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マッコウクジラ
 
 マッコウクジラは世界中の外洋域に住んでいますが、ふつう小笠原のような温暖な海域には大人のメスとその子供たちで構成(こうせい)された群れが住んでいて、大人のオスは寒冷(かんれい)域に住んでいます。オスクジラは交尾の時だけメスのいる群れのところへやってくるといわれています。マッコウクジラは深い海に住む大型のイカ類を主なエサとしていて、エサを求めて水深1,000m以上にまで潜る(もぐる)ことが知られています。小笠原では水深が1,000mを越す(こす)ような外洋に1年中いますが、ウォッチングツアーは夏から秋を中心に、海況(かいきょう)のよいときにおこなわれています。
 
 
 
マッコウクジラ
 
小笠原とクジラ・イルカの関係
 
 今ではクジラやイルカのウォッチングポイントとして有名な小笠原ですが、クジラやイルカとのつきあいは、1830年、小笠原に最初に定住したアメリカ、ヨーロッパ、ハワイのカナカの人たちが来島したころまでさかのぼります。彼らが来島した目的には、油を取るために捕獲(ほかく)していたマッコウクジラのよい漁場として、この海域を利用していたアメリカの捕鯨(ほげい)船への物資の提供があったのです。その後、石油の発見によりアメリカの捕鯨は衰退(すいたい)しましたが、大正・昭和時代には、日本が食用として、この海域に住むクジラをつかまえていた時期もありました。
 
小笠原の自然を未来へ残すには
 
 クジラやイルカ、アカウミガメ、コアホウドリなどの海鳥類、その他にも多くの野生の動植物が次の世代を残す繁殖地として小笠原を利用しています。また、小笠原にしかいない動物や植物、小笠原ならではの景観(けいかん)もたくさんあります。これらの自然を未来に残すために私たちには何ができるのか、何をしなければいけないのか。この小笠原への旅をきっかけに考えてみてください。
 
南島
 
母島小富士







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