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新規範発見塾 レクチャー・メモ vol.14

 事業名 先駆的情報の創出・発信事業
 団体名 東京財団 注目度注目度5


第74回 「思想の独立」のすすめ
PART2
(二〇〇二年十月十七日)
知識や情報より、思想の独立のほうが先
 思想の独立と言うと「ああ、知識でないのだから慌てて聞かなくてもいいだろう」と思う人がいるようです。
 つまり、人々は情報が一番欲しい、人が知らないことを知りたい。それから、みんなが知っているのに自分だけ知らないと恥ずかしいから、人が知っていることも知りたい。つまり知識を補充したい。したがって「思想などはどうでもいい、後回しでいい、それでも十分間にあう」というのが、これまでの日本人の生活です。
 その結果、惨憺たる有り様になっているのではないですか? と言いたいのです。
 前回は小泉首相が北朝鮮にいった二日後でしたが、その後拉致被害者が五人戻ってきました。日本人は「彼らは洗脳されている」と思って迎えましたが、では自分はそうなっていないのですか? ということです。自分だっていろいろ教え込まれ、先入観の固まりになってヒドイ目に遭っていますよ、と言いたいのです。
 そのぐらい善良で素朴な日本人によくぞなったものだと思いますが、その状況を知識で教えてもだめなんですね。だから、独立した思想を持つという、根本的なところから話しています。
 情報や知識よりも、精神が独立するほうが先なのです。精神が独立していないと、いくら情報や知識をたくさん持っていても、何を言うべきかが思いつかない。何をすべきかの意欲が湧かない。
 そこで気がつくことは、日本人は共同体精神の中で生きている。共同体の中では、精神の独立はあまり歓迎されない。みんなと一緒に「まあまあ、なあなあ」と溶け込んで暮らすのがいいやり方である。この共同体が日本ではもう一五〇〇年かけて完成している。「言わなくてもわかるじゃないか。相手が気がつくまで待ってやろうじゃないか」。
 私もそういう人間になっているし、そういう考え方は好きです。人間はやっぱり根本的には、共同体精神がとても大切であると思っております。日本のそのような面は、たいへんな長所だと思います。
 ところが、近ごろはアメリカ帰りの人が増えまして、そういう人と話していると日本式が通用しません。私のやり方は「あなたが今言っていることは大変愚かなんですよ。それを愚かだとはっきり言いたくないから、自分で気がつきなさい。一年ぐらい待ちますよ」という日本式なのですが、そういうやり方が通用しない人が、このごろ非常に増えてしまいました。そういう人に教わった人がいつの間にか三十歳四十歳になって、そういう人同士の共同体が日本国内にできました。そして察し合う共同体や助け合う共同体を壊します。本人は洗脳が終わっていますから、そのことに気がつきません。
 仕方ないので、もっと根本的なところからお話ししようというわけです。
 本当はこんなことをいちいち言いたくないのですが、日本人は賢いけれども思いつかない、思いついても言わない。常に周りに配慮する。友好善隣関係を考える。こういうことは言わないことにしようと振舞う。
 これは日本人が持っている共同体精神であって、通じ合う相手なら良いのですが、そうでない相手もいるのは困ったことです。そういう相手が増えているのも困ったことです。そう思うと、日本的共同体精神の中では損をしても、あえて私はしゃべろうというわけです。
 
小学校は女性の先生が六二・三%
 今日は国家の話をいたしますが、しかしその前にごく身近な話をしてみましょう。ふと思いつくのは、小学校の先生は女性が多い。昭和四十五年に五割に達して、その後増えている一方です。
 女性の先生には良いところと悪いところがあります。良いところを言えば、仲よくしましょう、平等にしましょう、それから細かいことをきちんとしましょう。これは非常に良いことです。ただ、それだけでは困るわけで、世の中にはもうちょっと男性的な原理もあるから、両方を知る必要がある。
 小学校四年生ぐらいまでは女の先生だらけになってもいいと思うのですが、小学校五年生ぐらいからは男の先生がいないといけない。というのは、子供は「女っぽいことを教えているな」とは思わないのです。学校の先生が教えてくれる、これが文部省の考えである。日本国家の考えであると思って身につけてしまいます。
 そのため、日本中の男性が女性的になってしまったのではないか。しかし、女性的になったと気がついていないのです。そう思うのですが、いかがでしょうか。
 昭和三十年、国公立、私立全部合わせて、小学校は女の先生が四六・五%です。そして昭和四十五年、五〇・九%になりました。そして、現在は六二・三%が女の先生です。そういう表があります。
 ですから、日本中がみんな女性っぽくなってしまいました。
 中学校は、四〇・六%が女の先生。高等学校の女の先生は二五・二%です。だんだん減っていく。小学校は六割、中学校は四割、高校は二割五分。それから幼稚園は九四%が女性の先生です。
 こういう統計は昔からあるのですが、これを見てこういう話をした人に私は会ったことがありません。私だけです。なぜでしょうね。「女っぽい」などと言ってはいけないという先入観があるのでしょう。
 しかし頭の体操で言えば、私はあるテレビで「おばはんが」と言ったことがある。大阪のテレビだから「おばはんはこうですよ、ああですよ」と言ったのですが、東京のテレビでは自粛しています。「おばはんとは何だ、不愉快だ」と言われるからです。しかし、大阪ではおばはんというのは偉い、強い、という良い意味なのです。ものすごく尊敬が入っているニュアンスです。東京で言う「おばはん」とは全然別なのです。
 同様に、「女っぽい」という言葉も、悪い意味だけではありません。良い意味もたくさん含んでいるのです。「女っぽい」と言われて怒る女性は、男女を平等に考えていない女性です。大阪では「ああら大きに」と言うでしょう。これは、男女観は何通りもあるという話です。







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