II、夫妻の結婚について
1、初婚年齢、出会い年齢、交際期間
(1)晩婚化はさらに進行、出会い年齢が女性側でやや遅くなる
本調査でも夫妻の平均初婚年齢は最近の結婚ほど高くなっており、いぜん晩婚化が続いている。とりわけ女性で顕著である。夫妻が初めて出会った時の平均年齢は、今回調査では女性でやや高まった。しかし、男性では早まる傾向が続いている。これには出会いの遅い見合い結婚の減少が寄与しており、恋愛結婚だけについて見ると、女性では出会い年齢は従来から徐々に高まっており、他方男性ではほとんど変化がない(表II-1-1)。最近五年間の結婚(初婚どうし)では、結婚した男性の半数強(五五・三%)、女性の三分の二(六八・○%)は二五歳までに結婚相手と知り合っている(表II-1-2)。
(2)交際期間が長くなっている
夫妻が初めて出会った時から結婚するまでの交際期間は長くなっており、十年前(第十回調査)に比べ約二割(二一・二%)、十五年前(第九回調査)に比べると約四割(四〇・七%)も長くなっている。これにも見合い結婚の減少が関与しているが、恋愛結婚だけを見ても長くなっている(表II-1-1)。また、十五年前(第九回調査)では、出会ってから一年以内に結婚した夫婦が三分の一(三四・三%)を占めていたが、最近五年の結婚ではその割合は半分以下(十五・四%)に減少している(表II-1-3)。
表II-1-2 調査別にみた、夫妻が25歳および30歳までに出会った夫婦の割合
夫妻が最初
に出会った
年齢 |
夫 |
妻 |
第9回 調査
(1987年) |
第10回 調査
(1992年) |
第11回 調査
(1997年) |
第12回 調査
(2002年) |
第9回 調査
(1987年) |
第10回 調査
(1992年) |
第11回 調査
(1997年) |
第12回 調査
(2002年) |
総数 |
|
|
|
|
|
|
|
|
25歳まで |
43.9% |
49.4 |
53.3 |
55.3 |
71.5% |
72.4 |
71.8 |
68.0 |
30歳まで |
79.9 |
81.1 |
81.6 |
82.8 |
94.5 |
94.3 |
93.6 |
90.8 |
恋愛結婚 |
|
|
|
|
|
|
|
|
25歳まで |
57.2 |
58.8 |
59.8 |
60.0 |
82.7 |
80.8 |
78.5 |
72.8 |
30歳まで |
89.1 |
88.5 |
87.7 |
88.0 |
96.7 |
96.7 |
95.7 |
93.4 |
見合い結婚 |
|
|
|
|
|
|
|
|
25歳まで |
3.8 |
3.6 |
0.0 |
3.3 |
37.3 |
31.8 |
16.3 |
13.2 |
30歳まで |
53.0 |
44.8 |
30.9 |
21.1 |
87.9 |
82.1 |
77.2 |
61.5 |
|
注:表II-1-1と同じ。
表II-1-3 調査別にみた、出会いから1年、3年、5年以内に結婚した夫婦の割合
出会いから
結婚までの期間 |
第9回調査
(1987年) |
第10回調査
(1992年) |
第11回調査
(1997年) |
第12回調査
(2002年) |
総数 |
|
|
|
|
1年以内 |
34.3% |
23.0 |
16.7 |
15.4 |
3年以内 |
70.4 |
61.7 |
54.0 |
55.4 |
5年以内 |
87.0 |
81.5 |
78.5 |
73.9 |
恋愛結婚 |
|
|
|
|
1年以内 |
17.5 |
13.7 |
10.6 |
11.7 |
3年以内 |
61.0 |
54.0 |
48.2 |
50.9 |
5年以内 |
82.7 |
77.7 |
76.0 |
70.9 |
見合い結婚 |
|
|
|
|
1年以内 |
85.0 |
67.3 |
65.9 |
54.9 |
3年以内 |
98.7 |
97.3 |
97.6 |
97.8 |
5年以内 |
100.0 |
99.1 |
99.2 |
100.0 |
|
|
注:表II-1-1と同じ。
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(3)夫妻の年齢差が小さくなっている
男性に比べて女性の晩婚化が著しいので、夫妻の年齢差が小さくなっている。この年齢差の縮小にも、見合い結婚の減少が寄与しているものの、恋愛結婚だけについて見ても縮小は顕著である(表II-1-1)。
※恋愛結婚、見合い結婚の構成比については、次節(II-2 出会いのきっかけ)を参照のこと。
2、出会いのきっかけ
(1)職場での出会いが三分の一、見合い結婚はさらに減少
夫妻が知り合ったきっかけは、「職場や仕事の関係で」が最も多く、約三分の一を占める。ついで「友人・兄弟姉妹を通じて」が約三割、「学校で」が約一割と、概して日常的な場での出会いが多い。近年「友人・兄弟姉妹を通じて」の割合がやや増え、徐々に「職場や仕事で」の割合に近づいている。また、見合い結婚はさらに減少して、今回は前回の約一割をさらに下回り、約七%となった(「恋愛結婚・見合い結婚」は次項も参照)。
表II-2-1 調査別にみた、夫妻が出会ったきっかけの構成
調査
(調査年次) |
総数 |
恋愛結婚 |
見合い
結婚 |
その他・
不詳 |
職場や
仕事で |
友人
・兄弟
姉妹
を通じて |
学校で |
街なかや
旅先で |
サークル・
クラブ
習いごとで |
アルバイトで |
幼なじみ
・隣人 |
第8回調査
(1982年) |
100.0% |
25.3% |
20.5 |
6.1 |
8.2 |
5.8 |
- |
2.2 |
29.4% |
2.5% |
第9回調査
(1987年) |
100.0 |
31.6 |
22.4 |
7.0 |
6.3 |
5.4 |
- |
1.5 |
23.3 |
2.6 |
第10回調査
(1992年) |
100.0 |
35.0 |
22.3 |
7.8 |
6.2 |
5.5 |
4.2 |
1.8 |
15.2 |
2.0 |
第11回調査
(1997年) |
100.0 |
33.6 |
27.1 |
10.4 |
5.2 |
4.9 |
4.6 |
1.5 |
9.6 |
3.0 |
第12回調査
(2002年) |
100.0 |
32.6 |
29.7 |
9.8 |
5.6 |
4.8 |
4.8 |
1.2 |
7.4 |
4.0 |
|
注:各調査時点より過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦について。見合い結婚とは出会いのきっかけが「見合いで」、「結婚相談所で」の結婚。第8、9回調査は「アルバイトで」を選択肢に含まない。標本数:第8回(1,298)、第9回(1,418)、第10回(1,522)、第11回(1,296)、第12回(1,207)。
(2)恋愛結婚と見合い結婚の推移
過去五回の調査結果から、日本では戦後半世紀の間に結婚のしかたが大きく転換したことがうかがえる。戦前には約七割を占めていた見合い結婚は、その後一貫して減少し、一九六五〜六九年頃に恋愛結婚と比率が逆転した後、一九九五年以降の結婚では一割を下回っている。
2)恋愛結婚と見合い結婚の推移
過去5回の調査結果から、日本では戦後半世紀の間に結婚のしかたが大きく転換したことがうかがえる。戦前には約7割を占めていた見合い結婚は、その後一貫して減少し、1965〜69年頃に恋愛結婚と比率が逆転した後、1995年以降の結婚では1割を下回っている。
図II-2-1 結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合結婚構成の推移
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