に属し、東京財団の公式見解を示すものではありません。報告書に対するご意見・ご質問は、執筆者までお寄せください。
 
2004年6月
東京財団 研究推進部
 
序文
■研究目的
 わが国は、1996年7月20日に批准した国連海洋法条約により、本土の外周に位置する離島(外周離島)により形成される世界で6番目となる広大な領域を保有する国となった。こうした事情を踏まえ、2002年7月に改正された離島振興法は、その目的(第1条)に「我が国の領域、排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、自然環境の保全等に重要な役割を担っている離島」との認識を明らかにした。しかしながら、離島振興は、引き続き国土交通省、総務省及び農林水産省が所轄し、その中心的課題は離島の自立的発展を促進し、島民の生活の安定及び福祉の向上を図り、あわせて国民経済の発展及び国民の利益の増進に寄与することを規定するに留まっている。
 他方、離島を含むわが国周辺海域では、1990年代から不法漁業や工作船、資源調査船あるいは密輸船が横行し、また本土へ多数の不法入国者が潜入している。これまでのところ、領域保全は海保庁法及び自衛隊法、排他的経済水域等の保全は漁業法等に委ねられているが、いずれも権限行使に制約が多く、実効性に乏しいのが実情である。
 本「離島保全のあり方」研究の目的は、将来想定される危機事態を明らかにし、本来あるべき離島保全の基本と現状の問題点を考察し、早急に整備すべき離島及び領域保全のための具体的対応策を提案するものである。
 
■研究経過
 2003年7月末までに調査研究構想を確定するとともに参考資料の収集を実施した。構想確定では焦点を努めて限定することとし、「離島保全」の重要な側面である離島の充実発展(振興)については具体的検討を割愛することとした。参考資料としては、政府公刊の白書等の外、諸外国における領域警備の実態把握を重視した。
 8月から9月にかけて、「広大な海域に点在する島としての小笠原諸島(父島、母島)」並びに「国境の島としての対馬」について現地調査を行った。父島においては海上自衛隊父島分遣隊司令の状況説明、日本離島センターの紹介による現地有識者との意見交換により島の実情・問題点等を調査した。対馬においては、陸上自衛隊対馬警備隊隊長の状況説明、同島の現地踏査の外、西方(主として九州)管内の離島の防衛責任を有する西部方面総監部防衛部(熊本)における担当者との意見交換を行い離島保全の現状について認識した。また、離島防衛を直接の任務とする西部方面普通科連隊(佐世保)を訪問し、事態対処訓練の状況等を見聞した。
 9月中旬から12月中旬にかけて、6回の共同研究者会同を行い、情報交換、思想の統一、担当章ごとの記述内容を調整し、12月末に概案を得た。
 2004年1月以降、全般校正、要約(英訳を含む)の作成を行い、調査報告書を1月末に完成した。
 
■成果等研究の経緯
 「危機事態」の予測にあたっては、将来想定される外周離島及びその周辺海域のおける多種多様な事態の一例を図式化して捉えてみた。危機事態は軍事的危機事態と非軍事的事態に区分し、軍事的危機を対称脅威と非対象脅威に、非軍事的危機を人為的危機と自然発生的危機に細分しその特称を考察すると共に、離島への影響を図表化し認識を容易にした。
 「離島保全の基本と現状の問題点」については、四面環海のわが国にあって、保全上の観点から外周にある離島の持つ地位及びその役割を明確にし、離島保全の目標((1)内なる充実、(2)外への対応)ならびに危機対処の基本を明かにした。
 現状の問題点については、国際海洋法に基づく沿岸国の権限とわが国の国内法の整備状況を保全上の観点から考察するとともに、事例に見る保全活動の現状として、“領域主権侵犯”“自然災害・人為災害”“今後の予測事態”について事例を紹介した。これらの現状を基に法整備・行政・危機管理体制等の観点から主要な問題点を要約として列挙し「離島保全のあり方」の考察の前提とした。
 以上の検討結果に基づき、本研究の成果となる第4章「離島保全のあり方」を考察した。
 内容としては、軍事、非軍事を問わず離島に対する直接的な危険から領土を保全し、また島民の生命、財産を保護すること「直接保全」と共に、周辺海域あるいは隣接する離島における危機から漁業や観光等の生活基盤を確保し、島民の心理的不安を除去し、本土との交通通信を維持するための間接保全、即ち国家として領域全般の保全「領域警備」の両面からの対応の必要性を提案した。
 これが為、国家全般の処置事項即ち法制整備、情報通信、省庁間協力、装備の近代化のあり方、「直接保全」のための緊急対応部隊に創設、民間防衛等の重要な施策、「領域警備」については、諸外国の対応の概要、わが国のあり方、特に基本となる考え方これに基づく、警察・海保・自衛隊の役割、主要な措置事項について提案した。
 
平成16年1月30日
 
研究者代表
特定非営利活動法人
環境・災害対策研究所
理事 元谷 豊
 
共同研究者
森野軍事研究所
理事 中村征人
同 吉田暁路







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