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(2)障害児に関する知識や技能の学習の必要性(図5-6)
 教員養成学部において障害児教育専攻以外の学生も障害児に関する知識や技能について学習する必要があると思うかの問いに対しては、「とてもそう思う」と考える者が85.0%と約半数を占めており、必要性を感じている教員が多いことが明らかにされた。
 
図5-6 
障害児に関する知識や技能の学習の必要性に対する回答別人数及びパーセンテージ
 
 またその理由を自由記述により尋ねたところ、図5-7のようになった。「通常学級にも障害児が在籍しているから」が最も多く、その他にも「今後通常学級にも障害児が在籍するようになるから」、「特別支援教育が始まるから」が挙げられており、近年の障害児教育を取り巻く環境の変化が大きな理由であることが察知された。また、2番目の理由として、「障害児教育は教育の原点であるから」が挙げられており、時代の動きに関わりなく、教育に携わる者として必須の内容であるとの認識も強いことが伺われた。
 
図5-7 
障害児教育専攻以外の学生も障害児に関する知識や技能を学習する必要があると思う理由
(拡大画面:51KB)
 
(3)障害児教育関連科目の設定の形態(図5-8)
 大学において障害児教育関連科目についてどのような形で設定することが望ましいと考えるかという問いに対しては、「『障害児の発達と教育』のような障害児に関連する単独の科目を設定する」のがよいと考える者が48.6%を占め、「『発達と学習』のような教職科目の一部で障害児に関する内容を取り入れる」のがよいと考える者33.6%を上回っており、障害児教育の科目を単独で設定するのが望ましいと考える教員の方が多いことが明らかとなった。
 
図5-8 障害児教育関連科目の設定の形態別人数及びパーセンテージ
 
 またその理由を尋ねたところ、図5-9-a)及びb)のようになった。
 「単独がよい」とする理由としては、「専門的に深く学ぶため」が最も多く、十分な授業時間を確保するためには、単独がよいと考えていることが伺われた。その一方で、一部で扱うのがよい理由として、「障害と名打つのはよくないと思うから」が挙げられているのに対して、単独がよいとする理由として「障害と名打つことで意識的に学ぶことが可能になるから」が挙げられており、この点については、立場により見解が異なる難しい問題であることが伺われた。
 
図5-9-a) 
障害児教育関連科目の設定のあり方(障害児に関連する単独の科目を設定するのがよいと考える理由)
(拡大画面:43KB)
 
図5-9-b) 
障害児教育関連科目の設定のあり方(教職科目の一部で障害児教育に関する内容を取り入れるのがよいと考える理由)







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