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表1-(2)サウジアラビアの主要商品別輸出入
(単位:100万サウジ・リヤル、%)
  99年 2000年 2001年
金額 金額 金額 構成比 伸び率
輸出総額 190,084 290,553 n.a. 100.0 n.a.
鉱物資源 168,727 266,221 n,a. n.a. n.a.
化学製品 9,189 12,125 13,451 n.a. 10.9
プラスチック 3,529 3,805 6,179 n.a. 62.4
基礎金属 2,175 1,982 2,044 n.a. 3.1
食料品 1,768 1,700 1,541 n.a. △9.4
電気製品、機器 871 951 1,042 n.a. 9.6
その他 1,956 1,883 2,801 n.a. 48.8
再輸出額 1,869 1,886 3,635 n.a. 92.7
輸入総額 104,980 113,240 116,931 100.0 3.3
電気製品、機器 25,187 24,982 24,062 20.6 △3.7
食料品 18,107 20,258 17,926 15.3 △11.5
乗用車および部品 7,870 11,546 16,629 14.2 44.0
化学製品 9,600 10,398 10,542 9.0 1.4
基礎貴金属 8,808 8,895 9,535 8.2 7.2
輸送機器 7,332 8,450 8,727 7.5 32.8
繊維製品 6,494 6,674 6,557 5.6 △1.8
医薬品 3,347 3,256 3,577 3.1 9.9
宝飾品 5,113 4,575 3,563 3.0 △22.1
木材、加工品 1,259 1,444 1,376 1.2 △4.7
その他 11,863 12,762 14,437 12.3 13.1
出典)JETRO貿易投資白書2002年(サウジアラビア計画省統計局)
 
 一方、2001年の輸入総額は前年比3.3%増の1,169億SR(312億ドル)となり、2年連続して堅調な伸びを示した。商品別にみると、輸入構成比の14.2%を占める乗用車が国内需要増により前年比44.0%増と前年に引き続き大幅に増加した。他方、一般消費財の輸入は減少しており、電気製品が3.7%減、食料品が11.5%減、宝飾品が22.1%減となっている。
 相手国別では、最大の輸入相手国である米国からの輸入が減少に転じた一方、米国に次ぐ輸入相手国である日本からの輸入は、乗用車を中心に3年連続で増加した。特筆すべきは中国からの輸入であり、繊維品、日用雑貨、電気製品を中心に2年連続で20%を超える伸びを示している。またオーストラリアに進出した日本メーカーの現地生産乗用車の輸入増により、オーストラリアからの輸入が大幅に増加したことが注目される。
 サウジアラビアは1993年にWTOへの加盟を申請した。2002年6月現在、二国間協議は米国、EUを除く11カ国と合意済みであるが、まだ大きな進展はみられない。WTO加盟を早期に実現すべく、2003年から実施される湾岸協力会議(GCC)対外共通関税導入に先駆け、2001年5月に12%から5%への平均関税率の引き下げを実施した。このほか、アンチトラスト法、アンチダンピング法などの分野でWTO協定との整合化作業を実施中である。同国はGCC6カ国の中で唯一のWTO未加盟国であるため、政治的にも優先課題として取り組んでいる。他方、サウジアラビアはGCCを含むアラブ諸国13カ国との間で既に2005年までに域内関税を撤廃することで合意している。またGCC市場統合の基盤となる統一通貨の導入については、2001年末に開催されたGCCサミットにおいてサウジアラビアの強い主導の下、2005年までに各国の金融制度の整備を終え、遅くとも2010年1月には導入することが決議されている。
 中国経済の発展に伴い、サウジアラビアは同国との経済関係を深めている。中国からの2001年の輸入は前年比20.5%増の54億300万SRとなり、輸入相手国として前年の7位から5位に浮上した。こうしたなか、投資面では、対中大型投資案件の進展が注目されている。サウジアラムコと米エクソン・モービル社との合弁会社「福建石油化学」は中国石油化工集団公司(SINOPEC)をパートナーに中国国内で石油化学分野での合弁事業を計画している。これまでに福建製油所の大幅拡張と石油化学プラント新設の事業化調査の趣意書が2001年11月に署名された。同事業の投資額は40億〜60億ドルと見込まれており、原料となる原油輸出を通じた対中国貿易の一層の拡大も期待されている。また、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)は、M&Aを通じて石油化学事業のコスト競争力強化を推進しており、2002年4月にオランダDSM社から当該部門の事業資産を19億8,000万ドルで譲り受けた。DSM社の石油化学事業は、年産260万トンのポリマー製販が中心で、販売額は21億ドルと見込まれている。
 2001年の日本の対サウジアラビア貿易は、輸出総額が前年比16.5%増の36億1,000万ドルで大幅増となる一方、輸入総額は原油価格の下落を受け同12.9%減の124億900万ドルにとどまり、貿易赤字の縮小につながった。輸出増の要因としては、99年後半からの石油収入増を反映したサウジアラビア国内の需要拡大や円安による日本製品の競争力強化などがあげられる。輸送機器が輸出増に大きく寄与しており、中でも輸出構成比の14.2%を占める大型乗用車が前年比57.2%増、10.4%を占める中型乗用車が前年比25.6%増と大幅な伸びを示している。一方、輸入の8割以上を占める原油は、数量(キロリットル)べ一スでは前年実績を確保したが、2001年後半からの油価下落により金額べースでは10%近く減少した。日本にとって、これまで原油の最大輸入相手国はアラブ首長国連邦(UAE)であったが、2001年は同国からの輸入額が前年比14.6%減となったため、サウジアラビアが1位に踊り出た。
 
表1-(3)日本の対サウジアラビア主要商品別輸出入
(単位:100万ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
輸出総額 3,098 3,610 100.0 16.5
乗用車 894 1,203 33.3 34.6
車両部品ほか 106 128 3.5 20.8
一般機械類 467 387 10.7 △17.1
電気機械類 342 268 7.4 △21.6
金属製品 332 468 13.0 41.0
その他 525 621 17.2 18.2
輸入総額 14,241 12,409 100.0 △12.9
原油 11,149 10,054 81.0 △9.8
石油製品 669 545 4.4 △18.5
液化プロパン 1,704 1,210 9.8 △29.0
ブタン 399 276 2.2 △30.8
その他 320 324 2.6 1.3
出典)財務省「貿易統計(通関ベース)」よりジェトロ作成
 
 日本からサウジアラビアヘの新規投資案件としては、前述の独立型淡水化・発電プロジェクトが最大である。これに加え、2004年秋をめどに、三井物産、三菱商事、ダイセル化学工業、飯野海運の日本企業連合が、同国化学品メーカーのサウジ・インターナショナル・ペトロケミカル社との合弁で年産100万トンのメタノール製造を計画している。合弁会社の名称はインターナショナル・メタノール・カンパニー(IMC)が予定され、資本金は8,800万ドル(日本側35%、サウジアラビア側65%)、総事業費は3億5,000万ドルと見込まれている。2002年3月にはリヤドにおいて第3回日本サウジアラビア・ビジネスカウンシルが開催され、6月には東京で第8回日本サウジアラビア合同委員会が開催された。両国間では官民各々のレベルで経済交流の促進を図る会議・事業が実施され、投資促進の環境整備など着実に成果は出始めている。ただし、97年12月に開始された二国間投資協定交渉は2002年6月現在、継続中である。







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