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 主要品目別にみると、輸出は、最大品目である電子・電気機械が19.0%減となり、前年よりシェアを1.3ポイント低下させた。世界的なIT需要の落ち込みで大きな打撃を受け、米国企業などから受注するOEM(相手先ブランド生産)が伸び悩んだ。こうした影響を受け、半導体ファウンドリーの台湾積体電路(TSMC)や聯華電子(UMC)、パソコンメーカーの宏碁電脳(Acer)、英業達(Inventec)などは2001年の売上高が減少に転じた。
 輸入は、最大品目である電子・電気機械が28.0%減となり、シェアが2.9ポイント低下した。2000年に5割増となった精密機械が31.8%減になるなど、主要品目が軒並み2ケタの落ち込みとなった。
 2002年1〜4月の貿易総額(速報値)は、輸出が5.8%減、輸入が13.1%減と引き続き減少傾向が続いている。しかし、輸出は4月に0.3%増、輸入は3月に1.8%増と、それぞれ14ヵ月、13ヵ月ぶりに前年同月比で増加に転じるなど、回復の兆しがみられる。
 
表1-(3)台湾の主要商品別輸出
(単位:1,000ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
農水産加工品 2,053,942 1,942,773 1.6 △5.4
プラスチック製品 9,055,828 7,993,544 6.5 △11.7
繊維 15,217,094 12,635,931 10.3 △17.0
鉄鋼金属製品 13,518,625 11,333,619 9.2 △16.2
電子・電気機械 82,561,562 66,875,891 54.4 △19.0
輸送機械 5,752,823 4,441,562 3.6 △22.8
精密機械 4,057,876 3,326,110 2.7 △18.0
雑製品* 3,130,983 2,476,297 2.0 △20.9
化学品 4,044,142 4,138,714 3.4 2.3
原油・鉱産物 1,767,073 1,909,461 1.6 △8.1
その他 7,160,613 5,837,598 4.7 △18.6
合計 148,320,561 122,901,500 100.0 △17.1
出典)JETRO貿易投資白書2002年
  注)*印の雑製品は帽子・靴・玩具・スポーツ用品を指す。
 
表1-(4)台湾の主要商品別輸入
(単位:1,000ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
農水産加工品 5,170,619 4,861,708 4.5 △6.0
プラスチック製品 4,202,177 3,391,642 3.2 △19.3
繊維 2,896,943 2,358,602 2.2 △18.6
鉄鋼金属製品 11,044,094 7,783,766 7.3 △29.5
電子・電気機械 66,033,454 47,549,454 44.3 △28.0
輸送機械 4,704,700 4,241,374 4.0 △9.8
精密機械 9,116,443 6,214,848 5.8 △31.8
雑製品* 626,236 494,331 0.5 △21.1
化学品 13,085,183 10,230,995 9.5 △21.8
原油・鉱産物 14,093,994 12,763,693 11.9 △9.4
その他 9,036,726 7,352,419 6.9 △18.6
合計 140,010,636 107,242,832 100.0 △23.4
出典)JETRO貿易投資白書2002年
  注)*印の雑製品は帽子・靴・玩具・スポーツ用品を指す。
 
 主要国・地域別でみると、輸出は、香港が94億2,000万ドル(6.9%増)と増加に転じ、米国(82億7,000万ドル、12.9%減)を上回った。また、日本が20.3%減と大きく落ち込んだ。輸入は、日本(16.9%減)、米国(23.0%減)、香港(20.2%減)と主要輸入先で落ち込みが大きい。主要品目別の輸出では、シェアで過半を占める電子・電気機械が58%減と微減にとどまった。うち、電機産品は24.6%増と急増した。輸入は、最大品目の電子・電気機械が11.3%減と減少した。
 また、経済部の発表では、1〜3月の対中貿易(推計値)は輸出が18.9%増、輸入が6.5%増と、2001年の減少から一転して増加した。とりわけ、電機設備および同部品は59.3%増と大きな伸びをみせた。液晶ディスプレー、集積回路関連の部品など、中国では技術不足で生産が及ばない品目の輸出が増加した。なお、2001年11月より中国が米国を抜いて最大の輸出先となっている。
 米国の景気は回復局面にあり、2002年後半には台湾の貿易も徐々に増加するものと見込まれる。しかし、依然として世界経済の回復の足取りは弱含みであり、2002年の貿易は輸出が3.4%増、輸入が5.3%増にとどまると行政院主計処は予測している。
 経済部投資審議委員会によると、2000年に前年比8割増の76億ドルと史上最高額を記録した対内投資は、2001年は同3割減の51億ドルまで減少した。減少に転じた背景には、世界的に投資活動が一段落したことに加え、台湾経済の低迷があげられる。
 国・地域別では、ケイマン諸島(英)、英領バージン諸島など英領中米地域が4割減となった。欧州は、1.5%減と落ち込み幅が比較的少なく、2000年の4位から2位に浮上した。NTTドコモが英国の現地法人DCM CAPITAL TWNを通して台湾ドコモを設立した情報通信分野や、オランダ銀行、景順投資管理など金融分野での案件が目立った。米国は3割減と減少幅が大きかった。
 業種別では、非製造業が大きく落ち込み、金融保険、サービスがそれぞれ3割減、4割減となった。規制緩和の影響で急増した2000年の反動によるところが大きい。
 一方製造業では、大宗を占める電子・電気が3.4%減となったものの、シェアは前年より6.2ポイント増加した。
 対外直接投資は、件数が2000年と同水準であったものの、金額が13.5%減となった。株価の低迷により、預託証券や転換社債の発行を通した台湾企業の資金調達が困難になったことが大きい。国・地域別では、英領中米地域、日本が大きく落ち込んだ。一方、第2位の投資先である米国はシェア最大の電子・電気(92.2%増)を中心に急増した。シンガポールも72.3%増となったが、これはUMCが子会社を設立するために大型投資を行ったことによる。
 業種別では、シェア最大の金融保険向けが4割以上の減少となったものの、第2位の電子・電気が件数で2割増、金額では23倍の伸びを示した。台湾は不況下にありながらも、IT分野で台湾企業は積極的に対外投資を展開したといえる。
 対中国投資は、金額で7%増、件数では4割増となり、伸び率は前年と比較して鈍化したものの、増加傾向を維持した。台湾は中国の低廉な労働力、ハイテク人材の供給力を目的とした対中投資を拡大させている。省別にみると、江蘇省、漸江省など華東地域での増加が著しい。台湾の対中投資は、90年代初めは広東省など華南向けが中心であったが、近年は華東地域に集中しており、江蘇省向けがシェアで過半を占めるまでに至っている。この要因として、(1)中国の大消費市場である上海に近く、内販をする上で地理上の利点があること、(2)華東に台湾企業の産業集積が進んでいることなどがある。台湾区電機電子工業同業公会(TEEMA)のアンケート調査によると、インフラ、社会環境、法制度など華東の投資環境は華南を上回るとの結果が出ている。
 業種別では、化学、精密機械が5割近い伸びを示したものの、主力の電子・電気(シェア45.1%)は14.3%減となった。TEEMAの発表では、上場または店頭公開している台湾電子メーカーのうち、半数を超える企業が既に中国に拠点を設立したことから、台湾企業の対中投資が一巡したと考えられる。







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